【異世界大量転生2】囲われモブは静かに引きこもりたい

とうや

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閑話:第二皇子とルクレツィア

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あの娘が嫁ぐ。

竜に。神竜などと呼ばれる獣に。




「くそッ…!」




高級娼婦を寝所に呼んで。最高級の体を抱いても気持ちは収まらなかった。

柔らかい体を組み敷いて。体の奥の奥まで暴いて、猛った精で内部まで汚す。悦がり狂う女があの娘と重なる。

あの、娘。



美しい娘だった。

穢れも知らぬような笑顔だった。

僕に媚び諂わない態度だった。

素晴らしい治癒魔法を、出し惜しみもせず、恩も着せずに、平民を装った私に使った。

守るべきものを持った、あの強い瞳。




あの娘が、獣のモノになる。





偶然を装った再会に、ああ、あの時の…と笑った。

僕のことなど、今、思い出したと言うように。




神竜の番になど、何故?

そう言った私に、不思議そうに首を傾げた。




何故?おかしなことを仰いますのね?





オズ兄様が、そう望んだからですわ。





娘は ーーー ルクレツィアは笑う。





そう。そうだ。

初めて彼女に会った時。

彼女はもう覚えていないだろう、あのヴァッサロ邸の応接室。




『わたくしは、義父とオズワルド様が行けと言った家に嫁ぎます』




そう言ったではないか。






オズワルド・ヴァッサロ。





ルクレツィアの元婚約者で、男の身でありながら王弟に嫁いだ、あの恥知らずな《聖者》。

毎夜男に尻を犯されながらも、ルクレツィアを支配して手元から離さない、あの ーーー 死神。




あの男さえ居なければ。




そうだ。










あの男さえ居なければ、美しいルクレツィアは僕だけのものになるだろう。





















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