26 / 146
戦闘訓練・包囲戦(対ダークエイプ)
しおりを挟む
「ウキャーーーー!」
「ウッキウキ! ウッキウキャ!」
「ウキャキャウキャ!」
「ウキャァーッ! ウギャギャハァー!」
訓練のためにシュレアの樹渡りでダークエイプの群れにワープしてきた。
正直に言おう。
過去一ムカついてる。この猿たち、人を見るなり馬鹿にしきった態度だ。頭掻いたり、指差して笑ったり、変な顔して挑発したり。
ゆるせん。絶対に勝ってやる。
…………
……
ちょっと前にシュレアがダークエイプで訓練すると言った。気が進まなかったけど、野菜畑を作るためにはもっと力の使い方に慣れないといけないらしい。ならしかたないか……。
「ダークエイプはダイオークやマスキュラスと違い、森を立体的に動きながら爪や牙で攻撃してきます。中には石を投げてくる個体もいます」
それだけ聞くと、大したこと無さそうに感じる。所詮は猿だしね。
「非常に素早く、死角に入るように動くので人の眼では追えません。爪や牙も良く切れる刃物だと思った方がいいです。また見た目以上に防御力が高く、固い毛皮は弓矢も通しません。さらに必ず群れで移動し、連携を取ってきます。普通の冒険者ならただのエサですし、ベテラン冒険者でも撤退せざるを得ない相手です」
撤回。すごい厄介そうだ。眼で追えないってどんな速さだよ。
つまり、立体的に物凄いスピードで動く性格の悪い傭兵チームだ。
確かに力押しで何とかなったダイオークや、頭を使わないマスキュラスとは違う。
「そんな狡猾な相手にどうすればいいの?」
練喚攻では一体を追っている間に背後から攻撃されるだろう。
風魔法では木々や毛皮に防がれ、決め手に欠けるだろう。
「簡単ですよ、樹魔法なら」
あ、ちょっとドヤ顔した。どっかのCMにありそうなセリフだ。
…………
……
「樹縄!」
シュレアから教わった通り、周囲の木々に意識を向け魔力を流し込みイメージを伝える。
四方八方から蔦やら根っ子やらがダークエイプたちに向かって伸びていく!
シュルシュルシュルシュルッ!
シュバーッ! シュルシュルッ!
「ウキィ!?」
「ウギャェー!」
あっという間に万力のような触手たちに絡め取られ、なすすべもないダークエイプたち。呆気ないな。
いや……樹魔法がやばいんだ。一度イメージを伝えれば自動追尾してくれるのはでかい。逃げても一緒に追えばいいし。たとえ触手を数本どうにかしたところでほぼ無限に湧いてくる。
……あれ、樹魔法めちゃくちゃ強くない? 特に森林の中だと反則に近い強さだ。数の優位を物ともしない。
「それだけではないですよ。教えた通りにあれも使って下さい」
(……)
シュレアは例の木を苗にして抱えている。ちんまりとシュレアの腕の中に収まっていた。この子にも名前を付けないとな。
ていうか、もう勝負ついているけどやるのね。エグいな。まあ嫌いって言ってたし。
「ふぅ……樹睡香」
すると蔦の先からぱかっと綺麗な花が咲いた、かと思うと甘ったるい匂いが辺りを包む。もちろん、僕とシュレアには効かない。
「ウ……キ……」
「ウキュ……キュ…」
