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High voltage
45話 カオス・エモーション
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「ピリム……?」
アイネは自身の目を疑う。
なぜ、殺人犯から逃げ果せたと思っていたピリムが家の中に居るのか。
「アイネ、来たんだ」
ニコッと微笑み、廊下に立つアイネの元へ悠然と歩み寄るピリム。
そして面と向かい合ったと同時に、アイネの白い手をピリムが両の手で包み込む。
妙に冷たい手が、不気味さを煽る。
「ピリム……今日、どうして休んだの?」
「うーん? なんとなく……かな?」
命じられた本来の目的をアイネは単刀直入に問い質すが、返ってきたのはなんとも曖昧な答え。
アイネは自身の耳を疑う。
(おかしいよ……いつものピリムならこんなこと……)
疑念ばかりが募っていく。
そんなアイネの胸中とは相対するように、ピリムは明るく元気に接してくる。
「ねえ、アイネ。お出掛けしよ? 今日はさ、任務なんてサボって二人で遊んじゃおうよ」
そもそもなぜ、この少女は――。
「ピリム、あのね……」
「ん、なに?」
「一階の"アレ"、ピリムのママさん、だよね……?」
――母親が死んでいるのに平然として居られるのだろう。
アイネはピリムの正気を疑った。
◇◆◇◆
「ふむ……どうやら相手は一人ですね」
「エルミ、どうする?」
地下へと潜ろうとしたエルミとフェリィの背後から、突如として現れた男。
二人は身構えつつ、教会の入り口付近に立つその男の耳に届かないよう、小声で相談を交わす。
「相手は魔神族に与する集団――と言っても、人間ですからね。拘束に留めておきましょうか」
「……了解」
エルミからの指示を受けたフェリィが杖剣を強く握り、気取られないよう静かにマナを練り上げる。
「キサマ等、ここが神聖なる天使教の敷地内だと解っているのか! 信者でない者はさっさと立ち去れ!」
聖堂の中央に敷かれた赤カーペットの上をずかずかと歩みながら、男が向かってくる。
「おやおや……ここはゼレスティア国内ですよ? 民間信仰ではない宗教活動がこの国では御法度だということを存じてないのですか? 立ち去るべきは貴方達、天使教の者ですよ」
真っ向からエルミが正論で説き伏せる。
「黙れ……! 出ていかないと言うなら、力ずくでも追い出させてもらうぞ!」
怒りを露わにした男が、歩くスピードを早め二人の元へ。
「常識の通用しなさそうな相手のようですね」
「そりゃそうだ。魔神族なんかを崇拝している程の連中だからな」
相手がすぐそこまで迫っているにも関わらず、二人は平静を崩さない。
「ではフェリィ、任せましたよ」
「――任せられたよ」
その号と共に、エルミはフェリィの背中へ隠れるよう一歩下がる。
「"スレーベ・ペトラン"」
拘束用土術を唱え、杖先で石床をコンッと突くフェリィ。
「――!!」
すると、男の足下からカーペットを突き破り、形状を変えた平面だった石が膝元まで迫り寄る。
「なっ――」
と、驚きの声を上げたのは、不意を衝かれた筈の男――ではなく、土術を唱えたフェリィだった。
確実に捕えたと思っていた石による拘束は、男の膝下を掠め、空を掴む。
そう、男は掴まれる直前で跳んで避けて見せたのだ――。
(あのタイミングで避けたというのか……!?)
