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Eroded Life
29話 心理戦
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正午を告げる鐘が、国中に鳴り渡る。
昼下がりへと差し掛かるハーティス食堂には、ランチを目的とした他の客達が少しずつ店のドアをくぐり、賑わいの兆しを見せていく。
そんな中、アウルはひたすら考えていた。
何故、カレリアにだけ特性が通じないのか――それだけを一点に。
考えうる範囲での理由全てを脳内に枚挙し、一つ一つ肯定と否定を繰り返す。
もちろん少女の一挙手一投足を見逃さないよう、細心の注意を払いつつ。
「…………」
少女の姿をした魔神、エリス。
先程から、会話をしながらも食い入るようにカレリアの顔をじっと見つめている。
その姿はまるで、野生の肉食獣が気配を悟られまいと獲物を狙う機でも窺っているかのようにも見えた。
隣に座るエリスのその様子を横目で見ていたアウルの脳内に、一つのヒントが浮かぶ。
(もしかして、特性が全く通じないんじゃなく、通じさせる条件みたいなものがあるのか……?)
その推測は、大いに有り得た。
「へえ、エリスちゃんのお家は第3地区の方にあるのね。もしかしたら私んちから案外近いのかもね~。良かったら今度ウチの劇場に観においでよ」
「ほんとー? 家からも近いし、行ってみようかな。私、小さい頃から演劇好きなの。ちなみに今はなんの物語を公演しているの?」
店を後にしようとしていたカレリアを、引き留めるかのように無駄に話題を長引かせているのが、アウルの推測に真実味を帯びさせていたのだ。
結果、確信を抱きかけたアウルは核心へと迫るため、更に思考を続ける。
(考えろ、考えるんだ……バズさんやライカにあって、カレリアちゃんに無い物……。逆でもいい、二人に無くて、カレリアちゃんに有る物……)
脳をこれでもかとフル稼働させ、アウルは更に考え込む。
「んー、今演ってる物語かあ。ごめんエリスちゃん、私も最近忙しくて劇場の方に顔出せてないんだあ。だから公演の情報は私にもちょっとわからないんだよねえ……」
「そっかあ……残念ね。今度、行って直接確かめてみようかな」
(――!)
カレリアがエリスに向けて発した返答。
そこからアウルは手がかりとなる単語を拾い、糸口を見い出す。
(顔……情報……。ひょっとして、相手の顔がわからなければ特性を発動出来ないんじゃ……?)
マスクとサングラスを着けたままのカレリアを確認し、そう推測したアウル。
(……そうに違いない、ハズ。いや……そうに決まってる!)
ここで注釈をしておくが、先程からアウルが考えているのは飽くまで推測でしかない。
しかし僅かな可能性でもあるのならそれに懸けるのが、現在のアウルの行動理念であり、心構えなのだ。
そしてこの理念は、この場に限ったものではなかった。
『――ピースキーパー家の当主を継ぐために強くなり、内に眠る魔神に打ち克ち、平和な世をつくる』
16歳になったばかりの少年が自身へと課した、不可能に近いとされる困難な目標。
これを達成するには、もはや形振り構っていられない。
『あらゆる努力の積み重ね』や『不可能を可能に変える心意気』など
呼び方は様々になるだろうが、既に少年の"主義"・"信条"は、一種の狂気じみたレベルにまで達しつつあったのだ。
不条理としか喩えようのない境遇に置かれた少年、アウル。
彼が必死で足掻いた末に迎える運命の結末を、どうか見届けて欲しい――。
(――となると、エリスがこれから取る行動はただ一つ!)
僅かな可能性を頼りに、思慮に思慮を重ね続けたアウルは、エリスの思惑を先読みする。
その思惑とは――。
「……ねえ、カレリアちゃん。私、最近ちょっと悩み事があるの。聞いてもらってもいいかな?」
突然、神妙な顔付きへと変化するエリス。
他の客にカレリアの存在を悟られないよう、声を潜めてはいてくれた。混乱を招くのはエリスも面倒だと判断したのだろう。
「ん? 急にどうしたのかな? お姉さんで良ければ何でも聞くよ~」
アウル達が座るテーブル席へと歩み寄り、マスクとサングラスの奥からカレリアが気さくに返す。すると少女は、恥ずかしげを装い悩みとやらを打ち明ける。
「私ね、アウルやライカくんと一緒の歳でもうすぐ16になるんだけど、未だにお化粧をしたことがないの。そろそろ覚えたいなあ、って前から思ってて……」
(――来た!)
