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「俺が人殺しでも軽蔑しないか?」
しおりを挟む今更俺と妹を殺そうとしたクソ王太子がなんの用だろう。そう首を捻るとハルフォードのおっちゃんが教えてくれた。
メンドゥサ国、いま隣国の侵攻受けて負け続けてんだってさ。
まさか俺に軍人として戦えって?はっ、バッカじゃねえの?
あとは勇者……勇者一行か。確か『魔王に対抗する神の代理人』ってやつか。当然魔王の敵 ーーー 碧海の敵だ。
「…………………………」
うん、殺そう。
「碧海、俺が人殺しでも軽蔑しないか?」
「ん?どうして?」
「……勇者が来てるっていうから…」
「ああ…うん、大丈夫だよ?」
エヘッと碧海は笑った。可愛い。もう碧海が性格悪くて嫉妬深くて嘘つきだって知ってるけど……やっぱ可愛い。
「多分ね、僕が君との結婚に文句があるやつ直接来いって言ったのが原因だね。実はずっと手紙が来てたんだよ。王太子と、勇者パーティのパーシヴァルって人。めんどくさいから放置してたんだけど…」
ごめんね?と首を傾げられると許してしまう。クッソ可愛いなうちの旦那は。
「とりあえずまとめて黙らせたいから、リアムと僕の仲良し振りを見せつけに行こうか」
「う…?うん?」
あれ?なんの話だかわからない。勇者パーティは魔王って呼ばれてる碧海を討伐に来たんじゃないの?クソ王太子は捨てた人間兵器が惜しくなって取り戻しに来たんじゃねえの?
サイラス「相変わらずの鈍感力…」
シャーロット「殺気とかには敏感なんだけどね…?」
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