32 / 55
第二章 名もなき古話の神々は、漂泊の歌姫に祝福を与ふ
尾の長すぎる怪鳥は、眠れぬ恋を啄み呪う(14)赤い川のほとりで
しおりを挟む
臨殿の下から強制転移させられたサラは、暗闇の地面に叩きつけられた。
術者である声の主は、サラを痛めつけるために、わざと空中に転移させ、落下させたのだろう。
幼いころには毎日のようにされていた仕打ちだったので、サラは受身を取って身を守っていたのだけれども、落下地点に尖った砂利があったために、身体のあちこちに傷がついてしまった。
「手当をするより先に、場所の確認だな」
サラは祭服の隠しから携帯用の照明を取り出し、弱めの光を足元に当てながら、ゆっくりと進んだ。
すると、背の高い赤い草の茂みに行き当たった。
「緋色の千萱……ここは、バニール川の近くか?」
魔物が溢れる赤土の荒野には、血のような色の大河がある。緋色の千萱は、その川のほとりにだけ生えることで知られる植物だった。
耳を澄ますと、風にそよぐ千萱の向こうから、川のせせらぎの音が聞こえてきた。
川面の見えるところまで移動してみたが、周囲に魔物の気配はない。
「ほんとうに、ここが激しい戦場になるのだろうか」
サラの先読みで見えた戦場は、川の近くではなかったけれども、暴走する魔物の数が多ければ、戦場が一つとは限らない。
「いずれにせよ、時間の猶予はありそうだな。ミーノは……やはりついて来れなかったか」
精霊あってこその巫術だというのに、臨殿の者たちは、サラが精霊と親しくすることを嫌い、修行に必要な最小限の接触しか許さなかった。
あの声の主は、サラを臨殿に呼び寄せるときに、精霊との接触を断つ術式を使ったのだろう。
「まずは傷の手当てだな」
祭服の隠しから、傷薬を取り出そうとしたとき、首にかけてあった勾玉の鎖が、しゃらりと音を立てた。
「教授…」
この勾玉に魔力を通せば研究所に飛べると、ヒギンズは言った。
そのことを思い出したサラは、ぐらぐらと心が揺れるのを感じた。
「……」
育ての親だった者は、サラには転移の術の資質が低すぎると決めつけ、学ぶことを許さなかった。
資質が低いのは事実だった。
けれども身につけられる可能性はあるはずだった。
多くの巫術師たちは、資質の高低にかかわらず、子どもの頃から転移の術を仕込まれていて、サラもそのことは知っていた。
精霊たちに願えば、サラにも使える転移の術式を教えてくれたことだろう。
けれども、執拗に植え付けられた罪人の一族の末裔としての意識が、サラの願いを封じた。
逃げる手段を手に入れてしまえば、いつの日か、逃げずにはいられなくなるかもしれない。
けれどもサラは、逃亡すれば、これまでサラと接触のあった全ての精霊を抹消すると、臨殿に繋がる者たちに宣告されていた。
それだけではなく、ブラックネルブの家門に連なる者の魂に、終わりのない苦しみを与えるとも言われていた。
サラは両親の顔も知らないが、彼らがすでに亡くなっていることと、その魂が臨殿に囚われていることを知っていた。
臨殿の温情でサラに与えられていた自宅には、父や母の遺品と思われるものが残っていた。その中には、生まれてまもない我が子への思いを綴った手記などもあり、サラにとって、心の拠り所となっていた。
サラが戦斧の技を学んだのは、遺品のなかに、父のものと思われる戦斧があったからだ。
逃げることが許されない自分の立場を思い起こすことで、サラは自分の中の動揺を鎮めた。
「帰るわけには、いかない」
先読みのなかで蹂躙されていた戦友たちの姿も、サラを荒野に止める楔となった。
「さらら様には、叱られるかもしれないな…」
自分を思ってくれる者たちのために、身を守れと言ってくれた、女皇帝の厳しくも暖かな言葉を思い返し、サラはどうにも申し訳のない気持ちになったけれども、心がほんのりと温もるのも感じていた。
「叱っていただくためにも、まずは生きて戻らなくては……ん?」
手足の切り傷の手当てを始めたサラは、精霊の気配が近づいていることに気づいた。
「ミーノか?」
けれども傷を負ったサラの手元に現れたのは、二匹の子猫だった。
「エキドナとバイラではないか。排除の術を掻い潜ったのか。よく来られたな」
「にゃーん」
「ぴゃーん」
甘えて身を寄せてくる子猫精霊たちを見て、サラは相好を崩した。
「にゃーん」
白猫のエキドナが、サラの手のひらをペロリと舐めると、たくさんあった傷が全て消えた。
「ありがとう、エキドナ。助かったよ」
黒猫のバイラは、警戒するように周囲を見回してから、バニール川の向こう岸のほうを睨み、小さな唸り声をあげた。
「あちらから、何か来るのか?」
サラは、祭服の隠しから愛用の戦斧と軽鎧を取り出した。
「魔物暴走の気配ではないようだが…」
軽鎧を身につけながら、バイラの睨む方角を注意深く探っていたサラは、怪しく輝く紫色の煙が、いくつも立ち上るのを見つけた。
「あれは、まさか、魔物寄せの術か?」
+-+-+-+-+-+-
祖父
「小汚い煙が見えるのう」
孫娘
「なんじゃ、おじじ様まで出てきたのか」
祖父
「中大兄に、面白き宴があると聞いてな」
孫娘
「クソ親父め、勝手に触れ回りおって…」
祖父
「まあ良いではないか。あれも寂しいのであろうよ。しかしあの煙は、民の煮炊きのものではないのう」
孫娘
「戦を喚ばう、穢らわしき煙じゃ」
祖父
「だろうのう。かの遠つ国の王は、国見もせぬ愚物であるか」
孫娘
「かもしれぬが、大事にはならぬよ、おじじ様。我がここで見ておるのだからな」
祖父
「そうか。では、焼き鳥を食したい」
孫娘
「なんじゃ唐突に」
祖父
「ほれ、あそこにカモメがおるではないか。取って来よ」
孫娘
「カモメなんぞ、美味いものでもなかろうに」
祖父
「さららよ、我の飯はまだか」
孫娘
「おじじ様よ、死んでからボケんでもよかろうに…」
+-+-+-+-+-+-+-+-
*祖父……舒明天皇。
*中大兄……中大兄皇子。天智天皇。舒明天皇の息子。
*孫娘……持統天皇。天智天皇の娘。
*国見……舒明天皇は、国見をして大和の国を讃える長歌を詠んでいる。
大和には 群山あれど とりよろふ 天の香具山 登り立ち 国見をすれば 国原は 煙立ち立つ 海原は かまめ立ち立つ うまし国ぞ あきづ島 大和の国は
(万葉集 巻一 2 舒明天皇)
【歌意】
大和の国には、たくさんの山々がある。
その中でも、何もかもがカンペキな天の香具山に登って、大王である私は国見をしたのである。
広々とした平野では、民が煮炊きをする煙が、いたるところで立ち登っている。
そして広い湖の上では、カモメたちが乱舞している。
ああ、本当によい国であることよ。
この私が治めている、大和の国は。
術者である声の主は、サラを痛めつけるために、わざと空中に転移させ、落下させたのだろう。
幼いころには毎日のようにされていた仕打ちだったので、サラは受身を取って身を守っていたのだけれども、落下地点に尖った砂利があったために、身体のあちこちに傷がついてしまった。
「手当をするより先に、場所の確認だな」
サラは祭服の隠しから携帯用の照明を取り出し、弱めの光を足元に当てながら、ゆっくりと進んだ。
すると、背の高い赤い草の茂みに行き当たった。
「緋色の千萱……ここは、バニール川の近くか?」
魔物が溢れる赤土の荒野には、血のような色の大河がある。緋色の千萱は、その川のほとりにだけ生えることで知られる植物だった。
耳を澄ますと、風にそよぐ千萱の向こうから、川のせせらぎの音が聞こえてきた。
川面の見えるところまで移動してみたが、周囲に魔物の気配はない。
「ほんとうに、ここが激しい戦場になるのだろうか」
サラの先読みで見えた戦場は、川の近くではなかったけれども、暴走する魔物の数が多ければ、戦場が一つとは限らない。
「いずれにせよ、時間の猶予はありそうだな。ミーノは……やはりついて来れなかったか」
精霊あってこその巫術だというのに、臨殿の者たちは、サラが精霊と親しくすることを嫌い、修行に必要な最小限の接触しか許さなかった。
あの声の主は、サラを臨殿に呼び寄せるときに、精霊との接触を断つ術式を使ったのだろう。
「まずは傷の手当てだな」
祭服の隠しから、傷薬を取り出そうとしたとき、首にかけてあった勾玉の鎖が、しゃらりと音を立てた。
「教授…」
この勾玉に魔力を通せば研究所に飛べると、ヒギンズは言った。
そのことを思い出したサラは、ぐらぐらと心が揺れるのを感じた。
「……」
育ての親だった者は、サラには転移の術の資質が低すぎると決めつけ、学ぶことを許さなかった。
資質が低いのは事実だった。
けれども身につけられる可能性はあるはずだった。
多くの巫術師たちは、資質の高低にかかわらず、子どもの頃から転移の術を仕込まれていて、サラもそのことは知っていた。
精霊たちに願えば、サラにも使える転移の術式を教えてくれたことだろう。