「――フェリィ、上です」
「――っ!」
狼狽えた様子のフェリィへ、エルミが敵の位置を伝える。
それにより彼女は避けられたショックから立ち直り、視線を宙空へと。
「なんだと……」
見上げた先には、拘束土術を人間離れした跳躍力で回避した男の姿が。
身長の数倍もの高さまで跳んでみせた男は、そのまま落下の勢いを利用し、垂直に鉄拳を振り下ろす――というより、身体ごと降り注ぐ。
「――っ!!」
重力に従う形で降ってくる男の拳。
フェリィはそれをバックステップで回避。
拳が石床に突き刺さり、めり込みは肘にまで達する。
「コイツ……人間なのか?」
埋まった腕を床から悠々と引き抜き、自身へと向き直る男。
同じ人間とは思えないほどの跳躍力に加え、いとも簡単に石床を貫いてみせた生身での攻撃。
その一連の動作を一通り窺ったフェリィが、思わず率直な感想を零してしまった。
一方、男の頭部を目深に覆っていたフードはフェリィとの攻防によりいつの間にか外れ、素顔が露わになっていた。
「…………」
短い金髪にギラついた目付きの男。
容姿だけを見るに、年齢は二十代半ばといったところか。
そう、たった今披露した身体能力以外は至って普通の――人間なのだ。
「キサマ等、さっきの問答と今の動きから見るに、一般人ではないな。軍の者か……?」
注意深く観察するエルミとフェリィへ男が口開き、所属を問う。
「だったら、どうだと言うんです?」
フェリィに比べ、まだ冷静さを保っていたエルミが即答する。
「ふ、ふふ……ふふはhaははは……!」
すると期待通りの答えだったのか、男は全身を小刻みに震わせながら喜びを爆発させる。
「わわ我らが召しますす、ててて天使様よ……巡りっ、合わせにににに、か感謝致しま、す……」
吃音混じりに崇拝すべく魔神へ祈り、感情を奮い立たせる男。
着ていた黒いローブをバサッと脱ぎ捨て、薄手の白いシャツがはち切れんばかりの筋骨隆々な上半身をさらけ出す。
「いい忌むべkiきっ、宿敵きき……ヒト族へっ……私が、代行者とっ、なってて、ささ裁きの鉄槌を……下して、見せせま、しょっ、う……」
絶えず動き回る、定まらない視線の焦点。
強く食い縛った口の端には白い泡。
突如として狂人化した彼は、明らかに"普通"とは程遠い状態へと成り果てていた。
「おい、エルミ……なんなんだコイツは!? 人間なのか!?」
その男は今にも襲い掛からんと気概を露わにしている。
相対するフェリィが、背後に立つエルミへ訊く。
「…………」
慌てるフェリィを矢面にするよう、飽くまで冷静さを絶やすことなくエルミは男の様子を分析する。
("サイケデリック・アカルト"……では無さそうですね、人間としての感情の赴くままに行動理念がある。では一体……)
思慮を巡らせるエルミ。
敵であるにせよ、人間のまま扱うのか魔神として扱うのか、思いあぐねているようだ。
「エルミ、どうしたらいいんだ! 来るぞ!」
立場上、上司であるエルミへとフェリィが指示を仰ぐ。
――城塞都市ゼレスティアでは、攻撃魔術を人間相手に放つのは重罪として処される。そのため敵を人間として扱う場合は、先程と同様にやはり拘束を敢行しなければならないのだ。
「――エルミ!」
「少し考えさせてください。というわけで、時間稼ぎをよろしくお願いします」
「……嘘でしょ?」
「この状況下で嘘を言うわけがないでしょう。ファイトですよ、フェリィ。ご褒美に後でハグしてあげましょう」
「――っ!?」
エルミがキッパリと無理難題と褒美をちらつかせる。
「無茶を言うなよ……あんな動きをする相手に、傷付けず時間稼ぎをしろって……」
小声で苦言を呈しつつ、フェリィは杖剣を構える。
(まあ、でも……エルミからのハグはちょっと嬉しいかな……ちょっとだけだけど)
が、彼女にとって褒美は魅力的だったようだ。
◇◆◇◆
「……ああ、ママね」
一階にあったシャリエ・ネスロイドの死体について、アイネはピリムへ問い質した。
するとピリムは、柔和な笑みを絶やすことなく答えて見せた。
「うん、アタシが殺したよ」
「――っ!?」
僅かだった動揺が奔流となってアイネの胸中を駆け巡る。それでもアイネは出来るだけ平静を取り繕い、再度問う。
「そんな、どうして……」
「……どうして? ムカつくからに決まってるじゃない!」
ピリムは語気を荒げて言う。
「いつまでもいつまでもアタシの事子供扱いして――」
怒り。
「何するにしたって、否定から入ってさぁ――」
憂い。
「……パパと離れて暮らすようになったのも、ママのせいなの――」
悲哀。
「どうして、仲良くできないの……」
瞳には涙。
「だからもう、全部どうでも良くなったの」
無。
「でもスッキリしたなぁ……あはははは」
屈託のない笑顔。
喜怒哀楽のフルコース。
荒波の如く寄せては返す感情の触れ幅。
情緒不安定どころではない。
「ピリム……」
異様に異常で異質な様相。
付き合いの長いアイネでなくとも、少女の精神が狂ってしまったという事に気付くことができるだろう。
だが、そんなアイネの心配を余所に少女は更なる本心を曝す――。
「――アタシね、アイネとアウルさえ居ればそれでいい。もうなにもいらないよ」
伏し目がちに少女はそう言った。
視線は、机の上にポツンと置かれた空の小瓶へ――。
アイネは自身の目を疑う。
なぜ、殺人犯から逃げ果せたと思っていたピリムが家の中に居るのか。
「アイネ、来たんだ」
ニコッと微笑み、廊下に立つアイネの元へ悠然と歩み寄るピリム。
そして面と向かい合ったと同時に、アイネの白い手をピリムが両の手で包み込む。
妙に冷たい手が、不気味さを煽る。
「ピリム……今日、どうして休んだの?」
「うーん? なんとなく……かな?」
命じられた本来の目的をアイネは単刀直入に問い質すが、返ってきたのはなんとも曖昧な答え。
アイネは自身の耳を疑う。
(おかしいよ……いつものピリムならこんなこと……)
疑念ばかりが募っていく。
そんなアイネの胸中とは相対するように、ピリムは明るく元気に接してくる。
「ねえ、アイネ。お出掛けしよ? 今日はさ、任務なんてサボって二人で遊んじゃおうよ」
そもそもなぜ、この少女は――。
「ピリム、あのね……」
「ん、なに?」
「一階の"アレ"、ピリムのママさん、だよね……?」
――母親が死んでいるのに平然として居られるのだろう。
アイネはピリムの正気を疑った。
◇◆◇◆
「ふむ……どうやら相手は一人ですね」
「エルミ、どうする?」
地下へと潜ろうとしたエルミとフェリィの背後から、突如として現れた男。
二人は身構えつつ、教会の入り口付近に立つその男の耳に届かないよう、小声で相談を交わす。
「相手は魔神族に与する集団――と言っても、人間ですからね。拘束に留めておきましょうか」
「……了解」
エルミからの指示を受けたフェリィが杖剣を強く握り、気取られないよう静かにマナを練り上げる。
「キサマ等、ここが神聖なる天使教の敷地内だと解っているのか! 信者でない者はさっさと立ち去れ!」
聖堂の中央に敷かれた赤カーペットの上をずかずかと歩みながら、男が向かってくる。
「おやおや……ここはゼレスティア国内ですよ? 民間信仰ではない宗教活動がこの国では御法度だということを存じてないのですか? 立ち去るべきは貴方達、天使教の者ですよ」
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怒りを露わにした男が、歩くスピードを早め二人の元へ。
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相手がすぐそこまで迫っているにも関わらず、二人は平静を崩さない。
「ではフェリィ、任せましたよ」
「――任せられたよ」
その号と共に、エルミはフェリィの背中へ隠れるよう一歩下がる。
「"スレーベ・ペトラン"」
拘束用土術を唱え、杖先で石床をコンッと突くフェリィ。
「――!!」
すると、男の足下からカーペットを突き破り、形状を変えた平面だった石が膝元まで迫り寄る。
「なっ――」
と、驚きの声を上げたのは、不意を衝かれた筈の男――ではなく、土術を唱えたフェリィだった。
確実に捕えたと思っていた石による拘束は、男の膝下を掠め、空を掴む。
そう、男は掴まれる直前で跳んで避けて見せたのだ――。
(あのタイミングで避けたというのか……!?)
