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「つまみはナッツ類」

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「でねでね!ハルフォードのおじさまはぜーったいに受けなのッ!!モテるのが煩わしくて仮面で隠すとか……萌える!!滾る!!ペロペロしたい!!ブラ×ルーは譲らないわ!!」

「ははあ…に行った時に見たハルフォード男爵の顔面はまあまあの美形でしたしねえ……けれど!!粗野な筋肉ダルマが綺麗め系美中年にアンアン言わせられるのもまた一興ではなくてぇッ!!??」

「グッ…!た…たしかに……!!ルー×ブラ……イイかも…!リバ!?リバなの二人は!!??」

「(アレを)差しつ差されつの殿方同士の友情……アハン…素敵っ!………あぁら、わたくしとしたことがぁ…涎が出てしまいましたわぁ…」


おい…なんの話をしている、お前ら……。

妹よ、お前の婿候補が青い顔してブルブル震えてるぞ?ナマモノ、ダメ、ゼッタイとか呟いて泣いてるぞ?ティティスと妹がっつーのは意外だったな…。まあ俺は偏見はないんだが、お前それで王太子から毛虫のように嫌われたの思い出せ。俺やウリエラ嬢みたいに笑って許す奴ばかりじゃないんだぞ?


「ふ…腐女子でもいい……拙者は…シャル殿が大好きでござる……(´;ω;`)ウッ」

「大丈夫よサイラス?サイラスのお相手は男体化した私で想像してあげる!パパみたいにムッキムキののテクと逸物に翻弄される王弟サイラス!ああ…可愛いよサイラス、もっと鳴いてごらん……(イケボ)」

「イヤアアアアアア!!普通に!ノーマルで想像してくだされエエエエエ!!」


夕飯後に唐突に始まった宴会はカオスだった。カミダナの御食(の食器)を下げようとしたら大量の酒が置いてあった。どうやら邪神からのお礼らしい。律儀だな邪神。

夕食後だったからつまみはナッツ類。甘いものがいいと抜かしやがった妹とティティスに、熟れた椰子の実の白いとこを削ってローストした奴を出したら大人しくなった。《地球》世界では『ココナッツチップス』とかいうらしい。


「お砂糖使ってないのにほんのり甘くて美容と健康に良いのよ!(ポリポリポリポリ)」

「んまぁ…果汁で割ったお酒に合いますわぁ~!(ポリポリポリポリ)」


食い過ぎたら美容に良くても肥るぞお前ら?



そして俺は何故かアオイさんの膝の上で酒を飲んでいる。



……うん、あのさ、色々とおかしくない!?なんで膝の上に座ってるわけ俺!?


「さあどうぞリアムくん」

「あっ、ども……じゃないですアオイさん!!なんで俺アオイさんの上に座ってるんですか!?」

「え?あったかくて良いでしょ?」

「そりゃあ夜はちょっと冷えますけど今夏です!冷えません!」

「ええ…冬まで待てないよ…」

「そういうんじゃなくて…!」


……俺がアオイさんの膝の上でジタバタやってると、妹とティティスがニタァ~…と嫌な笑顔で笑い、サイラスが青くなってギクシャクと目を逸らした。クッソ!アオイさんの腕外れねえ!魔王の腕力が半端ねえ!


「あらぁ?わたくし眠くなってきましたわぁ。お先に失礼しますわねぇ?」

「私も寝る~!お・や・す・み♡お兄ちゃん♡アオイちゃん♡ごゆっくりぃ~♡♡♡」

「せ…せせせ拙者も休むでござるよ!おやすみなさいでござるう~!!」


見捨てられた…!!


「じゃあリアムくん、2人でゆっくりお酒飲もうね」





クッ…!アオイさんのニコニコ顔がつらい!!絶対確信犯だろこの人!!










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※ハルフォード男爵のフルネームはルーファス・ハルフォードです。兄妹の父は平民なのでただのブライアンです。冒険者の時の二つ名は『剛拳』。







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