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ep4:姉の唇に触れたい
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帰宅部の僕は、大抵授業が終われば、真っすぐに家へ帰るのだが、今日は友人の拓海と一緒に本屋へ寄ってきたので、普段より遅い帰宅時間となった。最寄りの駅であるアスカ駅についた頃には、19時を過ぎていた。
朝の通学時間ごろから降り始めた雨は、一度昼頃に止んだものの、夕方から再び降り始めた。アスカ駅西口の出口からバス乗り場まで屋根が設置されており、カバンに仕舞った折り畳みの傘をもう一度出さずにバス乗り場まで辿り着けるのはありがたかった。3番乗り場からバスに乗り20分くらいで家の近くのバス停に着くことになる。バス停からは歩いて5分くらいだろうか。黒い雨雲から落ちてくる大粒の雨を眺めながらバス停で並んで待っていると後ろから声を掛けられた。姉の紗耶香だった。
「優斗?珍しいじゃない?ココで逢うなんて・・・」
会社帰りの姉は、全身社会人らしいモノトーンのスーツが似合っていて眩しい。右手には赤と青のビビッドな配色の雨傘を持っていた。家に居る時のリラックスモードの姉も好きだが、スーツを着て大人っぽい姉も好きだ。僕らは、バス後方の二人席に並んで座った。窓際に僕が座り、姉は通路側に座った。
バスが出発して程なく、姉がウトウトし始める。姉はバスや電車に乗ると大抵すぐに眠くなって寝てしまう。
「優斗、着いたら起こしてね・・・おやすみ・・・」
姉の紗耶香は、持っていた傘を僕に手渡し、眠ってしまった。直ぐに眠りに落ちたようで、僕の肩に寄りかかってきた。身内が居る安心感から、すぐに眠ってしまったのかも知れない。姉の寝顔は、無防備で可愛らしかった。
暫く肩にかかる嬉しい重みを感じながら、窓の外の雨に濡れる街を眺めていたが、ふと姉の方を見ると、至近距離に彼女の顔があった。薄いピンク色の口紅を塗った唇が、艶やかに存在感を主張している。その柔らかそうな唇を眺めているうちに、僕は指先で触れてみたい衝動にかられてしまった。僕はゆっくりと、左手の人差し指を姉の唇に近づけていった。唇に触れた感触で、もし姉が起きてしまっても、何とか誤魔化せるだろう。ゴミが付いてたよ、・・・とか言って。
僕は、周りを気にしながら、ゆっくりと指先を姉の唇に近づけていった。唇まであと数ミリに僕の指先が近づいた瞬間、バスがブレーキをかけ、大きく揺れた。その反動で、指先が想定よりも唇に強く当たってしまった。
ぷにゅ・・・・・・。
僕の全身に電流が走った。思わぬタイミングで唇に触れてしまったことと、姉の唇の衝撃の柔らかさが同時に僕の神経を貫いたのだ。姉は、全く起きる様子はない。僕は調子に乗って、もっと大胆に、このチャンスを堪能したいと思った。
朝の通学時間ごろから降り始めた雨は、一度昼頃に止んだものの、夕方から再び降り始めた。アスカ駅西口の出口からバス乗り場まで屋根が設置されており、カバンに仕舞った折り畳みの傘をもう一度出さずにバス乗り場まで辿り着けるのはありがたかった。3番乗り場からバスに乗り20分くらいで家の近くのバス停に着くことになる。バス停からは歩いて5分くらいだろうか。黒い雨雲から落ちてくる大粒の雨を眺めながらバス停で並んで待っていると後ろから声を掛けられた。姉の紗耶香だった。
「優斗?珍しいじゃない?ココで逢うなんて・・・」
会社帰りの姉は、全身社会人らしいモノトーンのスーツが似合っていて眩しい。右手には赤と青のビビッドな配色の雨傘を持っていた。家に居る時のリラックスモードの姉も好きだが、スーツを着て大人っぽい姉も好きだ。僕らは、バス後方の二人席に並んで座った。窓際に僕が座り、姉は通路側に座った。
バスが出発して程なく、姉がウトウトし始める。姉はバスや電車に乗ると大抵すぐに眠くなって寝てしまう。
「優斗、着いたら起こしてね・・・おやすみ・・・」
姉の紗耶香は、持っていた傘を僕に手渡し、眠ってしまった。直ぐに眠りに落ちたようで、僕の肩に寄りかかってきた。身内が居る安心感から、すぐに眠ってしまったのかも知れない。姉の寝顔は、無防備で可愛らしかった。
暫く肩にかかる嬉しい重みを感じながら、窓の外の雨に濡れる街を眺めていたが、ふと姉の方を見ると、至近距離に彼女の顔があった。薄いピンク色の口紅を塗った唇が、艶やかに存在感を主張している。その柔らかそうな唇を眺めているうちに、僕は指先で触れてみたい衝動にかられてしまった。僕はゆっくりと、左手の人差し指を姉の唇に近づけていった。唇に触れた感触で、もし姉が起きてしまっても、何とか誤魔化せるだろう。ゴミが付いてたよ、・・・とか言って。
僕は、周りを気にしながら、ゆっくりと指先を姉の唇に近づけていった。唇まであと数ミリに僕の指先が近づいた瞬間、バスがブレーキをかけ、大きく揺れた。その反動で、指先が想定よりも唇に強く当たってしまった。
ぷにゅ・・・・・・。
僕の全身に電流が走った。思わぬタイミングで唇に触れてしまったことと、姉の唇の衝撃の柔らかさが同時に僕の神経を貫いたのだ。姉は、全く起きる様子はない。僕は調子に乗って、もっと大胆に、このチャンスを堪能したいと思った。
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