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モブと宴4
しおりを挟む焼ける端からハンバーグがもりもり食べ尽くされていく。こっわ。どこまで食べるの?
ちなみに立食っていうか、立ち食いっていうかなので、あっちの席にお行儀良く座ってる陛下には、護衛騎士さんに勝手に持っていってくださいって言ってる。
毒味とか色々あるだろうからね?でも食べる時はきっとぬるくなってるよね?
テオは護衛も兼ねてるから食べてない。大変だね宮仕えって。でも陛下が来るの許可したのはお前だ。
いつのまにか鶏肉っぽい生肉も用意してあったので焼く。あー、デカい鉄板って楽。照り焼きソースもいい感じでとろみが付いていたので、1番火が弱いところに置いておく。
「ルクレツィア、深さのあるこのくらいの大きさのスープボウルをメイドさんにもらってきてくれる?」
「はい!オズ兄様!」
出番きたー!とばかりに目を輝かせる。うん、放置してごめんね。
米が炊けてご飯になったので丼物にするか。
体育会系の胃袋を黙らせるにはどんぶりメシだろう。
焼けた鶏肉っぽいものを鉄板の上で切り、照り焼きソースじゅばー。おお…たまりませんな。
ちなみに作ってばっかで俺の口には味見程度しか入ってない。
照り焼きソースの焦げる匂いにカムイが垂れ耳をピンと立てた。……お前さっき、黒いソース見てドン引きしてなかったか!?
「おおおおお……照り焼き…!!」
「も…もう、ルーちゃんが帰ってくるの待てない…!!パン!パンに挟むう!!」
「待て遥!照り焼き丼を掻っ込んでエールをキュッとやりてぇだろ!?負けるな!パンに逃げるんじゃねえ!」
「に……逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃ………あああああー!!らめぇ…!匂いが!!匂いが私を誘うのー!!」
遥が壊れ気味だ。ルクレツィア、早く!
「赤竜閣下はおにぎりにしましょうね?口の周りに米粒付きますから」
《うむ!良い嫁だの!そこな白っぽい男に飽きたら我の嫁になると良い!》
嫁=自動給餌器だな…。曖昧に笑っとこう。
手に水と塩を付けて。あっつあつの白米を握って照り焼きチキンをイン。この両手にびっしりの《代行者の証》、何が良いって熱いものも平気で持てる。熱い冷たいとかはわかるのに、便利すぎる。
大きめにひとつ握って赤竜の口に放り込むと、カムイも口を開けて待っている。まーじーかー。
同じように握ってカムイの口にも放り込む。
もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ…。
ピカーッと竜たちの目が光り、顔を見合わせる。超笑顔。美味かったらしい。
「お兄ちゃんずるい!遥も!遥も!!」
「兄貴!兄貴ってこいつらに甘くねえ!?なんで1番がこいつらなんだよ!?オレも!オレもおにぎり!!」
黙れ。なんでって、こいつらのよだれが酷いからだよ。それ以外にねーよ。お前ら、あそこで大人しくパンに挟んで食ってるカズマさんを見習いなさい。
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