あれだけ騒がしくしていたダークエイプは見事に沈黙してしまった。心地良さそうに寝息を立てている。
おそろしい。
樹睡香はその名の通り、強烈な眠気を誘発する香りを発生させる。
なんて速効性のある催眠攻撃なんだ。範囲攻撃だから群れとか関係ない。毛皮は関係ないし嗅いだだけでアウトだ。
ちなみに、他にもバリエーションがあるらしい。麻痺させたり毒にさせたり。つまりは広範囲状態異常攻撃だ。やってみて分かるけどエグすぎる。練喚攻や風魔法とは別種のヤバさだ。
「さあ、止めを」
シュレアが無慈悲な宣告をする。生かしておく必要も無いけど、次の技もまた、躊躇う怖さなんだよね……。
(……)
ああ、でもこの子も期待している。もしかしたらダークエイプに迷惑掛けられたのかもしれない。ならいっか。ダークエイプ死すべし。慈悲は無い。
うわっ、寝ているダークエイプの顔を見てしまった。こいつら寝てても邪悪な顔してんなあ。
僕もいつの間にか影響受けていないか心配になって、シュレアの方を見た。
「いかがわしい目付きですね」
眉間にシワを寄せて嫌そうに距離をとった。むしろそういう目でしか見れないんだけど。ちょっと僕いかがわしい雰囲気作ってきます。
さて、覚悟決める時間も終わりだ。
「吸命」
ぶすり。
ぶすぶすぶすぶすっ。
眠ったダークエイプたちに無数の尖った触手が突き刺さる。しかし、深い睡眠状態のダークエイプ達は目を覚まさない。
「………………ウ………」
「………………」
「キ………………」
悲鳴を上げることなく干からびていく……うわ……やっぱり引くわ……。
生命力やら水分やらを根こそぎ吸われたダークエイプはカラカラに乾いて、最後は落ち葉のようにくしゃりと潰れて跡形も無くなった。
ひええええ。
「上出来ですね。木々たちも喜んでいますよ」
あっ、本当だ。
樹魔法に協力してくれて木々が、嬉しそうに葉を揺らす音が聞こえる。
さわさわ……。
さわわ……。
ざわざわ……。
風が語りかけます。
いや、木々だけど。
役に立てたならよかった、のかな? 死骸も残さず新たな生命の糧になったということで、ダークエイプたちには諦めてもらおう。
その後何回か包囲戦を繰り返した。
やればやるほど、森という限定空間において樹魔法は最強クラスなんだなと痛感した。
打撃力や破壊力があるわけじゃないけど、状況対応力に優れている。
探知、捕縛、睡眠による無効化、吸命して証拠隠滅……。あれ、暗殺向きすぎてない?
ゲリラ戦では無敵になれそうだ。
「こんなものでしょうか」
その日、何グループのダークエイプの群れを落ち葉にしたか分からない。夕方くらいにシュレアがそう言った。それでもこの森は広大だからまだたくさんいるんだろうけどさ。
そのくらいにはすっかり樹魔法の使い方にも慣れていた。魔法発動までの時間も短くなったし、朝よりも精密に運用できたように思う。
後半では木々よりも小さい草でも練習した。戦闘に使うのは難しいけど、草むしりの手間が省けるようになったかな。移動をお願いしたら、草たちがにょきっと地面から出て、整列して行進していったのには驚いた……。
そういえば森では使えるけど、街中でも使えるのかな?
