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蝶は花に踊る
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「ふと一つ気づいたんだがよ。」
「なんだよ、藪から棒に?」
「ゼノンが本当に電気を操ってるところを見たことないなって。」
ガイの素朴な疑問に、教室にいる全員が固まった。
「俺なんか変なこと言った?」
「そりゃ変だよ。」
「ゲイルに向かって『お前女?』って聞くようなもんやで」
「まー、失礼しちゃうわ!アタシ心は女よ♪」
「つまり・・・実演されると鬱陶しい?」
「そゆこと。」
「それ、どういう意味なのかしら?」
心が女だろうと見た目はガタイのいいマッチョなんだから、そう顔を近づけんでいただきたい。
「別に実演しろとは言っとらんわい。ただ参考として見て見たかったってだけだ。」
「まあ、ドロシーがやると大変なことになるわ。この部屋いっぱい金属もあるし。」
「半焼じゃ済まないぜ。」
その口ぶりからすると、昔本当にやったように聞こえる。
「ドロシー以外にも、この部屋にゼノンならいるわよ。シャロン?」
端の席で、今までずっと何も言わないでいた女の子がこちらに顔を向けた。
「えーっと、初めまして?ここにきてしばらく経つけど、初めて存在知った。ガイだ、よろしく。」
ガイが握手を求めて差し出した手を見て、シャロンと呼ばれた少女は何を思ったのか、僅かにはにかんで自身も右手を差し出した。
「そんな汚い手でわたくしに握手を求めないでくださる?」
「もーシャロン、イジワルしないの。」
瞬間、ガイの目には火花が走った。冬場にセーターを擦った後のドアノブなんて比じゃない、エレクトリックの衝撃が襲う。
「ごめんなさいねガイ、シャロンったら昔っからこうなのよ。仲良くなりたい相手にも素直じゃないんだから。」
「ゲイル、余計なことを言わないで頂戴。」
不敵に笑うシャロンを、ゲイルは窘める。オカマと仲いいやつに悪いやつはいないと聞く。ならきっとシャロンはいいやつなんだろう。
「相変わらずやなやつだぜ、アイツ!」
「どうどうドロシーちゃん。」
「ゲイルとカルマはシャロンと付き合い長いからええけど、ドロシーとは相性最悪やで。」
オカマが一人増えた。
「それで、いかがだったかしら?わたくしの力は?」
「決して殺さず、イヤになる程度の電流をコントロール出来るのか・・・、それはわかった。」
「そうでしょう?失礼なわんこへの躾の仕方については、そこの野犬とは大違いですのよ。」
「シャロン、失礼よ。」
確かな実力に裏打ちされた、強い自信が言葉の端々から感じられる。どうやらドロシーと違い、既に教団の庇護下で鍛錬を積んでいるのだろう。
「もうちっとフレンドリーなら、もっと色々聞きたいところだけど、今日のところは勘弁してやろう。」
「そうしてくれるとありがたいわガイ。シャロンたら今日の朝食でセロリが出て気が立っているのよ。」
「ゲイル、お黙んなさい!」
「今日の占いも最下位だったわね。」
「あの占いは当たらないことで有名なのよ!」
オカマ2人に窘められるシャロンを見て、なんだか憎めない気分になってくる。
☆
「まったく腹立つ野郎だぜ!」
「ドロシーどうどう。ニンジン食べへん?」
「ニンジンは嫌いだっての!」
「だからって俺の皿にのせるな。」
ブルルッとウマのように鼻息荒くドロシーが唸る。今日は天気がいいからか、食堂の中はまばらといったところだ。
「ドロシーはいつものことやし、あんま気にせんといてな?」
「シャロンもいつもあんな感じなのか?」
「そ。成績はええけど、多分ドロシー以上の問題児やで。」
「問題児だらけのクラスにいるって時点でなあ。」
「それだけやのうて、シャロンはパピヨン家の箱入り娘やから、大事に育てられとったみたいやね。」
「それで行き着く先が吹き溜まりかよ。」
逆に、普通のクラスにいると浮いた存在になりかねないのを、問題児の窯に放り込んだことで中和しているのなら流石としか言いようがない。
「さしあたって、彼女は男嫌いってところか?」
「そうそう、近づいていいのは女の子だけ。男子は動物のような扱い。」
「ということは、ドロシーも男扱いか。よかったな。」
「男扱いじゃなくて動物扱いだっつってんだろ!」
