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モブと朝ごはん
しおりを挟む翌朝はルクレツィアのリクエスト通りにハンバーガーを作ってもらった。
あと、ハンバーガーにはマヨネーズだよね?とちょこちょこっと作る。こっちでもドレッシングはあったから、あれに卵黄が入ったようなやつ、というと料理人さんたちは納得した。
昨日のハンバーグの残りを料理人さんに食べ尽くされたカムイがハンバーグ、ハンバーグとブツブツ言っているので玉子サラダを作ってやる。パンはオズの匂いがしないからいらない、と。くぬう…偏食家め!
茹で卵をぐちゃぐちゃにした料理に、料理人軍団もテオもちょっと引いていたが、テオはルクレツィアがパンに乗せて美味しそうに食べていると口を付け
「………美味い…」
「だろー?」
はっはっは。現代日本の料理本に載ってるものが不味い筈はない。好き嫌いはあるんだろうけど。
《ねえねえ、オズ!たまごさらだ、もうないよ?》
カムイが愛らしく首を傾げる。クッソ、媚び方を覚えたか…!
カムイは俺が作る餌を食べてぐんぐん大きくなった。名付けしたときはレトリーバーサイズだったのに、今ではグレートデンサイズだ。でかい。
「そうだなあ…。米でもありゃあ、おにぎり握ってやるんだが」
パン作るのは流石にめんどくさい。捏ねるのは錬金術スキルだけど。
《こめ?おにぎり?》
「あー、んーと、ライス?」
《らいす!》
異世界にあるかどうかは知らんが。
カムイは垂れ耳をピンと立てて、今日おじちゃんとこに行って聞いてくるね!と飛び跳ねた。うん、食堂で飛ぶのやめろ。
そして後日、本当に赤竜から玄米を米俵で貰って来ちゃったもんだから、大鍋で米を炊く羽目になった。
もちろん赤竜にも、おにぎり握って持たせた…。
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