「――フェリィ、上です」
「――っ!」
狼狽えた様子のフェリィへ、エルミが敵の位置を伝える。
それにより彼女は避けられたショックから立ち直り、視線を宙空へと。
「なんだと……」
見上げた先には、拘束土術を人間離れした跳躍力で回避した男の姿が。
身長の数倍もの高さまで跳んでみせた男は、そのまま落下の勢いを利用し、垂直に鉄拳を振り下ろす――というより、身体ごと降り注ぐ。
「――っ!!」
重力に従う形で降ってくる男の拳。
フェリィはそれをバックステップで回避。
拳が石床に突き刺さり、めり込みは肘にまで達する。
「コイツ……人間なのか?」
埋まった腕を床から悠々と引き抜き、自身へと向き直る男。
同じ人間とは思えないほどの跳躍力に加え、いとも簡単に石床を貫いてみせた生身での攻撃。
その一連の動作を一通り窺ったフェリィが、思わず率直な感想を零してしまった。
一方、男の頭部を目深に覆っていたフードはフェリィとの攻防によりいつの間にか外れ、素顔が露わになっていた。
「…………」
短い金髪にギラついた目付きの男。
容姿だけを見るに、年齢は二十代半ばといったところか。
そう、たった今披露した身体能力以外は至って普通の――人間なのだ。
「キサマ等、さっきの問答と今の動きから見るに、一般人ではないな。軍の者か……?」
注意深く観察するエルミとフェリィへ男が口開き、所属を問う。
「だったら、どうだと言うんです?」
フェリィに比べ、まだ冷静さを保っていたエルミが即答する。
「ふ、ふふ……ふふはhaははは……!」
すると期待通りの答えだったのか、男は全身を小刻みに震わせながら喜びを爆発させる。
「わわ我らが召しますす、ててて天使様よ……巡りっ、合わせにににに、か感謝致しま、す……」
吃音混じりに崇拝すべく魔神へ祈り、感情を奮い立たせる男。
着ていた黒いローブをバサッと脱ぎ捨て、薄手の白いシャツがはち切れんばかりの筋骨隆々な上半身をさらけ出す。
「いい忌むべkiきっ、宿敵きき……ヒト族へっ……私が、代行者とっ、なってて、ささ裁きの鉄槌を……下して、見せせま、しょっ、う……」
絶えず動き回る、定まらない視線の焦点。
強く食い縛った口の端には白い泡。
突如として狂人化した彼は、明らかに"普通"とは程遠い状態へと成り果てていた。
「おい、エルミ……なんなんだコイツは!? 人間なのか!?」
その男は今にも襲い掛からんと気概を露わにしている。
相対するフェリィが、背後に立つエルミへ訊く。
「…………」
慌てるフェリィを矢面にするよう、飽くまで冷静さを絶やすことなくエルミは男の様子を分析する。
("サイケデリック・アカルト"……では無さそうですね、人間としての感情の赴くままに行動理念がある。では一体……)
思慮を巡らせるエルミ。
敵であるにせよ、人間のまま扱うのか魔神として扱うのか、思いあぐねているようだ。
「エルミ、どうしたらいいんだ! 来るぞ!」
立場上、上司であるエルミへとフェリィが指示を仰ぐ。
――城塞都市ゼレスティアでは、攻撃魔術を人間相手に放つのは重罪として処される。そのため敵を人間として扱う場合は、先程と同様にやはり拘束を敢行しなければならないのだ。
「――エルミ!」
「少し考えさせてください。というわけで、時間稼ぎをよろしくお願いします」
「……嘘でしょ?」
「この状況下で嘘を言うわけがないでしょう。ファイトですよ、フェリィ。ご褒美に後でハグしてあげましょう」
「――っ!?」
エルミがキッパリと無理難題と褒美をちらつかせる。
「無茶を言うなよ……あんな動きをする相手に、傷付けず時間稼ぎをしろって……」
小声で苦言を呈しつつ、フェリィは杖剣を構える。
(まあ、でも……エルミからのハグはちょっと嬉しいかな……ちょっとだけだけど)
が、彼女にとって褒美は魅力的だったようだ。
◇◆◇◆
「……ああ、ママね」
一階にあったシャリエ・ネスロイドの死体について、アイネはピリムへ問い質した。
するとピリムは、柔和な笑みを絶やすことなく答えて見せた。
「うん、アタシが殺したよ」
「――っ!?」
僅かだった動揺が奔流となってアイネの胸中を駆け巡る。それでもアイネは出来るだけ平静を取り繕い、再度問う。
「そんな、どうして……」
「……どうして? ムカつくからに決まってるじゃない!」
ピリムは語気を荒げて言う。
「いつまでもいつまでもアタシの事子供扱いして――」
怒り。
「何するにしたって、否定から入ってさぁ――」
憂い。
「……パパと離れて暮らすようになったのも、ママのせいなの――」
悲哀。
「どうして、仲良くできないの……」
瞳には涙。
「だからもう、全部どうでも良くなったの」
無。
「でもスッキリしたなぁ……あはははは」
屈託のない笑顔。
喜怒哀楽のフルコース。
荒波の如く寄せては返す感情の触れ幅。
情緒不安定どころではない。
「ピリム……」
異様に異常で異質な様相。
付き合いの長いアイネでなくとも、少女の精神が狂ってしまったという事に気付くことができるだろう。
だが、そんなアイネの心配を余所に少女は更なる本心を曝す――。
「――アタシね、アイネとアウルさえ居ればそれでいい。もうなにもいらないよ」
伏し目がちに少女はそう言った。
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