「もちろんです。街中でもそこに草木があれば樹魔法は使えますよ」
ただ、森の中よりも運用効率は落ちるらしい。それでもかなり強いと思うけどね。
いやー、汗かいたな。
練喚攻や風魔法と比べて頭を使って集中することが多かったけど、知らない内に体へ負担がかかっていたようだ。
これは温泉に寄るしかない。
帰りにシュレアに言って温泉に寄ってもらった。
「ああ……」
目を閉じて息を漏らすシュレア。やはり温泉はいいよなあ。眼福だし。そのまま浄化マッサージをすると、嫌そうな目で気持ち良さそうにしていた。なんか個性的な表情だ。だめだ、むらむらしてきた。
そしてたっぷり繁ったよ。元からいろいろと繁ってたけど。シュレア結構密林なんだよね。もじゃもじゃ。それを頬でしょりしょりしょわしょわするのがすき。
相変わらず、すごい嫌そうな目付きだったのがよかった。でも枝角はぴかぴか光っているんだよね。うーん、結局どういう時に光るんだろうな。
シュレアと温泉でまったりしている時にふと気になって、周りの樹木の様子を窺ってみた。どうやら、この前浄化したおかげでかなり気分がよくなったらしい。ならよかったよ。
「かなり大きな魔素溜まりだったようですね。樹木たちの喜び方がすごいです」
ほんのり頬を上気させつつ、不機嫌そうに言った。うーん、僕にはまだ分からない。シュレアくらいにかると簡単に分かるようになるのかな。
辺りの日が落ちる頃、樹渡りしてもらって帰った。これ、渡る度に抱きすくめられるのは慣れなさそうだ……。
「ウッキウキ! ウッキウキャ!」
「ウキャキャウキャ!」
「ウキャァーッ! ウギャギャハァー!」
訓練のためにシュレアの樹渡りでダークエイプの群れにワープしてきた。
正直に言おう。
過去一ムカついてる。この猿たち、人を見るなり馬鹿にしきった態度だ。頭掻いたり、指差して笑ったり、変な顔して挑発したり。
ゆるせん。絶対に勝ってやる。
…………
……
ちょっと前にシュレアがダークエイプで訓練すると言った。気が進まなかったけど、野菜畑を作るためにはもっと力の使い方に慣れないといけないらしい。ならしかたないか……。
「ダークエイプはダイオークやマスキュラスと違い、森を立体的に動きながら爪や牙で攻撃してきます。中には石を投げてくる個体もいます」
それだけ聞くと、大したこと無さそうに感じる。所詮は猿だしね。
「非常に素早く、死角に入るように動くので人の眼では追えません。爪や牙も良く切れる刃物だと思った方がいいです。また見た目以上に防御力が高く、固い毛皮は弓矢も通しません。さらに必ず群れで移動し、連携を取ってきます。普通の冒険者ならただのエサですし、ベテラン冒険者でも撤退せざるを得ない相手です」
撤回。すごい厄介そうだ。眼で追えないってどんな速さだよ。
つまり、立体的に物凄いスピードで動く性格の悪い傭兵チームだ。
確かに力押しで何とかなったダイオークや、頭を使わないマスキュラスとは違う。
「そんな狡猾な相手にどうすればいいの?」
練喚攻では一体を追っている間に背後から攻撃されるだろう。
風魔法では木々や毛皮に防がれ、決め手に欠けるだろう。
「簡単ですよ、樹魔法なら」
あ、ちょっとドヤ顔した。どっかのCMにありそうなセリフだ。
…………
……
「樹縄!」
シュレアから教わった通り、周囲の木々に意識を向け魔力を流し込みイメージを伝える。
四方八方から蔦やら根っ子やらがダークエイプたちに向かって伸びていく!
シュルシュルシュルシュルッ!
シュバーッ! シュルシュルッ!
