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付いている分、お得なんだよ
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マイアさんを購入するつもりなかったけど、熱意(乳)に押され購入してしまった。彼女には護衛ではなく家事や炊事などのサポートに回ってもらおう。あとは夜の乳絞りだな。残りはルーナさん。よっぽどのことが無い限り彼女を護衛として購入するつもりだけど、もう少し経歴を聞いておきたい。
「ルーナさん。最初に言っておきますが、僕は貴方を購入するつもりです。その上で、もう少し経歴を訊いてもいいですか? 気を楽にして聞いてください」
「はい。そして、あなたの奴隷になるのであれば敬語は不要です」
そう言っても全然姿勢を崩さないルーナさん。顔がケモケモしいから読みづらいけど無表情だ。鬣犬族がこんな感じなのかな?
「まだ正式な奴隷ではないので。だからそちらもフランクでいいですよ?」
「これは素です」
そっけないルーナさん。まあそれならいいか。
「そうですか。ではお伺いします。前職は奴隷兵とのことですが、私は奴隷兵にあまり詳しくありません。軍や戦場ではどのようなポジションを経験しましたか?」
口調が現代日本風面接官なのは許してくれ。人を選ぶポジションなんてやったことないし、軍や戦場のことなんて知らないから無理やり自分の知っていることに当てはめているだけだ。大体奴隷兵ってなんだよ。
「奴隷兵は奴隷兵です。衣食住を保障される代わりに何でもやります。それしか知りません。捨て駒になれと命令されたら肉壁になります。訓練相手になれと言われたら失神するまで殴られ続けます。咥えろと言われたら咥えますし、同種族の慰安や夜伽もします。無論処女ではありません。人族のあなたが興味あるとは思えませんが」
ケモノ要素の強い顔は無表情。淡々と話している。
うわぁ、思ったよりえぐい経歴だ。
ソルレオンの奴隷制度は整っているみたいけど、やっぱり他では違うんだろうね。あと僕はケモは今まで守備範囲外だったんだけど、ルーナさんを見てちょっと目覚めそうだ。ワイルドおっぱいにモフモフの体毛。なんだこれ、不思議な気持ちだな。
「なるほど。苦手な武器はありますか?」
「ありませんが、重すぎると動けません」
それはすごいな。弓も使えるってことか。オールラウンダーは大歓迎だ。子供たちにも教えられるし。
「前衛、中衛、後衛、どれが得意ですか?」
「特に拘りはありません」
何の感慨もない様子だ。こういうのって得意な分野があって、誇りとか持つもんじゃないのかな。僕がゲーム脳で考え過ぎなのだろうか。訊いてみるか。
「名誉や誇りに興味はありますか?」
「ありません」
ぴしゃりと言い放つ。少し強い口調だ。うっ、なんだか自分が恥ずかしい。そりゃ生まれた頃から意志も体の自由もなく過ごしてきた人だからな。そんなものにかまけている暇は無いよね。すみません。
「チームで戦ったことや、命令をする立場になったことはありますか?」
「奴隷兵は基本的に隊編成で戦うことはありません。使い捨ての戦力で、階級は無く全員が横並びです。しかし生き残るために指示をしたことはあります」
んん? 使い捨て前提の身分で十数年も生き残ってきたってこと? それすごくないか? 僕ならあっという間に精神も肉体も限界を迎えるはずだ。
「物心ついた時から、と言っていましたが具体的に何歳くらいから戦場にいましたか? あ、言いづらかったら言わなくて問題ありません」
「……確か10歳になる前に両親に売られ戦場にいました。身体が出来るまでは荷物を運び、出来上がってから戦っていました」
壮絶だな。日本でぬくぬく仕事したくないって駄々こねていた僕とは雲泥の差だ。
「何を重視して戦っていましたか?」
「生き残ることです。奴隷兵は生き残れば、勝者の財産になるので」
戦利品扱いってことか。それで渡り歩いてきたと。
「ちなみに何故ジャンゴさんの店に売られてきたのですか?」
「それには私からお答えします」
後ろで控えていたジャンゴさんが一歩前に出る。
