150 / 154
Beauty fool monster
90話 異形への覚醒
しおりを挟む
――身体の内側が、どうしようもなく熱い。
――意識が、焼けていく。
――苦しい。助けて、タスケテ。
アウル――。
◇◆◇◆
ピリムの口から、大量の血が吐瀉される。
石畳の上の血溜まりは瞬く間に拡がっていく。
「なっ……」
アウルは思わず顔をしかめ、動揺を面に出す。
「ピリムっ……だ、大丈夫?」
ピリムのその吐血量は尋常ではなく、蛇口が故障でもしたかのように、口からは真っ赤な血が絶え間なく吐き出されていた。
更には目・耳・鼻と、顔中の穴という穴から血は溢れ出ていて、その勢いはまるで人体を流れる血液全てを放出しているようにも見える。
「ピリムっ!」
流石にただならぬ事態だと悟ったのか、ここまで静観を続けていたアイネが裸足で駆けつけてくる。先刻負った足の火傷の痛みなどまるで意に介していないようだ。
「アイネ、来ちゃダメだ!」
「ヤダよ! ピリムが……ピリムが死んじゃう!」
アイネはそのままアウルの静止を振り切ると、ピリムの元へと駆け寄る。
「どうしよう……ねえ、どうしよう」
ピリムを抱き寄せ、涙を滲ませるアイネ。親友である少女の深刻すぎる容態に、パニックへと陥る。
だが彼女が来たところで、出血が治まることはなかった。抱き寄せたアイネの白いローブはみるみる内に赤へと染まっていく。
(くそ、どうしたら……!)
治癒術の素養もない。医術に精通しているわけでもない。
アウルはどう最善を尽くせばいいのか何も解らず、ただただ自身の無力を嘆くことしか出来なかった。
そして、吐血が始まってから数十秒が経過したその時。
ぴたり、と出血が収まったのだ。
「止まっ……た?」
アイネに抱きかかえられたピリムの顔を、アウルが慎重に窺う。
瞳孔が開いたままの少女の顔色は死人のように青ざめ、血の気が失われていた。
「アウルくん……! ピリム……息してない!」
「……っ!?」
少女の呼気を確認していたアイネから、耳を塞ぎたくなる内容の報告がされる。
「嘘……だよね。ピリム……?」
その突き付けられた現実は、あまりにも唐突であった。
だが決して認めたくない。その一心でアウルは自らピリムの口元へと耳を寄せ、改めて確認する。
「…………っ」
何も聞こえず、ごくりと生唾を呑み込んだ音だけが耳の奥で反響するだけ。
続いて心音。成熟しきってない少女の小さな胸に耳を当てて確かめるが、やはり鼓動はなかった。
更には脈拍や眼球運動と、あらゆる希望へと縋りつくように他の部位も確かめた。
が、いずれも結果は同じであった――。
「そん、な……」
絶望が、二人を蝕む。
その無情な結末をあざ笑うかのように、空だけが晴れ渡っていた。
(こんな……こんな事って……)
受け入れ難いその結末に、アウルは奥歯を強く噛み締める。悲哀の感情は、まだ堰を切っていない。
(俺はまた……守れなかった……!)
今はただ『悔しい』という想いだけが、少年の心を占めていた。
(くそっ……! 俺は……)
項垂れ、悔恨の念にアウルは打ちひしがれた。
アイネは少女の遺体を抱えたまま、子どもの様に泣き叫んでいた。
そしてその一方で、木の幹に背中を預けつつ、アウルを見守っていたエリス――。
(アウル……)
エリスにとって、ピリムは謂わば恋敵だ。
同じアウルを想う者として、その存在を忌み、嫉妬心を焦がした事もあった。
先ほど相対した際に真っ先に殺そうとしたのも、アウルを自分だけのモノにしたいという、強すぎる独占欲がゆえの行動に他ならなかった。
しかし悔しさを全面に滲ませたアウルの表情を目にした今となっては、その敵意は瞬く間に翳り、僅かに芽生えた同情心によって胸を痛ませるのみであった。
だが、その憐れみの感情は次の瞬間、彼方へと消え失せていく――。
「――えっ?」
思いに耽っていたエリスが、俯いていた顔を再びアウルへと戻した先。ものの数秒の間に、様相は変化を見せていた。
「なに……あれ」
その光景の異様さに、思わず驚嘆が漏れ出る。
アイネに強く抱き締められたピリムの背中。
被服を突き破って、何かが生えていたのだ。
「腕……?」
目を凝らして見ると、その『何か』は形状からして腕のように見える。
しかし、木炭の如く焼け焦げた色に包まれ、長さもピリムの身長を優に超える2ヤールトほどある。どう見ても人間の腕ではなく、他に似た生物も思い付かない。
そんな代物が絶命した後に背中から生えているのだ。明らかに異様だろう。
「……っ!」
腕が動く。
ピリムは変わらず動かない。
独りでに意思を持ったかのよう、ゆらゆらと動いている。
アイネは泣き喚いたままだ。
アウルは少女二人から目を背けるように、悲嘆に暮れている。腕の存在には気付いていない。
そしてその黒い手は、拳を作る。
更にそのまま、アイネの脳天に狙いを定めたかのように構えたのだ。
(やばい……!)
