【異世界大量転生2】囲われモブは静かに引きこもりたい

とうや

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モブと夢の中の白竜

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死体。

死体。死体。死体。

かつて人間だったモノ。

樹々の残骸と、土と、千切れた……色々なものが混ざって…。

ああ、いい硝石畑になるだろうな…と思った瞬間に、激しい吐き気と目眩が襲って来る。



もう、硝石は ーーー 作る必要がないのに。



「……っ、…ぅ、ぐ………!」


《おうおう、派手にやったのぅ》


「………………」




いつのまにか、目の前には白い竜が居た。




「カ……リー…ナ、さま………」


《凄まじいの、其方たちの兵器は。異世界ちきゅうとは、よほど恐ろしい世界だったのだの》




俺と神竜カリーナの眼下に広がる惨劇。

そこで俺はやっと、これが夢なのだと気付いた。




《……のう、オズワルドや》


「…………はい……」


《この骸の山は、其方が築いた》


「…はい」




そう。俺が殺した。ぜんぶ、ぜんぶ。俺が……。




《けれど、其方はこの何倍もの命を救った》


「…………」


《よいか、考えてみよ。この物言わぬ骸は、全て兵士じゃ。武装した兵が、群れをなして国境を超えたのじゃ。殺意は明らかであろう?その兵たちは、国を超えた先で、何をしようとしたのかの?村を潰し、町を蹂躙し、武器を持たぬ男も、力を持たぬ女子供も、犯し、殺し、奪おうとしたのではないか?》




………あれ?カリーナ様…、もしかして…




《あちらも飢饉で飢えていたのであろう。じゃがそれは言い訳でしかない。先に牙を剥いたのはあちらじゃ。やらなければ、やられておった。旦那様に言わせれば『せーとーぼーえー』?『せーぞんきょーそー』?ってやつじゃ》


「カリーナ様…もしかして、気を使って下さってます…?」


《………!!そっ!そんな!……くっ!…そ、そうじゃ!心配して何が悪い!?其方はわたくしの大事な坊やの餌係じゃ!坊やのために美味い餌をたらふく作ってもらわねばならん!それに…、そ、そう!わたくしの旦那様と同郷の其方が沈んでおってはソワソワするではないか!》




こ れ が ツ ン デ レ か … 。




カリーナは唇を尖らせた。なんだこれ。竜なのに可愛いな。





《ええい!雄たる者、メソメソ泣くでないわ!》





べろりとカリーナ様が、その大きな舌で俺の顔を舐めた。














《のう、オズワルドよ。心優しき《界を渡りし者》よ。其方のやったことは確かに罪かも知れぬ。だが、善行でもあるのだ。誰が許さなくても、わたくしが赦そう。わたくしが、其方の罪を赦そう。世界中が許さなくても、其方の愛する者たちは其方を受け入れるぞ?》











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