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モブと夢の中の白竜
しおりを挟む死体。
死体。死体。死体。
かつて人間だったモノ。
樹々の残骸と、土と、千切れた……色々なものが混ざって…。
ああ、いい硝石畑になるだろうな…と思った瞬間に、激しい吐き気と目眩が襲って来る。
もう、硝石は ーーー 作る必要がないのに。
「……っ、…ぅ、ぐ………!」
《おうおう、派手にやったのぅ》
「………………」
いつのまにか、目の前には白い竜が居た。
「カ……リー…ナ、さま………」
《凄まじいの、其方たちの兵器は。異世界とは、よほど恐ろしい世界だったのだの》
俺と神竜カリーナの眼下に広がる惨劇。
そこで俺はやっと、これが夢なのだと気付いた。
《……のう、オズワルドや》
「…………はい……」
《この骸の山は、其方が築いた》
「…はい」
そう。俺が殺した。ぜんぶ、ぜんぶ。俺が……。
《けれど、其方はこの何倍もの命を救った》
「…………」
《よいか、考えてみよ。この物言わぬ骸は、全て兵士じゃ。武装した兵が、群れをなして国境を超えたのじゃ。殺意は明らかであろう?その兵たちは、国を超えた先で、何をしようとしたのかの?村を潰し、町を蹂躙し、武器を持たぬ男も、力を持たぬ女子供も、犯し、殺し、奪おうとしたのではないか?》
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べろりとカリーナ様が、その大きな舌で俺の顔を舐めた。
《のう、オズワルドよ。心優しき《界を渡りし者》よ。其方のやったことは確かに罪かも知れぬ。だが、善行でもあるのだ。誰が許さなくても、わたくしが赦そう。わたくしが、其方の罪を赦そう。世界中が許さなくても、其方の愛する者たちは其方を受け入れるぞ?》
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