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Birth of evil spirit
18話 ビスタの実力
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太陽が西へと沈みかけ、徐々に夕暮れ時へと姿を変えていく空の下。
一人の戦士が一体の魔神と向き合う――。
(マックル達は上手く逃げ切れたようだな……)
聴こえなくなった兵士達の足音が離脱の完了を示し、ビスタはひとまず安堵する。
(さて、こいつをどうするかだが、まずは相手の出方を窺うか…………っ!?)
ビスタが仰天とする。
目に映ったのは、断ち切ったはずの左腕がみるみると修復していく様。
魔神の戦力は未知数。
最初は様子見として相手の攻撃を待つつもりでいたビスタ。
しかし、その作戦が誤りだったと気付かされる。
(……なるほど。中位魔神レベルになるとここまで自己修復が早いのか)
中・上位魔神以上との戦闘経験がある戦士達に、『魔神の一番厄介なところは?』という質問をすると、最も多くの答えが返ってくるのが、この“自己治癒力”だという。
攻撃の手を緩める事が出来ず特に一対一で相手取った時が、最も手を焼くのだ。
(戦術を選り好みしている暇はないということか……!)
「ならば!」
長剣を持って無い方の左手を前方に翳し、ビスタは唱えた。
「"イグニート"!!」
左手から閃光と共に放たれる真っ赤な炎。
迸る業火が魔神を襲う。
「……な、ななっナに……? そ、れっ」
数千度にも及ぶ炎が魔神の巨躯を一瞬にして包んだが、全くと言っていいほど効果がなかったのだ。
そして直後。
左腕と同じく針金のような、先端が尖っている右腕。
炎を喰らいながらもビスタの顔面を狙う―――。
「くっ……!」
ビスタも当然リーベ・グアルドを扱えるため、高速の突きを剣で受け流す。
躱されたことに少しも魔神は動揺せず。
更に右腕で突く、突く、突く――。
それら全てをビスタは紙一重で躱し、弾き、受け流す。
受け流す度に火花が舞い散る。
華麗に回避を行うビスタは、相手の攻撃を捌きつつある事に気付く。
(コイツ……。戦闘の技術自体は大したものじゃないのか? “突き”だけで見ても、顔面ばかり狙ってくる辺り素人と何ら大差はない……)
ビスタの推測は当たりで、中位以下の魔神の殆どが、戦闘技術その物は皆無に等しい。
単純な物理での攻撃に関して言えば、リーベ・グアルドを駆使すればまず当たることは無いというレベルだったのだ。
「あ、たっ、当たら、な無な……いっ」
魔神は何度も突きを繰り出すが、一向に手応えは感じられず。
すると右腕での攻撃を諦め、既に修復が完了していた左腕を、先程のように横に薙いだ。
不可視の刃が高速で飛来する――。
「――っ!」
初見では屈んで躱したビスタ。
今度は完璧なタイミングでの跳躍により、見えない斬撃を回避することに成功した。
背後で木が倒れる音が聞こえたが、気に留めてる暇はない。
ビスタは宙空に上がったまま再び左手を翳す。
(半端な火力じゃ効かないというなら……これでどうだっ!)
「"プロミネート"っ!」
ビスタがそう唱えると、魔神の頭上に淡く輝いた紅い光輪が出現。
若干のタイムラグの後、先程の術の何倍もの火力を誇る炎が、リングの中央から火柱となって直下した――。
「あっ、あ"っあ、ahあアア"熱っあづ……いいぃ」
(効いてる……? よし――!)
流石の火力に魔神も苦しみ、火柱の中で悶えてる様が見てとれた。
それを好機と捉えたビスタ。
着地と同時に、今度は魔神がいる前方に向かって大地を蹴る。そして――。
「――今だっ!」
火柱が収まるのとほぼ同じタイミングで、ビスタは面を被る頭の方の首を切り飛ばした。
首さえ断ち切れば、魔神は再生することができない。
学士ですら知っている常識だった。
「やっ、やらYAっられやら……れ、たっ!? ケタケタケタケタ」
撥ね飛ばされた方の頭が、地に転がった後も喋り続ける。
気味の悪さを引き立てるがそれに構いはせず、頭が片方だけとなった魔神にビスタが再び向き直る。
「……あARAら、や、られっちゃっっ、たの……?」
「うんっ……やら、れちゃった多っ、た……」
地面に転がる頭と会話をする山羊頭。
火柱による火傷は既に殆どが修復し、首が片側だけとなった事以外はほぼノーダメージだった。
着ていたドレスの様な黒装束は既に燃え尽きていて、腕以外が茶色い体毛に覆われた素肌が露わになる。
(あと一つ首を落とせれば……! ただ、もう一度"プロミネート"を撃つと……)
人間には、魔術を扱うために使用できるマナの総量である許容量が先天的に定められている。
その量は訓練次第によって微増は出来るが、劇的に向上させるのはまず不可能。
魔女族の血が少しでも混ざっていれば、その許容量は常人に比べると数倍に膨れ上がるのだが、当然ビスタに魔女族の血は混ざっていない。
それどころか血脈を辿っても、サムエレス家は魔術に秀でた一族ではなかった。
ただ、努力家であるビスタは、学士時代から苦手な魔術を克服するために地道に訓練を重ね、上級火術である“プロミネート”を扱えるレベルにまで上達していたのだ。
しかし、それでも先天的に定められたマナの許容量にはやはり限度があり、上級火術を使うことは出来ても使い続けることがビスタには不可能だったのだ。
(一体、どうすれば……)
◇◆◇◆
ラオッサ街道にて魔神と遭遇した場所は、ゼレスティアから約1ミーレ程離れている。
そこから離脱したマックルとケルーンを含む兵士10人は現在、丁度5合目とも言える500ヤールト地点を走っていた。
「……なあ、ほんとにビスタ様を残してきて良かったのかよ」
隣を走るマックルに向けて、ケルーンが話を蒸し返す。
「あの人の実力を疑う訳じゃねえけどよ。あの魔神と戦うなら少なくとも俺とお前くらいは残ってた方が良かったんじゃねえか?」
余計な事は喋らず無視を続けるマックル。
が、ケルーンは構わずに続ける。
「これでよ、俺らが他の団士を呼んできて、魔神を倒せたとしても、ビスタ様は無事でいられるかどうかの保証なんて――」
「そんな事はわかってる! いいから命令に従え!」
言葉を遮って放った怒声に、ケルーンが足を止める。
前方を走っていた他の兵士達も停止し、全員が振り向く。
「……貴様ら、何故止まる?」
マックルも仕方なく足を止め、ケルーンの方へ向く。
すると、見やった先の後方で火柱が直下するのが、彼の目に映った。
「あれは……ビスタ様の」
ビスタが”プロミネート“を扱えることも、彼が魔術にそこまで秀でていないのも、兵士達は全員熟知していた。
彼が現在、あらゆる手段を駆使して全力で戦っている、という事実に全員が気付く。
「マックル、どうするよ。ビスタ様が得意でもない魔術を使い、命を懸けて全力で戦ってるんだ。命令どうこう気にしてる場合じゃないんじゃあねえか?」
「……確かに。貴様の言うとおりかもな」
諦めたような表情のマックル。
着ていた服の懐から杖剣を取り出し、唱える――。
「"ティア・ゲーレ"!!」
一人の戦士が一体の魔神と向き合う――。
(マックル達は上手く逃げ切れたようだな……)
聴こえなくなった兵士達の足音が離脱の完了を示し、ビスタはひとまず安堵する。
(さて、こいつをどうするかだが、まずは相手の出方を窺うか…………っ!?)
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魔神の戦力は未知数。
最初は様子見として相手の攻撃を待つつもりでいたビスタ。
しかし、その作戦が誤りだったと気付かされる。
(……なるほど。中位魔神レベルになるとここまで自己修復が早いのか)
中・上位魔神以上との戦闘経験がある戦士達に、『魔神の一番厄介なところは?』という質問をすると、最も多くの答えが返ってくるのが、この“自己治癒力”だという。
攻撃の手を緩める事が出来ず特に一対一で相手取った時が、最も手を焼くのだ。
(戦術を選り好みしている暇はないということか……!)
「ならば!」
長剣を持って無い方の左手を前方に翳し、ビスタは唱えた。
「"イグニート"!!」
左手から閃光と共に放たれる真っ赤な炎。
迸る業火が魔神を襲う。
「……な、ななっナに……? そ、れっ」
数千度にも及ぶ炎が魔神の巨躯を一瞬にして包んだが、全くと言っていいほど効果がなかったのだ。
そして直後。
左腕と同じく針金のような、先端が尖っている右腕。
炎を喰らいながらもビスタの顔面を狙う―――。
「くっ……!」
ビスタも当然リーベ・グアルドを扱えるため、高速の突きを剣で受け流す。
躱されたことに少しも魔神は動揺せず。
更に右腕で突く、突く、突く――。
それら全てをビスタは紙一重で躱し、弾き、受け流す。
受け流す度に火花が舞い散る。
華麗に回避を行うビスタは、相手の攻撃を捌きつつある事に気付く。
(コイツ……。戦闘の技術自体は大したものじゃないのか? “突き”だけで見ても、顔面ばかり狙ってくる辺り素人と何ら大差はない……)
ビスタの推測は当たりで、中位以下の魔神の殆どが、戦闘技術その物は皆無に等しい。
単純な物理での攻撃に関して言えば、リーベ・グアルドを駆使すればまず当たることは無いというレベルだったのだ。
「あ、たっ、当たら、な無な……いっ」
魔神は何度も突きを繰り出すが、一向に手応えは感じられず。
すると右腕での攻撃を諦め、既に修復が完了していた左腕を、先程のように横に薙いだ。
不可視の刃が高速で飛来する――。
「――っ!」
初見では屈んで躱したビスタ。
今度は完璧なタイミングでの跳躍により、見えない斬撃を回避することに成功した。
背後で木が倒れる音が聞こえたが、気に留めてる暇はない。
ビスタは宙空に上がったまま再び左手を翳す。
(半端な火力じゃ効かないというなら……これでどうだっ!)