オカマはOKだが男女はNGらしい。
「男嫌いなのも箱入り娘なおかげなのかな。それでその上ゼノンで丁重に扱われてたら、高飛車にもなるわな。」
「ちょっと不自由かもしれんね。聞いてんゲイル?」
「あら、バレてたの?」
「そりゃお前、図体デカいからな。」
頭身が二つほど違う人間が座っていれば、嫌でも目に入る。鍛えてるだけあって無駄にスタイルもいいし。
「ガイをシャロンにぶつけたんも、なんか考えあってのことと違う?」
「そうね、ガイならあの子にも変化を与えられると思ったのだけれど、期待外れだったかしら?」
「それは俺を買い被りすぎだ。ただでさえドロシーの面倒でいっぱいいっぱいなのに。」
「そう?あなたって困ってる人を放っておけない、お人よしじゃない?」
「さあな、俺は自分がどういう人間かも知らない。」
コップの水を飲み干し、食器を攫えて片づける。
「一つ知ってるのは、俺は確かに人助けはするけど、求められない限りは応えない。」
「シャロンには無理ね、なんでも自分でやろうとしちゃうから。」
「なら縁がなかったな。」
軽く手を振って食堂を後にする。
「なんか今のキザっぽい。」
「かっこつけたがりなんだろ。」
「相性いいと思うのよねー、そういうとことか。」
☆
大前提として、わたくしは特別な人間であり、そんなわたくしを産んだ両親を誇りに思っている。いずれはパピヨン家を継ぐ者として、ふさわしい立ち振る舞いをしなければならない。
「もうシャロンったら、おイタはいけないわよ?」
「言ったでしょう、わたくしの力を見せてあげただけよ。」
「あなたの、ではなくてゼノンのでしょう?」
「どっちも同じよ。わたくしはゼノンなのだから。」
それだけに、さっきのあの男・・・ガイの態度は目に余った。あまつさえ気さくに握手を求められたときには、どうすればいいのかわからず思わずショックボルトを撃ってしまった。
「シャロンあなた、恋をしてしまったのね。」
「誰がそんなことをするというのかしら?」
気にならないと言えば嘘になる。自分が名家の生まれであり、また特別な力を持っていると、色眼鏡で見てこない男というのは、今まで出会ったことはない。
けれど、そんな人間に限って、心の内でどんなことを考えているかは想像するにも容易い。きっとわたくしのことを、高飛車で高慢ちきな女だと思っているに違いないわ。
「さっきからもう5回目のため息だからよ。」
「あの失礼な殿方を考えていると、勝手に出てしまうのだわ。」
「それを世間一般的には恋というのよ。」
この昔馴染みが何を言っているのか、わたくしにはさっぱり。幼馴染のカルマ、わたくしの美の意識にも着いてきてくれる、大切な友人だけれど、今回ばかりは理解不能だわ。そうして6度目のため息をついた。
「でもまあ、ガイなら多分心配ないと思うわ。彼人が好さそうだし。」
「ガイ・・・さま・・・。」
「えっ。」
「あっ、いやその・・・そう、ガイという名前だったわね、うん。」
無意識に口から洩れた言葉に、カルマは素っ頓狂な声をあげて目を丸くしていた。けれど、すぐさま取り繕ったからきっと本心を見抜かれてはまだいないハズ。
「で、でもライバルは多そうね。ドロシーと仲がいいし、ドロシーと仲がいいと言うことはエリザベス生徒会長とも仲がいいと言うことになるし。」
「ぐっ、エリザベス会長・・・はともかく、あんな駄犬にわたくしが引けを取るとでも言いたいのかしら?」
「あの子、あなたと違って誰にでもフレンドリーだから。そういう愛嬌がある子のほうが、男ウケするのよ?」
「だからってわたくしにも男子の格好をしろというのかしら?」
「そこまでは言ってないわ。」
幼馴染は二人とも、わたくしに合わせるために女の言動をしてくれている。だからわたくしもスタンスを崩さない。
「あっ、噂をすれば。」
「えっ、どこ?」
指差した先で、図書館に入っていくガイの姿が確かに見えたけれど、こちらに気づいていた様子はない。
「彼、本を読むのが好きみたいよ。」
「意外と・・・学のあるお方なのね・・・。」
去っていく後ろ姿を見つめる目に光が灯っているのを、カルマは見逃さなかった。
「この一年は楽しくなりそうだわ。」
カルマやゲイルにとっても、その変化は行幸だった。
「なんかすごい睨まれてたんですけど、俺またなんかやっちゃったか?」
「何か粗相をしたのではなくて?」