その切り出しだけで、アウルは予想が当たった事を確信。
「……それでね。カレリアちゃんが良ければなんだけど、化粧を教えて欲しいなあ、なんて。ダメ……かな?」
「あらぁ、カワイイ悩みね。でもわかるわぁ、その気持ち。私もエリスちゃんくらいの年の頃は覚えたてのメイクで四苦八苦したものよ」
カレリアがウンウンと頷き、話に寄り添う。
「いいよ。私で良ければ全然教えてあげるわ」
「ありがとう、カレリアちゃん。じゃあ早速だけど――」
笑顔で応えたカレリアに呼応するように、エリスも口角を吊り上げる。
エリスの思惑、それは――。
「――今日のお化粧、見せてもらっても良いかな?」
――カレリアの素顔を見ること。
「お安い御用よー! へーい!」
誘導尋問でもされたかのように、少女の口八丁にまんまと乗せられてしまったカレリア。
返答と同時にガバッと勢い良くマスクを脱ぐ。
「ちょっと待って!!」
突如、アウルの遮る声が店内へと響き渡る。
店に訪れ食事を愉しんでいた客の視線が、一斉に少年へと集中する。
エリスがスッと無表情へ。サングラスを外そうと手を掛けていたカレリアも、少年の大きな声によって所作が中断される。
「……びっくりしたぁ。急にどうしたの、アウルくん?」
カレリアがキョトンとし、サングラスから手が離れる。
それを見たエリスが誰にも聞こえない程に小さく舌打ちをした。
(危なかった……)
なんとか阻止が間に合った事により、アウルはふうっと溜め息を軽く吐く。そしてカレリアへと向き直る。
「……いや、その、カレリアちゃん。流石にココで素顔を出すのはまずいんじゃないかなあ」
口元に手を添えながら、一転して小声で注意を伝える。
「そうだよね……。私ったらうっかり……てへぺろ~」
乗せられて我を忘れていた己を恥じるかのように、茶目っ気混じりでカレリアは反省を示す。
「カレリアちゃん、ゴメンね。私、嬉しさの余り、つい……」
うつむき加減で、偽りの反省をエリスが見せる。
「いいのいいの気にしないで、エリスちゃん。私こそ迂闊だったわ。……ここじゃアレだし、お外に行かない?」
対し、カレリアは優しく提案をする。
エリスはコクリと頷き、同意を示した。
「――あら、アウルくんは一緒に着いてくる必要ないのよ? 男のキミがメイクについて勉強しても意味ないでしょうに」
エリスと共に外へと出ようとしていたカレリアが振り向き、二人の後ろを歩いていたアウルへ。
「そうよ。女子同士のお話に男子が入ってきちゃダメー」
エリスもわざとらしく同調をする。
「うーん、食事も済んだし俺が一人で店に残ってても仕方ないんだよね。時間帯的にライカも忙しくなってくる頃だろうし、さ」
彼女らを二人きりにさせる訳には行かない。
そう考えたアウルが、一応は辻褄の合う口実を口にする。
「そっか、まあいいけど……。三日間同じ屋根の下で暮らしたキミに、今更メイクの方法知られてもだし、ね」
カレリアが納得をしてくれた。
エリスも渋ってはいたが、彼女が許可を下してしまっては異を挟む余地など無かった。
「――お、アウル。もう行っちゃうのか」
ライカが厨房の中で包丁を手にしながら、店を後にしようとしているアウルに気付く。
「うん。忙しそうなライカを邪魔したくないしね。ラーメン、美味かったよ」
ドアノブに手を掛けたまま、気遣う素振り。
「……そっか。またその内エリスちゃんやピリムとかと一緒に店来いよ。お前に食べさせてやりたい料理はまだまだあるんだ」
「はは、じゃあ楽しみにしてるよ。料理、頑張れよ、ライカ」
「ああ、お前も頑張れよ」
お互いに約束を交わすかのように健闘を祈り合った二人。
アウルはガチャリとドアを開け、外へ。
(……特性の発動条件はこれでわかった。対策は後で考えるとして、まずはこの状況を切り抜けないとね)
アウルとエリスの心理戦は、更なるステージへと進む――。
昼下がりへと差し掛かるハーティス食堂には、ランチを目的とした他の客達が少しずつ店のドアをくぐり、賑わいの兆しを見せていく。
そんな中、アウルはひたすら考えていた。
何故、カレリアにだけ特性が通じないのか――それだけを一点に。
考えうる範囲での理由全てを脳内に枚挙し、一つ一つ肯定と否定を繰り返す。
もちろん少女の一挙手一投足を見逃さないよう、細心の注意を払いつつ。
「…………」
少女の姿をした魔神、エリス。
先程から、会話をしながらも食い入るようにカレリアの顔をじっと見つめている。
その姿はまるで、野生の肉食獣が気配を悟られまいと獲物を狙う機でも窺っているかのようにも見えた。
隣に座るエリスのその様子を横目で見ていたアウルの脳内に、一つのヒントが浮かぶ。
(もしかして、特性が全く通じないんじゃなく、通じさせる条件みたいなものがあるのか……?)