「"プロミネート"っ!」
ビスタがそう唱えると、魔神の頭上に淡く輝いた紅い光輪が出現。
若干のタイムラグの後、先程の術の何倍もの火力を誇る炎が、リングの中央から火柱となって直下した――。
「あっ、あ"っあ、ahあアア"熱っあづ……いいぃ」
(効いてる……? よし――!)
流石の火力に魔神も苦しみ、火柱の中で悶えてる様が見てとれた。
それを好機と捉えたビスタ。
着地と同時に、今度は魔神がいる前方に向かって大地を蹴る。そして――。
「――今だっ!」
火柱が収まるのとほぼ同じタイミングで、ビスタは面を被る頭の方の首を切り飛ばした。
首さえ断ち切れば、魔神は再生することができない。
学士ですら知っている常識だった。
「やっ、やらYAっられやら……れ、たっ!? ケタケタケタケタ」
撥ね飛ばされた方の頭が、地に転がった後も喋り続ける。
気味の悪さを引き立てるがそれに構いはせず、頭が片方だけとなった魔神にビスタが再び向き直る。
「……あARAら、や、られっちゃっっ、たの……?」
「うんっ……やら、れちゃった多っ、た……」
地面に転がる頭と会話をする山羊頭。
火柱による火傷は既に殆どが修復し、首が片側だけとなった事以外はほぼノーダメージだった。
着ていたドレスの様な黒装束は既に燃え尽きていて、腕以外が茶色い体毛に覆われた素肌が露わになる。
(あと一つ首を落とせれば……! ただ、もう一度"プロミネート"を撃つと……)
人間には、魔術を扱うために使用できるマナの総量である許容量が先天的に定められている。
その量は訓練次第によって微増は出来るが、劇的に向上させるのはまず不可能。
魔女族の血が少しでも混ざっていれば、その許容量は常人に比べると数倍に膨れ上がるのだが、当然ビスタに魔女族の血は混ざっていない。
それどころか血脈を辿っても、サムエレス家は魔術に秀でた一族ではなかった。
ただ、努力家であるビスタは、学士時代から苦手な魔術を克服するために地道に訓練を重ね、上級火術である“プロミネート”を扱えるレベルにまで上達していたのだ。
しかし、それでも先天的に定められたマナの許容量にはやはり限度があり、上級火術を使うことは出来ても使い続けることがビスタには不可能だったのだ。
(一体、どうすれば……)
◇◆◇◆
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そこから離脱したマックルとケルーンを含む兵士10人は現在、丁度5合目とも言える500ヤールト地点を走っていた。
「……なあ、ほんとにビスタ様を残してきて良かったのかよ」
隣を走るマックルに向けて、ケルーンが話を蒸し返す。
「あの人の実力を疑う訳じゃねえけどよ。あの魔神と戦うなら少なくとも俺とお前くらいは残ってた方が良かったんじゃねえか?」
余計な事は喋らず無視を続けるマックル。
が、ケルーンは構わずに続ける。
「これでよ、俺らが他の団士を呼んできて、魔神を倒せたとしても、ビスタ様は無事でいられるかどうかの保証なんて――」
「そんな事はわかってる! いいから命令に従え!」
言葉を遮って放った怒声に、ケルーンが足を止める。
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すると、見やった先の後方で火柱が直下するのが、彼の目に映った。
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彼が現在、あらゆる手段を駆使して全力で戦っている、という事実に全員が気付く。
「マックル、どうするよ。ビスタ様が得意でもない魔術を使い、命を懸けて全力で戦ってるんだ。命令どうこう気にしてる場合じゃないんじゃあねえか?」
「……確かに。貴様の言うとおりかもな」
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