「彼女はとある戦で少人数を率い、結果として多くの敵兵を足止めしたのです。森の中で鬣犬族の嗅覚と持久力、我慢強さとタフネスを活かし奇襲を繰り返しました。最終的には彼女以外が全滅しました。彼女は敵兵に捕らえられ暴行を受けていましたが、たまたま視察しにきていた私が保護したのです」
おいおい、ゲリラ戦法かよ。すさまじいな。
「ルーナさん、それは本当ですか?」
「はい。あの戦いでは指揮官に『正規兵が逃げる時間を稼げ』と言われましたので」
普通そんな命令に命かけるか? いや、彼女は自分の命にあまり執着していないのかもしれない。搾取されるだけの人生に、何を期待すればいいかなんてわからないもんな。
「死ねと言われたら死にますか?」
「無駄死にで無ければ」
即答。やっぱりこの人は生に執着心がないみたいだ。でも、無駄死には嫌みたいだから何かしらの意味を求めているのかもしれない。よかった。心が完全に死んでいる訳ではないようだ。
自分の命を軽視するならマイナスポイントだったが、完全にそうではないようだし、何よりも実績とノウハウがある。ハルクリフトさんのような粗暴さは無い。シャズスさんのように口が悪くないし、マイアと違って実戦経験豊富だ。アルガロさんみたいに短期間契約ではなく長期契約だ。
「ルーナさん、やはり僕は貴方を買おうと思います。長期間の契約で問題ありませんか?」
「問題ございません」
あっさりだな。彼女はもう、どこでどう過ごそうと変わらないのかもね。趣味とか見つけて欲しい。
「お客様。彼女は実戦経験豊富な奴隷兵です。その分お値段が張ります。さらに感情の乏しさや容姿の問題があります。夜伽は了承していますが、同族相手が前提です。人族のお客様を前提としていませんが問題ありませんか?」
つまりルーナさんは夜伽と経歴込みの値段だけど大丈夫かってことだね。君は人族だから鬣犬族のルーナとまぐまぐしないでしょ、と。やっぱりこの世界の人間もケモノ娘は守備範囲外が多いのだろう。でも問題ない。僕は守備範囲の広さと適応力だけでここまで生きてきたとこ、あるからね。
「問題ありませんよ」
「さ、左様ですか」
「……」
ルーナさんがちょっと驚いた顔をしている。あ、やっぱり可愛いな。
「申し訳ございません。一つ質問が」
お、ここにきてルーナさんから質問だ。なんだろう。
「なんでしょうか?」
「私は雌ですが鬣犬の特性で男性器に似たものが生えておりますが宜しいですか?」
僕は一向にかまわんッッッッッ!!!
ご褒美かよ。付いているんだからお得なんだよ。
その後、僕はルーナ、マイアを購入し契約を交わした。要約するとマイアは数年働いたら奴隷から解放すること、ごはんをたくさん食べさせてくれること。もちろん搾乳し放題だ。ルーナは衣食住さえ保証してくれたら生涯契約で良いらしい。生涯奴隷でいいのかよ、と驚いたが本人がそれ以外の生き方を知らないんだから仕方ないか。
ちなみに二人合わせてちょうど1000万ソルンだった。白金貨一枚。たっっっか。値段聞いたとき額に嫌な汗が滲んだよ。でも人一人買うわけだからそのくらいするか……。ちなみにルーナが800万ソルン、マイアが200万ソルンだった。二人の格差がすごい。ルーナはやっぱり実績あるから違うんだろうね。マイアは牛人族という薄利多売の種族(こういう言い方は抵抗あるけど)で、大飯くらいだったから安いらしい。でも、マイアにはミルクサーバーという唯一無二のやくわりがあるし、買ったからには二人とも違いはない。大事な奴隷だ。
「ケイ様、この度はご購入有難うございました」
ジャンゴさんもほくほく顔だ。
「いえいえ、こちらもお世話になりました。それより安くしていただいたようで、宜しいのですか?」
「ええ、構いません。こちらに不手際がありましたし、何よりタネズ様の奴隷選びに学ぶところがありましたので」
ジャンゴさんは男奴隷のケツを嬉しそうに揉みしだきながら言った。
あー、自己紹介とかかな。そっか、それなら好意をありがたく受け取っておこう。
「それは良かったです。また遠くないうちに来ますので、同じ条件の奴隷を探しておいてくれますか?」
「もちろんでございます。従業員一同お待ちしております」
深々とお辞儀をするジャンゴさんと尻を揉まれまくる男奴隷たちを背に、その場を後にした。
…………
「一年に一度は契約更改しようか」
ジャンゴさんの店から出た。
もう主従関係になったので敬語はやめている。
「けーやくこーかいですか?」
マイアが首をかしげる。お胸がたるん、と弾む。むふふ。
「働いている内にいろいろ要望が変わってくるかもしれないでしょ? 君たちがとても働いてくれたらもっと条件良くするし、逆に期待以下ならそれに見合った条件にする必要がある」
「つまり、ごはん以外に果物たくさん食べたくなって、働いて結果出したら応えてくれるということですか!?」
マイアの目がキラキラしている。欲望に忠実だなー。この子。シルビアと仲良くなれるかもしれない。
「ご主人様! マイア頑張ります!」
ぶるんぶるん、と牛っぱいがはずむはずむ。
むほぉ、ご主人様呼びは最高だな。
「それは私にも当てはまるのでしょうか?」
「もちろんだよ。ルーナだってこれから何か欲しくなったりするかもしれないでしょ?」
「……よくわかりませんが、それがご主人様の決めたことなら従います」
だるん、とルーナのわがまま部分が揺れる。こっちも良いな……。
「ケイ様、この後はどうされますか?」
今まで黙っていたカリンが聞いてくる。
「ルーナたちの武器防具や衣服なんかをそろえる必要があるね。カリン、選んであげておいてくれる? で、その後は孤児院に戻って洗礼と諸々の説明を宜しく」
武器防具はカリンには分からないだろうから、ルーナに任せればいいか。
「畏まりました」
うーん、優秀な秘書だなあ。
「ご主人様はどこへ?」
「僕はこの……ベステルタと一緒に冒険者ギルドに寄って来るよ。カリンの言うことをよく聞いてね」
「は、畏まりました」
「か、かしこまりました」
奴隷ムーブに慣れた様子のルーナと慣れないマイア。対照的で面白いなあ。共通しているところはぶるんぶるるんなところだね。
「じゃ、ベステルタ。ギルドに行こうか」
「やっと行くのね。待ちくたびれたわ」
首をコキコキと鳴らして獰猛な笑みを浮かべる。いやいや、暴れたりしないでよ? 受付嬢のシャールちゃんに魔道具の調査結果を聞きに行くだけなんだからさ。
「ルーナさん。最初に言っておきますが、僕は貴方を購入するつもりです。その上で、もう少し経歴を訊いてもいいですか? 気を楽にして聞いてください」
「はい。そして、あなたの奴隷になるのであれば敬語は不要です」
そう言っても全然姿勢を崩さないルーナさん。顔がケモケモしいから読みづらいけど無表情だ。鬣犬族がこんな感じなのかな?
「まだ正式な奴隷ではないので。だからそちらもフランクでいいですよ?」
「これは素です」
そっけないルーナさん。まあそれならいいか。
「そうですか。ではお伺いします。前職は奴隷兵とのことですが、私は奴隷兵にあまり詳しくありません。軍や戦場ではどのようなポジションを経験しましたか?」
口調が現代日本風面接官なのは許してくれ。人を選ぶポジションなんてやったことないし、軍や戦場のことなんて知らないから無理やり自分の知っていることに当てはめているだけだ。大体奴隷兵ってなんだよ。
「奴隷兵は奴隷兵です。衣食住を保障される代わりに何でもやります。それしか知りません。捨て駒になれと命令されたら肉壁になります。訓練相手になれと言われたら失神するまで殴られ続けます。咥えろと言われたら咥えますし、同種族の慰安や夜伽もします。無論処女ではありません。人族のあなたが興味あるとは思えませんが」
ケモノ要素の強い顔は無表情。淡々と話している。
うわぁ、思ったよりえぐい経歴だ。
ソルレオンの奴隷制度は整っているみたいけど、やっぱり他では違うんだろうね。あと僕はケモは今まで守備範囲外だったんだけど、ルーナさんを見てちょっと目覚めそうだ。ワイルドおっぱいにモフモフの体毛。なんだこれ、不思議な気持ちだな。
「なるほど。苦手な武器はありますか?」
「ありませんが、重すぎると動けません」
それはすごいな。弓も使えるってことか。オールラウンダーは大歓迎だ。子供たちにも教えられるし。
「前衛、中衛、後衛、どれが得意ですか?」
「特に拘りはありません」
何の感慨もない様子だ。こういうのって得意な分野があって、誇りとか持つもんじゃないのかな。僕がゲーム脳で考え過ぎなのだろうか。訊いてみるか。
「名誉や誇りに興味はありますか?」
「ありません」
ぴしゃりと言い放つ。少し強い口調だ。うっ、なんだか自分が恥ずかしい。そりゃ生まれた頃から意志も体の自由もなく過ごしてきた人だからな。そんなものにかまけている暇は無いよね。すみません。
「チームで戦ったことや、命令をする立場になったことはありますか?」
「奴隷兵は基本的に隊編成で戦うことはありません。使い捨ての戦力で、階級は無く全員が横並びです。しかし生き残るために指示をしたことはあります」
んん? 使い捨て前提の身分で十数年も生き残ってきたってこと? それすごくないか? 僕ならあっという間に精神も肉体も限界を迎えるはずだ。
「物心ついた時から、と言っていましたが具体的に何歳くらいから戦場にいましたか? あ、言いづらかったら言わなくて問題ありません」
「……確か10歳になる前に両親に売られ戦場にいました。身体が出来るまでは荷物を運び、出来上がってから戦っていました」
壮絶だな。日本でぬくぬく仕事したくないって駄々こねていた僕とは雲泥の差だ。
「何を重視して戦っていましたか?」
「生き残ることです。奴隷兵は生き残れば、勝者の財産になるので」
戦利品扱いってことか。それで渡り歩いてきたと。
「ちなみに何故ジャンゴさんの店に売られてきたのですか?」
「それには私からお答えします」
後ろで控えていたジャンゴさんが一歩前に出る。
「彼女はとある戦で少人数を率い、結果として多くの敵兵を足止めしたのです。森の中で鬣犬族の嗅覚と持久力、我慢強さとタフネスを活かし奇襲を繰り返しました。最終的には彼女以外が全滅しました。彼女は敵兵に捕らえられ暴行を受けていましたが、たまたま視察しにきていた私が保護したのです」
おいおい、ゲリラ戦法かよ。すさまじいな。
「ルーナさん、それは本当ですか?」
「はい。あの戦いでは指揮官に『正規兵が逃げる時間を稼げ』と言われましたので」
普通そんな命令に命かけるか? いや、彼女は自分の命にあまり執着していないのかもしれない。搾取されるだけの人生に、何を期待すればいいかなんてわからないもんな。
「死ねと言われたら死にますか?」
「無駄死にで無ければ」
即答。やっぱりこの人は生に執着心がないみたいだ。でも、無駄死には嫌みたいだから何かしらの意味を求めているのかもしれない。よかった。心が完全に死んでいる訳ではないようだ。
自分の命を軽視するならマイナスポイントだったが、完全にそうではないようだし、何よりも実績とノウハウがある。ハルクリフトさんのような粗暴さは無い。シャズスさんのように口が悪くないし、マイアと違って実戦経験豊富だ。アルガロさんみたいに短期間契約ではなく長期契約だ。
「ルーナさん、やはり僕は貴方を買おうと思います。長期間の契約で問題ありませんか?」
「問題ございません」
あっさりだな。彼女はもう、どこでどう過ごそうと変わらないのかもね。趣味とか見つけて欲しい。
「お客様。彼女は実戦経験豊富な奴隷兵です。その分お値段が張ります。さらに感情の乏しさや容姿の問題があります。夜伽は了承していますが、同族相手が前提です。人族のお客様を前提としていませんが問題ありませんか?」
つまりルーナさんは夜伽と経歴込みの値段だけど大丈夫かってことだね。君は人族だから鬣犬族のルーナとまぐまぐしないでしょ、と。やっぱりこの世界の人間もケモノ娘は守備範囲外が多いのだろう。でも問題ない。僕は守備範囲の広さと適応力だけでここまで生きてきたとこ、あるからね。
「問題ありませんよ」
「さ、左様ですか」
「……」
ルーナさんがちょっと驚いた顔をしている。あ、やっぱり可愛いな。
「申し訳ございません。一つ質問が」
お、ここにきてルーナさんから質問だ。なんだろう。
「なんでしょうか?」
「私は雌ですが鬣犬の特性で男性器に似たものが生えておりますが宜しいですか?」
僕は一向にかまわんッッッッッ!!!
ご褒美かよ。付いているんだからお得なんだよ。
その後、僕はルーナ、マイアを購入し契約を交わした。要約するとマイアは数年働いたら奴隷から解放すること、ごはんをたくさん食べさせてくれること。もちろん搾乳し放題だ。ルーナは衣食住さえ保証してくれたら生涯契約で良いらしい。生涯奴隷でいいのかよ、と驚いたが本人がそれ以外の生き方を知らないんだから仕方ないか。
ちなみに二人合わせてちょうど1000万ソルンだった。白金貨一枚。たっっっか。値段聞いたとき額に嫌な汗が滲んだよ。でも人一人買うわけだからそのくらいするか……。ちなみにルーナが800万ソルン、マイアが200万ソルンだった。二人の格差がすごい。ルーナはやっぱり実績あるから違うんだろうね。マイアは牛人族という薄利多売の種族(こういう言い方は抵抗あるけど)で、大飯くらいだったから安いらしい。でも、マイアにはミルクサーバーという唯一無二のやくわりがあるし、買ったからには二人とも違いはない。大事な奴隷だ。
「ケイ様、この度はご購入有難うございました」
ジャンゴさんもほくほく顔だ。
「いえいえ、こちらもお世話になりました。それより安くしていただいたようで、宜しいのですか?」
「ええ、構いません。こちらに不手際がありましたし、何よりタネズ様の奴隷選びに学ぶところがありましたので」
ジャンゴさんは男奴隷のケツを嬉しそうに揉みしだきながら言った。
あー、自己紹介とかかな。そっか、それなら好意をありがたく受け取っておこう。
「それは良かったです。また遠くないうちに来ますので、同じ条件の奴隷を探しておいてくれますか?」
「もちろんでございます。従業員一同お待ちしております」
深々とお辞儀をするジャンゴさんと尻を揉まれまくる男奴隷たちを背に、その場を後にした。
…………
「一年に一度は契約更改しようか」
ジャンゴさんの店から出た。
もう主従関係になったので敬語はやめている。
「けーやくこーかいですか?」
マイアが首をかしげる。お胸がたるん、と弾む。むふふ。
「働いている内にいろいろ要望が変わってくるかもしれないでしょ? 君たちがとても働いてくれたらもっと条件良くするし、逆に期待以下ならそれに見合った条件にする必要がある」
「つまり、ごはん以外に果物たくさん食べたくなって、働いて結果出したら応えてくれるということですか!?」
マイアの目がキラキラしている。欲望に忠実だなー。この子。シルビアと仲良くなれるかもしれない。
「ご主人様! マイア頑張ります!」
ぶるんぶるん、と牛っぱいがはずむはずむ。
むほぉ、ご主人様呼びは最高だな。
「それは私にも当てはまるのでしょうか?」
「もちろんだよ。ルーナだってこれから何か欲しくなったりするかもしれないでしょ?」
「……よくわかりませんが、それがご主人様の決めたことなら従います」
だるん、とルーナのわがまま部分が揺れる。こっちも良いな……。
「ケイ様、この後はどうされますか?」
今まで黙っていたカリンが聞いてくる。
「ルーナたちの武器防具や衣服なんかをそろえる必要があるね。カリン、選んであげておいてくれる? で、その後は孤児院に戻って洗礼と諸々の説明を宜しく」
武器防具はカリンには分からないだろうから、ルーナに任せればいいか。
「畏まりました」
うーん、優秀な秘書だなあ。
「ご主人様はどこへ?」
「僕はこの……ベステルタと一緒に冒険者ギルドに寄って来るよ。カリンの言うことをよく聞いてね」
「は、畏まりました」
「か、かしこまりました」
奴隷ムーブに慣れた様子のルーナと慣れないマイア。対照的で面白いなあ。共通しているところはぶるんぶるるんなところだね。
「じゃ、ベステルタ。ギルドに行こうか」
「やっと行くのね。待ちくたびれたわ」
首をコキコキと鳴らして獰猛な笑みを浮かべる。いやいや、暴れたりしないでよ? 受付嬢のシャールちゃんに魔道具の調査結果を聞きに行くだけなんだからさ。
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