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「笑顔なのに怖いんだが!?」
しおりを挟むあまりの衝撃の事実にぼんやりしていたら、どうやら妹のティティスへの弟子入りが決まっていた。合格ポイントは「努力家」で「サクッと神々を見捨てた」事と、あと「顔」……らしい。元々《聖女》になる前から魔力はありありだったし、根性はある。無駄なことにこそ努力をするアホだ。神を見捨てたっていうか《聖女》の称号は押し付けられたようなもんだし「神はクソ」を公言していたクソ聖女だ。よく破門にならなかったと思う。あと顔は良い。うん、顔だけは。性格最悪だけど。
「ウサギくん、ウサギくん。明日、ロックを破壊してあげるから、それから考えたらいいよ?」
「………………っは!そ…そうですね。あまりのことに魂飛びかけてました…」
アオイさんが優しい…。妹なんかさっさと寝にいったのに。ちなみにロリコン殿下は外で毛布に包まって寝てる。
「アオイさん……あの…俺、め…雌……なんですかね………」
「えっ…?いや、そんなことはないと思うよ?ただ古代種っていういきものは結構特殊な生態をしてるけど…」
「…思い返すとですね……恋人いない歴23年告ってくるのは野郎ばっか。性的嫌がらせの上司はいつものことだったし、初恋は………」
「え…?性的嫌がらせ?……え?なに、それ?」
「えっ?」
「ん?」
「………え?」
え…?なに?アオイさんの笑顔がなんか怖っ!?
「う…ん、まあ……ちゃんとウサギくんは男性だよ。カッコいい男の子だ」
「男の子って……」
「ふふ…僕はウサギくんが子供の頃から見守ってきた『翡翠の瞳の精霊』だしね?」
うーん…子供扱いは仕方ないのか?だいぶ歳上だろうし。
「ところでウサギくん?さっきの『性的嫌がらせ』の上司の名前をメモしておくから教えてくれないかな?」
えっ…!?なんで!?アオイさんの顔が笑顔なのに怖いんだが!?
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