その推測は、大いに有り得た。
「へえ、エリスちゃんのお家は第3地区の方にあるのね。もしかしたら私んちから案外近いのかもね~。良かったら今度ウチの劇場に観においでよ」
「ほんとー? 家からも近いし、行ってみようかな。私、小さい頃から演劇好きなの。ちなみに今はなんの物語を公演しているの?」
店を後にしようとしていたカレリアを、引き留めるかのように無駄に話題を長引かせているのが、アウルの推測に真実味を帯びさせていたのだ。
結果、確信を抱きかけたアウルは核心へと迫るため、更に思考を続ける。
(考えろ、考えるんだ……バズさんやライカにあって、カレリアちゃんに無い物……。逆でもいい、二人に無くて、カレリアちゃんに有る物……)
脳をこれでもかとフル稼働させ、アウルは更に考え込む。
「んー、今演ってる物語かあ。ごめんエリスちゃん、私も最近忙しくて劇場の方に顔出せてないんだあ。だから公演の情報は私にもちょっとわからないんだよねえ……」
「そっかあ……残念ね。今度、行って直接確かめてみようかな」
(――!)
カレリアがエリスに向けて発した返答。
そこからアウルは手がかりとなる単語を拾い、糸口を見い出す。
(顔……情報……。ひょっとして、相手の顔がわからなければ特性を発動出来ないんじゃ……?)
マスクとサングラスを着けたままのカレリアを確認し、そう推測したアウル。
(……そうに違いない、ハズ。いや……そうに決まってる!)
ここで注釈をしておくが、先程からアウルが考えているのは飽くまで推測でしかない。
しかし僅かな可能性でもあるのならそれに懸けるのが、現在のアウルの行動理念であり、心構えなのだ。
そしてこの理念は、この場に限ったものではなかった。
『――ピースキーパー家の当主を継ぐために強くなり、内に眠る魔神に打ち克ち、平和な世をつくる』
16歳になったばかりの少年が自身へと課した、不可能に近いとされる困難な目標。
これを達成するには、もはや形振り構っていられない。
『あらゆる努力の積み重ね』や『不可能を可能に変える心意気』など
呼び方は様々になるだろうが、既に少年の"主義"・"信条"は、一種の狂気じみたレベルにまで達しつつあったのだ。
不条理としか喩えようのない境遇に置かれた少年、アウル。
彼が必死で足掻いた末に迎える運命の結末を、どうか見届けて欲しい――。
(――となると、エリスがこれから取る行動はただ一つ!)
僅かな可能性を頼りに、思慮に思慮を重ね続けたアウルは、エリスの思惑を先読みする。
その思惑とは――。
「……ねえ、カレリアちゃん。私、最近ちょっと悩み事があるの。聞いてもらってもいいかな?」
突然、神妙な顔付きへと変化するエリス。
他の客にカレリアの存在を悟られないよう、声を潜めてはいてくれた。混乱を招くのはエリスも面倒だと判断したのだろう。
「ん? 急にどうしたのかな? お姉さんで良ければ何でも聞くよ~」
アウル達が座るテーブル席へと歩み寄り、マスクとサングラスの奥からカレリアが気さくに返す。すると少女は、恥ずかしげを装い悩みとやらを打ち明ける。
「私ね、アウルやライカくんと一緒の歳でもうすぐ16になるんだけど、未だにお化粧をしたことがないの。そろそろ覚えたいなあ、って前から思ってて……」
(――来た!)