けれども、執拗に植え付けられた罪人の一族の末裔としての意識が、サラの願いを封じた。
逃げる手段を手に入れてしまえば、いつの日か、逃げずにはいられなくなるかもしれない。
けれどもサラは、逃亡すれば、これまでサラと接触のあった全ての精霊を抹消すると、臨殿に繋がる者たちに宣告されていた。
それだけではなく、ブラックネルブの家門に連なる者の魂に、終わりのない苦しみを与えるとも言われていた。
サラは両親の顔も知らないが、彼らがすでに亡くなっていることと、その魂が臨殿に囚われていることを知っていた。
臨殿の温情でサラに与えられていた自宅には、父や母の遺品と思われるものが残っていた。その中には、生まれてまもない我が子への思いを綴った手記などもあり、サラにとって、心の拠り所となっていた。
サラが戦斧の技を学んだのは、遺品のなかに、父のものと思われる戦斧があったからだ。
逃げることが許されない自分の立場を思い起こすことで、サラは自分の中の動揺を鎮めた。
「帰るわけには、いかない」
先読みのなかで蹂躙されていた戦友たちの姿も、サラを荒野に止める楔となった。
「さらら様には、叱られるかもしれないな…」
自分を思ってくれる者たちのために、身を守れと言ってくれた、女皇帝の厳しくも暖かな言葉を思い返し、サラはどうにも申し訳のない気持ちになったけれども、心がほんのりと温もるのも感じていた。
「叱っていただくためにも、まずは生きて戻らなくては……ん?」
手足の切り傷の手当てを始めたサラは、精霊の気配が近づいていることに気づいた。
「ミーノか?」
けれども傷を負ったサラの手元に現れたのは、二匹の子猫だった。
「エキドナとバイラではないか。排除の術を掻い潜ったのか。よく来られたな」
「にゃーん」
「ぴゃーん」
甘えて身を寄せてくる子猫精霊たちを見て、サラは相好を崩した。
「にゃーん」
白猫のエキドナが、サラの手のひらをペロリと舐めると、たくさんあった傷が全て消えた。
「ありがとう、エキドナ。助かったよ」
黒猫のバイラは、警戒するように周囲を見回してから、バニール川の向こう岸のほうを睨み、小さな唸り声をあげた。
「あちらから、何か来るのか?」
サラは、祭服の隠しから愛用の戦斧と軽鎧を取り出した。
「魔物暴走の気配ではないようだが…」
軽鎧を身につけながら、バイラの睨む方角を注意深く探っていたサラは、怪しく輝く紫色の煙が、いくつも立ち上るのを見つけた。
「あれは、まさか、魔物寄せの術か?」
+-+-+-+-+-+-
祖父
「小汚い煙が見えるのう」
孫娘
「なんじゃ、おじじ様まで出てきたのか」
祖父
「中大兄に、面白き宴があると聞いてな」
孫娘
「クソ親父め、勝手に触れ回りおって…」
祖父
「まあ良いではないか。あれも寂しいのであろうよ。しかしあの煙は、民の煮炊きのものではないのう」
孫娘
「戦を喚ばう、穢らわしき煙じゃ」
祖父
「だろうのう。かの遠つ国の王は、国見もせぬ愚物であるか」
孫娘
「かもしれぬが、大事にはならぬよ、おじじ様。我がここで見ておるのだからな」
祖父
「そうか。では、焼き鳥を食したい」
孫娘
「なんじゃ唐突に」
祖父
「ほれ、あそこにカモメがおるではないか。取って来よ」
孫娘
「カモメなんぞ、美味いものでもなかろうに」
祖父
「さららよ、我の飯はまだか」
孫娘
「おじじ様よ、死んでからボケんでもよかろうに…」
+-+-+-+-+-+-+-+-
*祖父……舒明天皇。
*中大兄……中大兄皇子。天智天皇。舒明天皇の息子。
*孫娘……持統天皇。天智天皇の娘。
*国見……舒明天皇は、国見をして大和の国を讃える長歌を詠んでいる。
大和には 群山あれど とりよろふ 天の香具山 登り立ち 国見をすれば 国原は 煙立ち立つ 海原は かまめ立ち立つ うまし国ぞ あきづ島 大和の国は
(万葉集 巻一 2 舒明天皇)
【歌意】
大和の国には、たくさんの山々がある。
その中でも、何もかもがカンペキな天の香具山に登って、大王である私は国見をしたのである。
広々とした平野では、民が煮炊きをする煙が、いたるところで立ち登っている。
そして広い湖の上では、カモメたちが乱舞している。
ああ、本当によい国であることよ。
この私が治めている、大和の国は。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる