【異世界大量転生2】囲われモブは静かに引きこもりたい

とうや

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モブと登城

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当日のルクレツィアは、それはもう美しく仕上げてもらった。

緩やかな曲線を描く黄金の髪をハーフアップに結い上げて。華美になりすぎないように派手な色のリボンなどは使わずに、編み込んだ髪にセンスよく一粒ダイヤのピンを数本。本人の希望の、深い緑色のワンピースはシンプルながら品がある。足元は、この国では珍しい女性用の編み上げブーツだ。

なんてことだ!うちの子が一番可愛い!!

俺は親バカを発揮した。

俺はまあ、テオの瞳の色の藍色のシンプルなスーツを着て。髪の色も瞳の色も地味だから。



「どうしようテオ…!ルクレツィアが可愛すぎる!!まだお嫁には出したくないのに!」



「落ち着けオズ。お前が一番可愛い」



お前が落ち着け。







かくして俺たちは馬車に揺られて登城する。

馬車から車椅子が動かせそうな場所まではテオが俺を横抱きにして運ぶ。城の使用人たちの視線が地味に恥ずかしい。

事前に運んでもらっていた車椅子はルクレツィアが押してくれる。優しい子だ。きっといい嫁に、母親になる。だがまだ嫁には出さん。

車椅子のままの謁見をして非礼を詫びる。しょーがないよね呼んだの陛下たちだし。

じろじろとルクレツィアと俺を値踏みするような視線が気に入らないが、だからってどうだというのだ。

首実験(死んでないけど)が終われば関わり合いの無い人たちに戻る。それだけだ。



少女たちが集められた広間に着くと、一斉に視線が集まった。



うわ、居心地悪い。



早く終わらせてしまおう。



さあ主人公はどこかな?挿絵の通りだと、可愛い系だけどそんなに美人でも無い……。



「あっ!あんた!!いったいどういうつもり!?」



広間に場違いな大声が響いた。









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