「そんなハズは・・・それより、光の人について教えて。」
「はい、もちろんですわ!」
そんなこともつゆ知らず、ガイは今日も己の好奇心を満たしたのだった。
「なんだよ、藪から棒に?」
「ゼノンが本当に電気を操ってるところを見たことないなって。」
ガイの素朴な疑問に、教室にいる全員が固まった。
「俺なんか変なこと言った?」
「そりゃ変だよ。」
「ゲイルに向かって『お前女?』って聞くようなもんやで」
「まー、失礼しちゃうわ!アタシ心は女よ♪」
「つまり・・・実演されると鬱陶しい?」
「そゆこと。」
「それ、どういう意味なのかしら?」
心が女だろうと見た目はガタイのいいマッチョなんだから、そう顔を近づけんでいただきたい。
「別に実演しろとは言っとらんわい。ただ参考として見て見たかったってだけだ。」
「まあ、ドロシーがやると大変なことになるわ。この部屋いっぱい金属もあるし。」
「半焼じゃ済まないぜ。」
その口ぶりからすると、昔本当にやったように聞こえる。
「ドロシー以外にも、この部屋にゼノンならいるわよ。シャロン?」
端の席で、今までずっと何も言わないでいた女の子がこちらに顔を向けた。
「えーっと、初めまして?ここにきてしばらく経つけど、初めて存在知った。ガイだ、よろしく。」
ガイが握手を求めて差し出した手を見て、シャロンと呼ばれた少女は何を思ったのか、僅かにはにかんで自身も右手を差し出した。
「そんな汚い手でわたくしに握手を求めないでくださる?」
「もーシャロン、イジワルしないの。」
瞬間、ガイの目には火花が走った。冬場にセーターを擦った後のドアノブなんて比じゃない、エレクトリックの衝撃が襲う。
「ごめんなさいねガイ、シャロンったら昔っからこうなのよ。仲良くなりたい相手にも素直じゃないんだから。」
「ゲイル、余計なことを言わないで頂戴。」
不敵に笑うシャロンを、ゲイルは窘める。オカマと仲いいやつに悪いやつはいないと聞く。ならきっとシャロンはいいやつなんだろう。
「相変わらずやなやつだぜ、アイツ!」
「どうどうドロシーちゃん。」
「ゲイルとカルマはシャロンと付き合い長いからええけど、ドロシーとは相性最悪やで。」
オカマが一人増えた。
「それで、いかがだったかしら?わたくしの力は?」
「決して殺さず、イヤになる程度の電流をコントロール出来るのか・・・、それはわかった。」
「そうでしょう?失礼なわんこへの躾の仕方については、そこの野犬とは大違いですのよ。」
「シャロン、失礼よ。」
確かな実力に裏打ちされた、強い自信が言葉の端々から感じられる。どうやらドロシーと違い、既に教団の庇護下で鍛錬を積んでいるのだろう。
「もうちっとフレンドリーなら、もっと色々聞きたいところだけど、今日のところは勘弁してやろう。」
「そうしてくれるとありがたいわガイ。シャロンたら今日の朝食でセロリが出て気が立っているのよ。」
「ゲイル、お黙んなさい!」
「今日の占いも最下位だったわね。」
「あの占いは当たらないことで有名なのよ!」
オカマ2人に窘められるシャロンを見て、なんだか憎めない気分になってくる。
☆
「まったく腹立つ野郎だぜ!」
「ドロシーどうどう。ニンジン食べへん?」
「ニンジンは嫌いだっての!」
「だからって俺の皿にのせるな。」
ブルルッとウマのように鼻息荒くドロシーが唸る。今日は天気がいいからか、食堂の中はまばらといったところだ。
「ドロシーはいつものことやし、あんま気にせんといてな?」
「シャロンもいつもあんな感じなのか?」
「そ。成績はええけど、多分ドロシー以上の問題児やで。」
「問題児だらけのクラスにいるって時点でなあ。」
「それだけやのうて、シャロンはパピヨン家の箱入り娘やから、大事に育てられとったみたいやね。」
「それで行き着く先が吹き溜まりかよ。」
逆に、普通のクラスにいると浮いた存在になりかねないのを、問題児の窯に放り込んだことで中和しているのなら流石としか言いようがない。
「さしあたって、彼女は男嫌いってところか?」
「そうそう、近づいていいのは女の子だけ。男子は動物のような扱い。」
「ということは、ドロシーも男扱いか。よかったな。」
「男扱いじゃなくて動物扱いだっつってんだろ!」
オカマはOKだが男女はNGらしい。
「男嫌いなのも箱入り娘なおかげなのかな。それでその上ゼノンで丁重に扱われてたら、高飛車にもなるわな。」
「ちょっと不自由かもしれんね。聞いてんゲイル?」
「あら、バレてたの?」
「そりゃお前、図体デカいからな。」
頭身が二つほど違う人間が座っていれば、嫌でも目に入る。鍛えてるだけあって無駄にスタイルもいいし。
「ガイをシャロンにぶつけたんも、なんか考えあってのことと違う?」
「そうね、ガイならあの子にも変化を与えられると思ったのだけれど、期待外れだったかしら?」
「それは俺を買い被りすぎだ。ただでさえドロシーの面倒でいっぱいいっぱいなのに。」
「そう?あなたって困ってる人を放っておけない、お人よしじゃない?」
「さあな、俺は自分がどういう人間かも知らない。」
コップの水を飲み干し、食器を攫えて片づける。
「一つ知ってるのは、俺は確かに人助けはするけど、求められない限りは応えない。」
「シャロンには無理ね、なんでも自分でやろうとしちゃうから。」
「なら縁がなかったな。」
軽く手を振って食堂を後にする。
「なんか今のキザっぽい。」
「かっこつけたがりなんだろ。」
「相性いいと思うのよねー、そういうとことか。」
☆
大前提として、わたくしは特別な人間であり、そんなわたくしを産んだ両親を誇りに思っている。いずれはパピヨン家を継ぐ者として、ふさわしい立ち振る舞いをしなければならない。
「もうシャロンったら、おイタはいけないわよ?」
「言ったでしょう、わたくしの力を見せてあげただけよ。」
「あなたの、ではなくてゼノンのでしょう?」
「どっちも同じよ。わたくしはゼノンなのだから。」
それだけに、さっきのあの男・・・ガイの態度は目に余った。あまつさえ気さくに握手を求められたときには、どうすればいいのかわからず思わずショックボルトを撃ってしまった。
「シャロンあなた、恋をしてしまったのね。」
「誰がそんなことをするというのかしら?」
気にならないと言えば嘘になる。自分が名家の生まれであり、また特別な力を持っていると、色眼鏡で見てこない男というのは、今まで出会ったことはない。
けれど、そんな人間に限って、心の内でどんなことを考えているかは想像するにも容易い。きっとわたくしのことを、高飛車で高慢ちきな女だと思っているに違いないわ。
「さっきからもう5回目のため息だからよ。」
「あの失礼な殿方を考えていると、勝手に出てしまうのだわ。」
「それを世間一般的には恋というのよ。」
この昔馴染みが何を言っているのか、わたくしにはさっぱり。幼馴染のカルマ、わたくしの美の意識にも着いてきてくれる、大切な友人だけれど、今回ばかりは理解不能だわ。そうして6度目のため息をついた。
「でもまあ、ガイなら多分心配ないと思うわ。彼人が好さそうだし。」
「ガイ・・・さま・・・。」
「えっ。」
「あっ、いやその・・・そう、ガイという名前だったわね、うん。」
無意識に口から洩れた言葉に、カルマは素っ頓狂な声をあげて目を丸くしていた。けれど、すぐさま取り繕ったからきっと本心を見抜かれてはまだいないハズ。
「で、でもライバルは多そうね。ドロシーと仲がいいし、ドロシーと仲がいいと言うことはエリザベス生徒会長とも仲がいいと言うことになるし。」
「ぐっ、エリザベス会長・・・はともかく、あんな駄犬にわたくしが引けを取るとでも言いたいのかしら?」
「あの子、あなたと違って誰にでもフレンドリーだから。そういう愛嬌がある子のほうが、男ウケするのよ?」
「だからってわたくしにも男子の格好をしろというのかしら?」
「そこまでは言ってないわ。」
幼馴染は二人とも、わたくしに合わせるために女の言動をしてくれている。だからわたくしもスタンスを崩さない。
「あっ、噂をすれば。」
「えっ、どこ?」
指差した先で、図書館に入っていくガイの姿が確かに見えたけれど、こちらに気づいていた様子はない。
「彼、本を読むのが好きみたいよ。」
「意外と・・・学のあるお方なのね・・・。」
去っていく後ろ姿を見つめる目に光が灯っているのを、カルマは見逃さなかった。
「この一年は楽しくなりそうだわ。」
カルマやゲイルにとっても、その変化は行幸だった。
「なんかすごい睨まれてたんですけど、俺またなんかやっちゃったか?」
「何か粗相をしたのではなくて?」
「そんなハズは・・・それより、光の人について教えて。」
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