その切り出しだけで、アウルは予想が当たった事を確信。
「……それでね。カレリアちゃんが良ければなんだけど、化粧を教えて欲しいなあ、なんて。ダメ……かな?」
「あらぁ、カワイイ悩みね。でもわかるわぁ、その気持ち。私もエリスちゃんくらいの年の頃は覚えたてのメイクで四苦八苦したものよ」
カレリアがウンウンと頷き、話に寄り添う。
「いいよ。私で良ければ全然教えてあげるわ」
「ありがとう、カレリアちゃん。じゃあ早速だけど――」
笑顔で応えたカレリアに呼応するように、エリスも口角を吊り上げる。
エリスの思惑、それは――。
「――今日のお化粧、見せてもらっても良いかな?」
――カレリアの素顔を見ること。
「お安い御用よー! へーい!」
誘導尋問でもされたかのように、少女の口八丁にまんまと乗せられてしまったカレリア。
返答と同時にガバッと勢い良くマスクを脱ぐ。
「ちょっと待って!!」
突如、アウルの遮る声が店内へと響き渡る。
店に訪れ食事を愉しんでいた客の視線が、一斉に少年へと集中する。
エリスがスッと無表情へ。サングラスを外そうと手を掛けていたカレリアも、少年の大きな声によって所作が中断される。
「……びっくりしたぁ。急にどうしたの、アウルくん?」
カレリアがキョトンとし、サングラスから手が離れる。
それを見たエリスが誰にも聞こえない程に小さく舌打ちをした。
(危なかった……)
なんとか阻止が間に合った事により、アウルはふうっと溜め息を軽く吐く。そしてカレリアへと向き直る。
「……いや、その、カレリアちゃん。流石にココで素顔を出すのはまずいんじゃないかなあ」
口元に手を添えながら、一転して小声で注意を伝える。
「そうだよね……。私ったらうっかり……てへぺろ~」
乗せられて我を忘れていた己を恥じるかのように、茶目っ気混じりでカレリアは反省を示す。
「カレリアちゃん、ゴメンね。私、嬉しさの余り、つい……」
うつむき加減で、偽りの反省をエリスが見せる。
「いいのいいの気にしないで、エリスちゃん。私こそ迂闊だったわ。……ここじゃアレだし、お外に行かない?」
対し、カレリアは優しく提案をする。
エリスはコクリと頷き、同意を示した。
「――あら、アウルくんは一緒に着いてくる必要ないのよ? 男のキミがメイクについて勉強しても意味ないでしょうに」
エリスと共に外へと出ようとしていたカレリアが振り向き、二人の後ろを歩いていたアウルへ。
「そうよ。女子同士のお話に男子が入ってきちゃダメー」
エリスもわざとらしく同調をする。
「うーん、食事も済んだし俺が一人で店に残ってても仕方ないんだよね。時間帯的にライカも忙しくなってくる頃だろうし、さ」
彼女らを二人きりにさせる訳には行かない。
そう考えたアウルが、一応は辻褄の合う口実を口にする。
「そっか、まあいいけど……。三日間同じ屋根の下で暮らしたキミに、今更メイクの方法知られてもだし、ね」
カレリアが納得をしてくれた。
エリスも渋ってはいたが、彼女が許可を下してしまっては異を挟む余地など無かった。
「――お、アウル。もう行っちゃうのか」
ライカが厨房の中で包丁を手にしながら、店を後にしようとしているアウルに気付く。
「うん。忙しそうなライカを邪魔したくないしね。ラーメン、美味かったよ」
ドアノブに手を掛けたまま、気遣う素振り。
「……そっか。またその内エリスちゃんやピリムとかと一緒に店来いよ。お前に食べさせてやりたい料理はまだまだあるんだ」
「はは、じゃあ楽しみにしてるよ。料理、頑張れよ、ライカ」
「ああ、お前も頑張れよ」
お互いに約束を交わすかのように健闘を祈り合った二人。
アウルはガチャリとドアを開け、外へ。
(……特性の発動条件はこれでわかった。対策は後で考えるとして、まずはこの状況を切り抜けないとね)
アウルとエリスの心理戦は、更なるステージへと進む――。
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