「ウキィ!?」
「ウギャェー!」
あっという間に万力のような触手たちに絡め取られ、なすすべもないダークエイプたち。呆気ないな。
いや……樹魔法がやばいんだ。一度イメージを伝えれば自動追尾してくれるのはでかい。逃げても一緒に追えばいいし。たとえ触手を数本どうにかしたところでほぼ無限に湧いてくる。
……あれ、樹魔法めちゃくちゃ強くない? 特に森林の中だと反則に近い強さだ。数の優位を物ともしない。
「それだけではないですよ。教えた通りにあれも使って下さい」
(……)
シュレアは例の木を苗にして抱えている。ちんまりとシュレアの腕の中に収まっていた。この子にも名前を付けないとな。
ていうか、もう勝負ついているけどやるのね。エグいな。まあ嫌いって言ってたし。
「ふぅ……樹睡香」
すると蔦の先からぱかっと綺麗な花が咲いた、かと思うと甘ったるい匂いが辺りを包む。もちろん、僕とシュレアには効かない。
「ウ……キ……」
「ウキュ……キュ…」
あれだけ騒がしくしていたダークエイプは見事に沈黙してしまった。心地良さそうに寝息を立てている。
おそろしい。
樹睡香はその名の通り、強烈な眠気を誘発する香りを発生させる。
なんて速効性のある催眠攻撃なんだ。範囲攻撃だから群れとか関係ない。毛皮は関係ないし嗅いだだけでアウトだ。
ちなみに、他にもバリエーションがあるらしい。麻痺させたり毒にさせたり。つまりは広範囲状態異常攻撃だ。やってみて分かるけどエグすぎる。練喚攻や風魔法とは別種のヤバさだ。
「さあ、止めを」
シュレアが無慈悲な宣告をする。生かしておく必要も無いけど、次の技もまた、躊躇う怖さなんだよね……。
(……)
ああ、でもこの子も期待している。もしかしたらダークエイプに迷惑掛けられたのかもしれない。ならいっか。ダークエイプ死すべし。慈悲は無い。
うわっ、寝ているダークエイプの顔を見てしまった。こいつら寝てても邪悪な顔してんなあ。
僕もいつの間にか影響受けていないか心配になって、シュレアの方を見た。
「いかがわしい目付きですね」
眉間にシワを寄せて嫌そうに距離をとった。むしろそういう目でしか見れないんだけど。ちょっと僕いかがわしい雰囲気作ってきます。
さて、覚悟決める時間も終わりだ。
「吸命」
ぶすり。
ぶすぶすぶすぶすっ。
眠ったダークエイプたちに無数の尖った触手が突き刺さる。しかし、深い睡眠状態のダークエイプ達は目を覚まさない。
「………………ウ………」
「………………」
「キ………………」
悲鳴を上げることなく干からびていく……うわ……やっぱり引くわ……。
生命力やら水分やらを根こそぎ吸われたダークエイプはカラカラに乾いて、最後は落ち葉のようにくしゃりと潰れて跡形も無くなった。
ひええええ。
「上出来ですね。木々たちも喜んでいますよ」
あっ、本当だ。
樹魔法に協力してくれて木々が、嬉しそうに葉を揺らす音が聞こえる。
さわさわ……。
さわわ……。
ざわざわ……。
風が語りかけます。
いや、木々だけど。
役に立てたならよかった、のかな? 死骸も残さず新たな生命の糧になったということで、ダークエイプたちには諦めてもらおう。
その後何回か包囲戦を繰り返した。
やればやるほど、森という限定空間において樹魔法は最強クラスなんだなと痛感した。
打撃力や破壊力があるわけじゃないけど、状況対応力に優れている。
探知、捕縛、睡眠による無効化、吸命して証拠隠滅……。あれ、暗殺向きすぎてない?
ゲリラ戦では無敵になれそうだ。
「こんなものでしょうか」
その日、何グループのダークエイプの群れを落ち葉にしたか分からない。夕方くらいにシュレアがそう言った。それでもこの森は広大だからまだたくさんいるんだろうけどさ。
そのくらいにはすっかり樹魔法の使い方にも慣れていた。魔法発動までの時間も短くなったし、朝よりも精密に運用できたように思う。
後半では木々よりも小さい草でも練習した。戦闘に使うのは難しいけど、草むしりの手間が省けるようになったかな。移動をお願いしたら、草たちがにょきっと地面から出て、整列して行進していったのには驚いた……。
そういえば森では使えるけど、街中でも使えるのかな?
「もちろんです。街中でもそこに草木があれば樹魔法は使えますよ」
ただ、森の中よりも運用効率は落ちるらしい。それでもかなり強いと思うけどね。
いやー、汗かいたな。
練喚攻や風魔法と比べて頭を使って集中することが多かったけど、知らない内に体へ負担がかかっていたようだ。
これは温泉に寄るしかない。
帰りにシュレアに言って温泉に寄ってもらった。
「ああ……」
目を閉じて息を漏らすシュレア。やはり温泉はいいよなあ。眼福だし。そのまま浄化マッサージをすると、嫌そうな目で気持ち良さそうにしていた。なんか個性的な表情だ。だめだ、むらむらしてきた。
そしてたっぷり繁ったよ。元からいろいろと繁ってたけど。シュレア結構密林なんだよね。もじゃもじゃ。それを頬でしょりしょりしょわしょわするのがすき。
相変わらず、すごい嫌そうな目付きだったのがよかった。でも枝角はぴかぴか光っているんだよね。うーん、結局どういう時に光るんだろうな。
シュレアと温泉でまったりしている時にふと気になって、周りの樹木の様子を窺ってみた。どうやら、この前浄化したおかげでかなり気分がよくなったらしい。ならよかったよ。
「かなり大きな魔素溜まりだったようですね。樹木たちの喜び方がすごいです」
ほんのり頬を上気させつつ、不機嫌そうに言った。うーん、僕にはまだ分からない。シュレアくらいにかると簡単に分かるようになるのかな。
辺りの日が落ちる頃、樹渡りしてもらって帰った。これ、渡る度に抱きすくめられるのは慣れなさそうだ……。
0
お気に入りに追加
1,409
あなたにおすすめの小説
18禁NTR鬱ゲーの裏ボス最強悪役貴族に転生したのでスローライフを楽しんでいたら、ヒロイン達が奴隷としてやって来たので幸せにすることにした
田中又雄
ファンタジー
『異世界少女を歪ませたい』はエロゲー+MMORPGの要素も入った神ゲーであった。
しかし、NTR鬱ゲーであるためENDはいつも目を覆いたくなるものばかりであった。
そんなある日、裏ボスの悪役貴族として転生したわけだが...俺は悪役貴族として動く気はない。
そう思っていたのに、そこに奴隷として現れたのは今作のヒロイン達。
なので、酷い目にあってきた彼女達を精一杯愛し、幸せなトゥルーエンドに導くことに決めた。
あらすじを読んでいただきありがとうございます。
併せて、本作品についてはYouTubeで動画を投稿しております。
より、作品に没入できるようつくっているものですので、よければ見ていただければ幸いです!
【R18】異世界なら彼女の母親とラブラブでもいいよね!
SoftCareer
ファンタジー
幼なじみの彼女の母親と二人っきりで、期せずして異世界に飛ばされてしまった主人公が、
帰還の方法を模索しながら、その母親や異世界の人達との絆を深めていくというストーリーです。
性的描写のガイドラインに抵触してカクヨムから、R-18のミッドナイトノベルズに引っ越して、
お陰様で好評をいただきましたので、こちらにもお世話になれればとやって参りました。
(こちらとミッドナイトノベルズでの同時掲載です)
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
令嬢キャスリーンの困惑 【完結】
あくの
ファンタジー
「あなたは平民になるの」
そんなことを実の母親に言われながら育ったミドルトン公爵令嬢キャスリーン。
14歳で一年早く貴族の子女が通う『学院』に入学し、従兄のエイドリアンや第二王子ジェリーらとともに貴族社会の大人達の意図を砕くべく行動を開始する羽目になったのだが…。
すこし鈍くて気持ちを表明するのに一拍必要なキャスリーンはちゃんと自分の希望をかなえられるのか?!
淫らなお姫様とイケメン騎士達のエロスな夜伽物語
瀬能なつ
恋愛
17才になった皇女サーシャは、国のしきたりに従い、6人の騎士たちを従えて、遥か彼方の霊峰へと旅立ちます。
長い道中、姫を警護する騎士たちの体力を回復する方法は、ズバリ、キスとH!
途中、魔物に襲われたり、姫の寵愛を競い合う騎士たちの様々な恋の駆け引きもあったりと、お姫様の旅はなかなか困難なのです?!
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる