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興味無いわ
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すっきりして裏路地に戻ると、男たちに妙な視線を送られた。察せられている感じ。でもお互い大人だから何も言わない。クールに去るぜ。
いやージンジンする。締め付けヤバイんだよな。めっちゃきつい。引っこ抜かれそうになる。
ベステルタは僕より大きいから後ろからするの難しいんだけど、気合いで何とかした。彼女、後ろからするの好きなんだよね。ボリュームあるつぼみをふりふりされると、理性が飛ぶ。しかも対外的には容赦ない彼女が、僕にだけ甘い一面を見せてくれるのは控えめに言って、うーん、とてもやらしいと思います。支配欲満たされちゃう。
「そろそろ時間ね? 行きましょうか」
ふぁさ、と髪を掻き上げ颯爽と歩き出す。何事も無かったかのようにしているのが、うーん、やらしいです。
そうだ、午後から忙しくなるだろうからプテュエラたちに連絡入れておこうかな。
「ちょっと他の亜人たちに連絡とっておくことにするよ。午後忙しそうだし」
「それもそうね」
ぱちん。
契約者チャンネルを開く。
『プテュエラ、そっちはどう?』
『ん……おお、私を置いていった使徒様じゃないか。どうした?』
チャンネル越しからつんつんした雰囲気が伝わってくる。朝ベステルタから留守番宣告されたのをフォローしなかったからかな。あれはどうしようもないんだが……。
ていうか、なんか彼女最近、やきもち妬き気味なんだよね。どちゃくそ可愛いんだけど。最初出会った時はクール軍人だったんだけど、今はポンコツお肉お姉さんのイメージが強い。でもたまにクールでとっても頼り甲斐があるから好き。プレゼントした帽子も被ってくれているし。意外に細やかななのも好き。愛が止まらない。
『あはは、ごめんね。ベステルタには逆らえないよ。美味しいお肉買って帰るから許してよ』
『止めはすまい』
ばさばさ、と羽音が聴こえる。よし、パターン入った。
『午後から忙しくなるから連絡したんだけどそっちは何かあった?』
『そうだな……。入信希望のスラム住民がひっきりなしにやって来るな。少人数に分かれて来ているが、カリンが大忙しだ。シルビアは相変わらずコスモディア製造しているが、行き詰まっているように見えたな』
ああ、入信希望者……。この前はカリンが追い払ったからね。でも彼女だけで手は足りているのかな? これ、連日やって来るのだとしたらカリンの負担が半端ないな。
『カリンだけで大丈夫そう?』
『いや、あのフェイとかいう男もいるから皆大人しいぞ』
あ、フェイさん。来てくれてたんだ。有難い。スラムの人なら彼の言うこと聞いてくれるだろう。狂信者ムーヴは怖いけど。パウロさんも来ているのかな。
『ルーナとマイアはどう?』
『ルーナは淡々とカリンを護衛しているな。彼女の説法に感動して熱くなった信者や入信希望者から、カリンを守っているぞ。でも人数が足りていないな。マイアはカリンの代わりに家事やら庭掃除やら子供の相手やらで慌ただしくしている。子供には既になつかれているみたいだ』
おぉ……マジでルーナとマイア雇ってよかったな。間一髪だ。うまく人材が嵌まって良かった。早く人増やさないと。
『ありがとう。今日はちょっと遅くなるかも』
『構わんさ。こうして孤児院の上から街並みを眺めているのも楽しいしな』
キリッとした声。やだ、クール。
プテュエラのおかげで孤児院の様子は分かったな。絶死の森はどうしてるかな。
『サンドリア? 今いいかな』
『んっ、あっ、ケイ? な、なにかな。今、あっあっ、ねえさっ、そこはっ、話せなくてっ』
……。
『ら、ラミアルカ……。元気にしてる?』
『おらおらっ! サンドリアっ! だせっ! お前の恥ずかしいムカデだしちまえっ!』
『で、でちゃうっ! 恥ずかしいムカデでちゃううっ!』
ぱんぱんぱん、きしゃーーーーーっ。
水の弾けるような音とムカデ噴き音が聴こえる。ムカデ噴き音って何だよ。ていうか、僕は何を聞かされているんだ?
……。
聞かなかったことにしよう。
『シュレア、今何してる?』
『ケイですか? チッ、今樹木と一体化しているので後にしてください』
ブチッ。えっ。
チャンネルが一方的に切断された。そんなことできるんだ。
ていうかシュレアめちゃくちゃ機嫌悪くて泣きそうなんだけど。舌打ちとか初めてされた。樹木と一体化している時は自分だけのプライベートタイムでリラックス中なのかも。今後気を付けよう。突然だったから、こ、心が。
いかんいかん、気を強く持たなければ。
「みんな元気にしてた?」
「う、うん。元気そうだったよ」
「そう、ならよかった」
にっこりと笑うベステルタ。うう、その笑顔に救われる。
……
「おっ、ケイたちも来たな。それじゃぼちぼちダンジョン潜っていくか」
ダンジョンの前では既に冒険者が集まっていた。あちゃー、遅れちゃったかな。こういう時は早めに到着しておきたかったんだけど。まあ仕方ない。今の僕は快楽優先だからね。せいぜい堂々としていよう。ほら、ベステルタなんかまったく意に介していないよ。それどころかラーズさんを威嚇するように微笑んでいる。彼も苦笑している。こらこら、よしなさい。
「点呼とっていくぞ、ドラゴンソード」
なんだその恥ずかしい名前は。聞いただけで心のブラックヒストリーがうずくんだが。
「いるぜ」
神妙な面持ちのキュートフェイス。ターク君だな。覚えた。あと、あれだ。顔面すりおろしりんごにされた女の子もいる。確か……。
「ん? パメラ、だっけか。お前大丈夫なのか? 無理しなくてもいいんだぞ?」
「いえ、大丈夫です。行かせてください」
そうだ、パメラだ。顔はすっかり元通りになっている。アセンブラポーションやるな。意外と傷は浅かったのかな。完全に顔面崩壊したと思っていたけど。あの時は血と土にまみれていたから、詳しくは見ていないしね。見る趣味もないし。
「パメラ、無理だけはだめなんだな」
「バッズ、ありがとう。でも大丈夫だよ」
太っちょ獣人に支えられながら、パメラちゃんは答える。
「あ……」
いかん、ベステルタを見つけたみたいだ。カタカタ震えている。すごい冷や汗だ。そりゃあんな拷問まがいのことされたら当たり前だよな。
「ベステルタ、あの娘に少し優しくしてあげてね」
「どういうこと? ケイ、ああいうのがタイプなの?」
違うよ。違わないけど違うよ。ていうか覚えていないの? その手でトラウマを刻み込んだというのに。
「訓練場で君がぼこぼこにした冒険者だよ。顔を地面に叩きつけてすりおろした娘」
「ああ、あれか。顔よく見ていないから忘れていたわ。ふーん、根性あるわね。もう一回やっとく?」
「やめたげて。もう十分だよ」
ここでまたやったらマジで誰も声かけてくれなくなる。
「ま、ケイがそう言うならいっか」
そうだよ、これ以上犠牲者を出すことは無い。パメラちゃんも変にちょっかい出してくることは無いだろう
「じゃあ次、亜人の星」
おっと僕たちか。
「はーい」
「ハーイ」
なんとなく手を挙げて返事するとベステルタも真似して返事した。かわいい。あっ、周りに変な目で見られている。相変わらずこのパーティー名が嫌なのかな。
「ケイ。お前たちはいいかもしれんが、空気がだらけちまうからもう少し真面目にしてくれ」
「ご、ごめんなさい」
注意されてしまった。そういうことか。確かにちょっとピクニック気分だったかな。反省しよう。
「紅蓮隊はいるか?」
「おう!」
元気よく返事したのは人族の青年たち。ターク君たちより見るからに年上だが、ネーミングセンスは同等だ。
「羽衣。……何番目だ?」
「……はい、130番目です」
次に小さい声で返事したのは大人しいぼろ布をまとった少年少女。目に覇気がない。大丈夫か? あとラーズさんとのやり取りが気になる。
「デイライトウルフ、で最後だな」
「うっす」
最後に返事したのは若い獣人の冒険者たちだ。パーティー名の通り狼人族なんだろう。ブラガさんと同じだな。まあ、まともなネーミングセンスだ。
「今日はこの五組のパーティーでダンジョンアタックしていくぞ。講習の内容は覚えているな? お前たちは何よりも仲間と自分を優先しなきゃいけない。しかし、助け合いの精神も忘れてはいけない。今日揃った五組は同期だ。お互い挨拶くらいしておけよ。そういう繋がりって後で結構大事になってくるからな」
ふーん、そういうもんか。
「お、おい」
ラーズさんの言葉を受けたからか、ターク君が寄ってきた。
「なんだい? 頼むから喧嘩吹っ掛けるとかはやめてね」
ここら一帯に無条件ベステルパンチが降り注ぐからね。
「そ、そんなことしねえよ。あんたの実力は分かっている。そこまで馬鹿じゃない」
上目づかいで僕を少し睨みながら言った。なんだろう、ちょっといじめたくなる。やらないけど。
「金貨三枚は必ず返す。言いたかったのはそれだけだ」
そう言うと背を向けた。おお、律儀だな。仲間をすりおろされたのに、大人だ。流石リーダーだな。僕なら怒り狂っているところだよ。
「あ、あの」
「ん、君は」
パメラちゃんだ。ものすごい怯えながらも僕に話しかけてきた。隣のベステルタにも視線を送っている。……自殺志願じゃないよね。
「パメラです。あの、さっきはすみませんでした。唾を吐いたりして。タークのことになると頭がいっぱいになってしまって。そちらの獣人さんにも私が謝っていることを伝えてくれますか?」
すごい丁寧にのろけられた。ぺこぺこしている。元はこういう子なのかな。
「ううん、気にしないで。伝えるね。ベステルタ。この子が君にさっきは申し訳なかったって言っているよ」
「興味無いわ。またやったら次は全身をすりおろしてラーメンに入れるって伝えてちょうだい」
「ベステルタも気にしなくていい、って言っているよ。出会い方は悪かったけど今後はよろしくね」
「は、はい! よろしくお願いします!」
ささっとお辞儀して、ぴゅーっとターク君の元に走り去るパメラちゃん。ベステルタはラーメンを何だと思っているのかな?
いやージンジンする。締め付けヤバイんだよな。めっちゃきつい。引っこ抜かれそうになる。
ベステルタは僕より大きいから後ろからするの難しいんだけど、気合いで何とかした。彼女、後ろからするの好きなんだよね。ボリュームあるつぼみをふりふりされると、理性が飛ぶ。しかも対外的には容赦ない彼女が、僕にだけ甘い一面を見せてくれるのは控えめに言って、うーん、とてもやらしいと思います。支配欲満たされちゃう。
「そろそろ時間ね? 行きましょうか」
ふぁさ、と髪を掻き上げ颯爽と歩き出す。何事も無かったかのようにしているのが、うーん、やらしいです。
そうだ、午後から忙しくなるだろうからプテュエラたちに連絡入れておこうかな。
「ちょっと他の亜人たちに連絡とっておくことにするよ。午後忙しそうだし」
「それもそうね」
ぱちん。
契約者チャンネルを開く。
『プテュエラ、そっちはどう?』
『ん……おお、私を置いていった使徒様じゃないか。どうした?』
チャンネル越しからつんつんした雰囲気が伝わってくる。朝ベステルタから留守番宣告されたのをフォローしなかったからかな。あれはどうしようもないんだが……。
ていうか、なんか彼女最近、やきもち妬き気味なんだよね。どちゃくそ可愛いんだけど。最初出会った時はクール軍人だったんだけど、今はポンコツお肉お姉さんのイメージが強い。でもたまにクールでとっても頼り甲斐があるから好き。プレゼントした帽子も被ってくれているし。意外に細やかななのも好き。愛が止まらない。
『あはは、ごめんね。ベステルタには逆らえないよ。美味しいお肉買って帰るから許してよ』
『止めはすまい』
ばさばさ、と羽音が聴こえる。よし、パターン入った。
『午後から忙しくなるから連絡したんだけどそっちは何かあった?』
『そうだな……。入信希望のスラム住民がひっきりなしにやって来るな。少人数に分かれて来ているが、カリンが大忙しだ。シルビアは相変わらずコスモディア製造しているが、行き詰まっているように見えたな』
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『カリンだけで大丈夫そう?』
『いや、あのフェイとかいう男もいるから皆大人しいぞ』
あ、フェイさん。来てくれてたんだ。有難い。スラムの人なら彼の言うこと聞いてくれるだろう。狂信者ムーヴは怖いけど。パウロさんも来ているのかな。
『ルーナとマイアはどう?』
『ルーナは淡々とカリンを護衛しているな。彼女の説法に感動して熱くなった信者や入信希望者から、カリンを守っているぞ。でも人数が足りていないな。マイアはカリンの代わりに家事やら庭掃除やら子供の相手やらで慌ただしくしている。子供には既になつかれているみたいだ』
おぉ……マジでルーナとマイア雇ってよかったな。間一髪だ。うまく人材が嵌まって良かった。早く人増やさないと。
『ありがとう。今日はちょっと遅くなるかも』
『構わんさ。こうして孤児院の上から街並みを眺めているのも楽しいしな』
キリッとした声。やだ、クール。
プテュエラのおかげで孤児院の様子は分かったな。絶死の森はどうしてるかな。
『サンドリア? 今いいかな』
『んっ、あっ、ケイ? な、なにかな。今、あっあっ、ねえさっ、そこはっ、話せなくてっ』
……。
『ら、ラミアルカ……。元気にしてる?』
『おらおらっ! サンドリアっ! だせっ! お前の恥ずかしいムカデだしちまえっ!』
『で、でちゃうっ! 恥ずかしいムカデでちゃううっ!』
ぱんぱんぱん、きしゃーーーーーっ。
水の弾けるような音とムカデ噴き音が聴こえる。ムカデ噴き音って何だよ。ていうか、僕は何を聞かされているんだ?
……。
聞かなかったことにしよう。
『シュレア、今何してる?』
『ケイですか? チッ、今樹木と一体化しているので後にしてください』
ブチッ。えっ。
チャンネルが一方的に切断された。そんなことできるんだ。
ていうかシュレアめちゃくちゃ機嫌悪くて泣きそうなんだけど。舌打ちとか初めてされた。樹木と一体化している時は自分だけのプライベートタイムでリラックス中なのかも。今後気を付けよう。突然だったから、こ、心が。
いかんいかん、気を強く持たなければ。
「みんな元気にしてた?」
「う、うん。元気そうだったよ」
「そう、ならよかった」
にっこりと笑うベステルタ。うう、その笑顔に救われる。
……
「おっ、ケイたちも来たな。それじゃぼちぼちダンジョン潜っていくか」
ダンジョンの前では既に冒険者が集まっていた。あちゃー、遅れちゃったかな。こういう時は早めに到着しておきたかったんだけど。まあ仕方ない。今の僕は快楽優先だからね。せいぜい堂々としていよう。ほら、ベステルタなんかまったく意に介していないよ。それどころかラーズさんを威嚇するように微笑んでいる。彼も苦笑している。こらこら、よしなさい。
「点呼とっていくぞ、ドラゴンソード」
なんだその恥ずかしい名前は。聞いただけで心のブラックヒストリーがうずくんだが。
「いるぜ」
神妙な面持ちのキュートフェイス。ターク君だな。覚えた。あと、あれだ。顔面すりおろしりんごにされた女の子もいる。確か……。
「ん? パメラ、だっけか。お前大丈夫なのか? 無理しなくてもいいんだぞ?」
「いえ、大丈夫です。行かせてください」
そうだ、パメラだ。顔はすっかり元通りになっている。アセンブラポーションやるな。意外と傷は浅かったのかな。完全に顔面崩壊したと思っていたけど。あの時は血と土にまみれていたから、詳しくは見ていないしね。見る趣味もないし。
「パメラ、無理だけはだめなんだな」
「バッズ、ありがとう。でも大丈夫だよ」
太っちょ獣人に支えられながら、パメラちゃんは答える。
「あ……」
いかん、ベステルタを見つけたみたいだ。カタカタ震えている。すごい冷や汗だ。そりゃあんな拷問まがいのことされたら当たり前だよな。
「ベステルタ、あの娘に少し優しくしてあげてね」
「どういうこと? ケイ、ああいうのがタイプなの?」
違うよ。違わないけど違うよ。ていうか覚えていないの? その手でトラウマを刻み込んだというのに。
「訓練場で君がぼこぼこにした冒険者だよ。顔を地面に叩きつけてすりおろした娘」
「ああ、あれか。顔よく見ていないから忘れていたわ。ふーん、根性あるわね。もう一回やっとく?」
「やめたげて。もう十分だよ」
ここでまたやったらマジで誰も声かけてくれなくなる。
「ま、ケイがそう言うならいっか」
そうだよ、これ以上犠牲者を出すことは無い。パメラちゃんも変にちょっかい出してくることは無いだろう
「じゃあ次、亜人の星」
おっと僕たちか。
「はーい」
「ハーイ」
なんとなく手を挙げて返事するとベステルタも真似して返事した。かわいい。あっ、周りに変な目で見られている。相変わらずこのパーティー名が嫌なのかな。
「ケイ。お前たちはいいかもしれんが、空気がだらけちまうからもう少し真面目にしてくれ」
「ご、ごめんなさい」
注意されてしまった。そういうことか。確かにちょっとピクニック気分だったかな。反省しよう。
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「おう!」
元気よく返事したのは人族の青年たち。ターク君たちより見るからに年上だが、ネーミングセンスは同等だ。
「羽衣。……何番目だ?」
「……はい、130番目です」
次に小さい声で返事したのは大人しいぼろ布をまとった少年少女。目に覇気がない。大丈夫か? あとラーズさんとのやり取りが気になる。
「デイライトウルフ、で最後だな」
「うっす」
最後に返事したのは若い獣人の冒険者たちだ。パーティー名の通り狼人族なんだろう。ブラガさんと同じだな。まあ、まともなネーミングセンスだ。
「今日はこの五組のパーティーでダンジョンアタックしていくぞ。講習の内容は覚えているな? お前たちは何よりも仲間と自分を優先しなきゃいけない。しかし、助け合いの精神も忘れてはいけない。今日揃った五組は同期だ。お互い挨拶くらいしておけよ。そういう繋がりって後で結構大事になってくるからな」
ふーん、そういうもんか。
「お、おい」
ラーズさんの言葉を受けたからか、ターク君が寄ってきた。
「なんだい? 頼むから喧嘩吹っ掛けるとかはやめてね」
ここら一帯に無条件ベステルパンチが降り注ぐからね。
「そ、そんなことしねえよ。あんたの実力は分かっている。そこまで馬鹿じゃない」
上目づかいで僕を少し睨みながら言った。なんだろう、ちょっといじめたくなる。やらないけど。
「金貨三枚は必ず返す。言いたかったのはそれだけだ」
そう言うと背を向けた。おお、律儀だな。仲間をすりおろされたのに、大人だ。流石リーダーだな。僕なら怒り狂っているところだよ。
「あ、あの」
「ん、君は」
パメラちゃんだ。ものすごい怯えながらも僕に話しかけてきた。隣のベステルタにも視線を送っている。……自殺志願じゃないよね。
「パメラです。あの、さっきはすみませんでした。唾を吐いたりして。タークのことになると頭がいっぱいになってしまって。そちらの獣人さんにも私が謝っていることを伝えてくれますか?」
すごい丁寧にのろけられた。ぺこぺこしている。元はこういう子なのかな。
「ううん、気にしないで。伝えるね。ベステルタ。この子が君にさっきは申し訳なかったって言っているよ」
「興味無いわ。またやったら次は全身をすりおろしてラーメンに入れるって伝えてちょうだい」
「ベステルタも気にしなくていい、って言っているよ。出会い方は悪かったけど今後はよろしくね」
「は、はい! よろしくお願いします!」
ささっとお辞儀して、ぴゅーっとターク君の元に走り去るパメラちゃん。ベステルタはラーメンを何だと思っているのかな?
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