あまりの奇怪さに思わず面を食らっていたエリスであったが、そこでようやく危険を察知する。
「危ないっ――!」
咄嗟に声を張り上げるエリス。
「えっ」
アイネがぴたりと泣き止む。
頭上に掲げられた黒い腕へ、影を辿るように見上げる。
「なにこれ……? ピリム……?」
腫れた目をきょとんと丸くさせるアイネ。
あまりの突然とその異様さに、まだ事態が呑み込めていないようだった。
だが腕は、少女の無垢な表情へと容赦なく襲いかかる。
「くっ……!」
しかし、アウルが寸でのところで反応し、降りかかる腕を手首の位置から切り裂く。
エリスが声を発してくれたことで、少年はかろうじて対処が間に合ったのだ。
「……っ!」
一方でアイネは、危機が回避されたことによってようやくと状況を理解した。そして抱き締めていた少女の遺体をがばっと引き剥がし、顔を確認する。
「ピリ……ム……?」
少女は生きていた。
だが開かれた両の瞳は、いつもの緑がかった青色の輝きを放っていない。角膜との境目が無く、ギラついた赤一色が紅蓮を宿したかのように強く煌めいていた。
「おはよう、アイネ」
歪んだ口元からは、普段のトーンに低い濁声が重なった不協和音じみた声が、目覚めを発している。
「だ、だれ……?」
アイネはその貌とピリムが漂わせていた気配で感付く。
目の前で嗤う少女は、ピリムの身体を借りているだけの全くの別人格だと――。
「――っっ」
直後、腹部に強い衝撃が走る。
そして次に、意識がひっくり返りそうになる程の痛みが、衝撃のあった部位から拡がっていく。
アイネは自らの胴体へと視線を落とす。そこには、黒い腕に貫かれた腹部が映っていた。
「あah、気持ちいieぃ」
ピリムは永い眠りから覚めたかのようにそう発すると、ゆっくり起き上がる。
下腹部から突き出た黒い腕は、アイネを串刺しにしたままだ。
「……な、な、ピリム?」
アウルの顔が青ざめる。
背中から生えていた腕は、斬った途端に大気へと還るように消滅していた。
だが、今度はいつの間にか腹部から腕を生やし、正面に居たアイネを一瞬にして貫いていたのだ。
「ごめnんねアイネ。あ、もう死んでるのかな?」
惚けた口調でピリムがそう言うと、生やした腕を何事も無かったかのように消滅させる。
貫かれぐったりとしていたアイネの体は、宙空で支えとなっていた腕が消失したことで落下。そのまま力無く、石畳へと倒れる。
「アイネっ!」
倒れたアイネの元へ、アウルが駆け寄る。
拳大の風穴からはどくどくと血が勢い良く溢れ出ていた。
アイネは既に意識を失っているが、息はまだある。
しかし動悸は浅く、次第に弱くなっていく。
死は、確実に近付いていた――。
「neぇアウル、遊bぼうよぉ?」
「…………」
アイネを診ている最中のアウルへ、ピリムが濁った猫なで声で誘う。
「ピリム」
「なぁaにー?」
ピリムを呼び、アウルはすっと立ち上がった。
「アイネは……友達じゃなかったの?」
「んと、そうだったみたいdね」
怒りの感情を静かに滾らせたアウルに対し、ピリムは違和感のある言い回しで答える。
「……そうか、わかったよ。キミはもう、俺の知ってるピリムじゃないんだね」
アウルは納得を口にすると、切っ先を下に向けてた剣を両手で握り、刃をピリムへと向ける。
それは、覚悟の表れだった。
「遊んddeで苦れれれるnoぉー?」
満面の笑みで、ピリムも歓喜を表情に出す。
同時に、背中からは黒い腕が四本飛び出す。
「ああ、遊んであげる。来なよ」
涙声で、少年は出来るだけ明るく応えた。
(さよなら、ピリム)
そして声には出さず胸の内にて、友達へと別れを告げた。
――意識が、焼けていく。
――苦しい。助けて、タスケテ。
アウル――。
◇◆◇◆
ピリムの口から、大量の血が吐瀉される。
石畳の上の血溜まりは瞬く間に拡がっていく。
「なっ……」
アウルは思わず顔をしかめ、動揺を面に出す。
「ピリムっ……だ、大丈夫?」
ピリムのその吐血量は尋常ではなく、蛇口が故障でもしたかのように、口からは真っ赤な血が絶え間なく吐き出されていた。
更には目・耳・鼻と、顔中の穴という穴から血は溢れ出ていて、その勢いはまるで人体を流れる血液全てを放出しているようにも見える。
「ピリムっ!」
流石にただならぬ事態だと悟ったのか、ここまで静観を続けていたアイネが裸足で駆けつけてくる。先刻負った足の火傷の痛みなどまるで意に介していないようだ。
「アイネ、来ちゃダメだ!」
「ヤダよ! ピリムが……ピリムが死んじゃう!」
アイネはそのままアウルの静止を振り切ると、ピリムの元へと駆け寄る。
「どうしよう……ねえ、どうしよう」
ピリムを抱き寄せ、涙を滲ませるアイネ。親友である少女の深刻すぎる容態に、パニックへと陥る。
だが彼女が来たところで、出血が治まることはなかった。抱き寄せたアイネの白いローブはみるみる内に赤へと染まっていく。
(くそ、どうしたら……!)
治癒術の素養もない。医術に精通しているわけでもない。
アウルはどう最善を尽くせばいいのか何も解らず、ただただ自身の無力を嘆くことしか出来なかった。
そして、吐血が始まってから数十秒が経過したその時。
ぴたり、と出血が収まったのだ。
「止まっ……た?」
アイネに抱きかかえられたピリムの顔を、アウルが慎重に窺う。
瞳孔が開いたままの少女の顔色は死人のように青ざめ、血の気が失われていた。
「アウルくん……! ピリム……息してない!」
「……っ!?」
少女の呼気を確認していたアイネから、耳を塞ぎたくなる内容の報告がされる。
「嘘……だよね。ピリム……?」
その突き付けられた現実は、あまりにも唐突であった。
だが決して認めたくない。その一心でアウルは自らピリムの口元へと耳を寄せ、改めて確認する。
「…………っ」
何も聞こえず、ごくりと生唾を呑み込んだ音だけが耳の奥で反響するだけ。
続いて心音。成熟しきってない少女の小さな胸に耳を当てて確かめるが、やはり鼓動はなかった。
更には脈拍や眼球運動と、あらゆる希望へと縋りつくように他の部位も確かめた。
が、いずれも結果は同じであった――。
「そん、な……」
絶望が、二人を蝕む。
その無情な結末をあざ笑うかのように、空だけが晴れ渡っていた。
(こんな……こんな事って……)
受け入れ難いその結末に、アウルは奥歯を強く噛み締める。悲哀の感情は、まだ堰を切っていない。
(俺はまた……守れなかった……!)
今はただ『悔しい』という想いだけが、少年の心を占めていた。
(くそっ……! 俺は……)
項垂れ、悔恨の念にアウルは打ちひしがれた。
アイネは少女の遺体を抱えたまま、子どもの様に泣き叫んでいた。
そしてその一方で、木の幹に背中を預けつつ、アウルを見守っていたエリス――。
(アウル……)
エリスにとって、ピリムは謂わば恋敵だ。
同じアウルを想う者として、その存在を忌み、嫉妬心を焦がした事もあった。
先ほど相対した際に真っ先に殺そうとしたのも、アウルを自分だけのモノにしたいという、強すぎる独占欲がゆえの行動に他ならなかった。
しかし悔しさを全面に滲ませたアウルの表情を目にした今となっては、その敵意は瞬く間に翳り、僅かに芽生えた同情心によって胸を痛ませるのみであった。
だが、その憐れみの感情は次の瞬間、彼方へと消え失せていく――。
「――えっ?」
思いに耽っていたエリスが、俯いていた顔を再びアウルへと戻した先。ものの数秒の間に、様相は変化を見せていた。
「なに……あれ」
その光景の異様さに、思わず驚嘆が漏れ出る。
アイネに強く抱き締められたピリムの背中。
被服を突き破って、何かが生えていたのだ。
「腕……?」
目を凝らして見ると、その『何か』は形状からして腕のように見える。
しかし、木炭の如く焼け焦げた色に包まれ、長さもピリムの身長を優に超える2ヤールトほどある。どう見ても人間の腕ではなく、他に似た生物も思い付かない。
そんな代物が絶命した後に背中から生えているのだ。明らかに異様だろう。
「……っ!」
腕が動く。
ピリムは変わらず動かない。
独りでに意思を持ったかのよう、ゆらゆらと動いている。
アイネは泣き喚いたままだ。
アウルは少女二人から目を背けるように、悲嘆に暮れている。腕の存在には気付いていない。
そしてその黒い手は、拳を作る。
更にそのまま、アイネの脳天に狙いを定めたかのように構えたのだ。
(やばい……!)
あまりの奇怪さに思わず面を食らっていたエリスであったが、そこでようやく危険を察知する。
「危ないっ――!」
咄嗟に声を張り上げるエリス。
「えっ」
アイネがぴたりと泣き止む。
頭上に掲げられた黒い腕へ、影を辿るように見上げる。
「なにこれ……? ピリム……?」
腫れた目をきょとんと丸くさせるアイネ。
あまりの突然とその異様さに、まだ事態が呑み込めていないようだった。
だが腕は、少女の無垢な表情へと容赦なく襲いかかる。
「くっ……!」
しかし、アウルが寸でのところで反応し、降りかかる腕を手首の位置から切り裂く。
エリスが声を発してくれたことで、少年はかろうじて対処が間に合ったのだ。
「……っ!」
一方でアイネは、危機が回避されたことによってようやくと状況を理解した。そして抱き締めていた少女の遺体をがばっと引き剥がし、顔を確認する。
「ピリ……ム……?」
少女は生きていた。
だが開かれた両の瞳は、いつもの緑がかった青色の輝きを放っていない。角膜との境目が無く、ギラついた赤一色が紅蓮を宿したかのように強く煌めいていた。
「おはよう、アイネ」
歪んだ口元からは、普段のトーンに低い濁声が重なった不協和音じみた声が、目覚めを発している。
「だ、だれ……?」
アイネはその貌とピリムが漂わせていた気配で感付く。
目の前で嗤う少女は、ピリムの身体を借りているだけの全くの別人格だと――。
「――っっ」
直後、腹部に強い衝撃が走る。
そして次に、意識がひっくり返りそうになる程の痛みが、衝撃のあった部位から拡がっていく。
アイネは自らの胴体へと視線を落とす。そこには、黒い腕に貫かれた腹部が映っていた。
「あah、気持ちいieぃ」
ピリムは永い眠りから覚めたかのようにそう発すると、ゆっくり起き上がる。
下腹部から突き出た黒い腕は、アイネを串刺しにしたままだ。
「……な、な、ピリム?」
アウルの顔が青ざめる。
背中から生えていた腕は、斬った途端に大気へと還るように消滅していた。
だが、今度はいつの間にか腹部から腕を生やし、正面に居たアイネを一瞬にして貫いていたのだ。
「ごめnんねアイネ。あ、もう死んでるのかな?」
惚けた口調でピリムがそう言うと、生やした腕を何事も無かったかのように消滅させる。
貫かれぐったりとしていたアイネの体は、宙空で支えとなっていた腕が消失したことで落下。そのまま力無く、石畳へと倒れる。
「アイネっ!」
倒れたアイネの元へ、アウルが駆け寄る。
拳大の風穴からはどくどくと血が勢い良く溢れ出ていた。
アイネは既に意識を失っているが、息はまだある。
しかし動悸は浅く、次第に弱くなっていく。
死は、確実に近付いていた――。
「neぇアウル、遊bぼうよぉ?」
「…………」
アイネを診ている最中のアウルへ、ピリムが濁った猫なで声で誘う。
「ピリム」
「なぁaにー?」
ピリムを呼び、アウルはすっと立ち上がった。
「アイネは……友達じゃなかったの?」
「んと、そうだったみたいdね」
怒りの感情を静かに滾らせたアウルに対し、ピリムは違和感のある言い回しで答える。
「……そうか、わかったよ。キミはもう、俺の知ってるピリムじゃないんだね」
アウルは納得を口にすると、切っ先を下に向けてた剣を両手で握り、刃をピリムへと向ける。
それは、覚悟の表れだった。
「遊んddeで苦れれれるnoぉー?」
満面の笑みで、ピリムも歓喜を表情に出す。
同時に、背中からは黒い腕が四本飛び出す。
「ああ、遊んであげる。来なよ」
涙声で、少年は出来るだけ明るく応えた。
(さよなら、ピリム)
そして声には出さず胸の内にて、友達へと別れを告げた。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
王太子様に婚約破棄されましたので、辺境の地でモフモフな動物達と幸せなスローライフをいたします。
なつめ猫
ファンタジー
公爵令嬢のエリーゼは、婚約者であるレオン王太子に婚約破棄を言い渡されてしまう。
二人は、一年後に、国を挙げての結婚を控えていたが、それが全て無駄に終わってしまう。
失意の内にエリーゼは、公爵家が管理している辺境の地へ引き篭もるようにして王都を去ってしまうのであった。
――そう、引き篭もるようにして……。
表向きは失意の内に辺境の地へ篭ったエリーゼは、多くの貴族から同情されていたが……。
じつは公爵令嬢のエリーゼは、本当は、貴族には向かない性格だった。
ギスギスしている貴族の社交の場が苦手だったエリーゼは、辺境の地で、モフモフな動物とスローライフを楽しむことにしたのだった。
ただ一つ、エリーゼには稀有な才能があり、それは王国で随一の回復魔法の使い手であり、唯一精霊に愛される存在であった。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
婚約破棄されたポンコツ魔法使い令嬢は今日も元気です!
シマ
ファンタジー
私、ルナ・ニールセン子爵令嬢。私は魔力が強い事で目を付けられ、格上のフォーラス侯爵家・長男ハリソン様と強引に婚約させられた。
ところが魔法を学ぶ学園に入学したけど、全く魔法が使えない。魔方陣は浮かぶのに魔法が発動せずに消えてしまう。練習すれば大丈夫と言われて、早三年。いまだに魔法が使えない私は“ポンコツ魔法使い”と呼ばれていた。
魔法が使えない事を不満に思っていた婚約者は、遂に我慢の限界がきたらしい。
「お前の有責で婚約は破棄する!」
そう大きな声で叫ばれて美女と何処かへ行ったハリソン様。
あの、ここ陛下主催の建国記念の大舞踏会なんですけど?いくら不満だったからってこんな所で破棄を言わなくても良いじゃない!
その結果、騎士団が調査する事に。
そこで明らかになったのは侯爵様が私に掛けた呪い。
え?私、自分の魔力を盗まれてたの?婚約者は魔力が弱いから私から奪っていた!?
呪いを完全に解き魔法を学ぶ為に龍人の村でお世話になる事になった私。
呪いが解けたら魔力が強すぎて使いこなせません。
……どうしよう。
追記
年齢を間違えていたので修正と統一しました。
ルナー15歳、サイオスー23歳
8歳差の兄妹です。
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
ファンタジー
パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。
【完結】神様に嫌われた神官でしたが、高位神に愛されました
土広真丘
ファンタジー
神と交信する力を持つ者が生まれる国、ミレニアム帝国。
神官としての力が弱いアマーリエは、両親から疎まれていた。
追い討ちをかけるように神にも拒絶され、両親は妹のみを溺愛し、妹の婚約者には無能と罵倒される日々。
居場所も立場もない中、アマーリエが出会ったのは、紅蓮の炎を操る青年だった。
小説家になろう、カクヨムでも公開していますが、一部内容が異なります。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
回復力が低いからと追放された回復術師、規格外の回復能力を持っていた。
名無し
ファンタジー
回復術師ピッケルは、20歳の誕生日、パーティーリーダーの部屋に呼び出されると追放を言い渡された。みぐるみを剥がされ、泣く泣く部屋をあとにするピッケル。しかし、この時点では仲間はもちろん本人さえも知らなかった。ピッケルの回復術師としての能力は、想像を遥かに超えるものだと。
高校からの帰り道、錬金術が使えるようになりました。
マーチ・メイ
ファンタジー
女子校に通う高校2年生の橘優奈は学校からの帰り道、突然『【職業】錬金術師になりました』と声が聞こえた。
空耳かと思い家に入り試しにステータスオープンと唱えるとステータスが表示された。
しばらく高校生活を楽しみつつ家で錬金術を試してみることに 。
すると今度はダンジョンが出現して知らない外国の人の名前が称号欄に現れた。
緩やかに日常に溶け込んでいく黎明期メインのダンジョン物です。
小説家になろう、カクヨムでも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる