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偽神編

蕃神討滅 4

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「エイナル!目玉を攻撃しろ!ウォーレン、ジムはエイナルの護衛!一撃たりとも与えさせるな!守りきれ!!他は!!ポチタマ!来い!」

「「「「「「御意!!」」」」」」

「ニャァン!」

「ウォンッ!!」


エイナルはうちの騎士唯一の弓兵だ。馬鹿でかい弓に矢を最大4本番えて打ちまくる。ただあれだ。小型の 弩砲バリスタか?というほど大きな弓で、引く時には当然無防備になる。だから大楯を持ったウォーレンと片手剣と小型の盾を持ったジムが相性が良い。

ここからは流れ作業だ。エイナルが目玉を潰しまくり、残りが爪を攻撃。反撃に出る手はポチタマ俺が潰して回る。爪以外の再生能力は俺が見てきた偽神でもトップクラスだが攻撃力は打撃のみ。いける。このまま押し込めば……


「ぁ…あ、ああああああああああああああああああああああああ!!」

「…!?」


再び叫び声。訂正だ。この金切り声は耳と脳に悪い。


「なんなの……なんなのよっ、アンタら!!『武士』でもないくせに…っ!異世界の虫ケラのコピーのくせにッ」

「………っ退避!」


目玉も手も残り数本、といったところで一際大きな手が滅茶苦茶に暴れ始めた。


「なんなのよ!アンタたちを複製したのはアタシなのよ!?アタシはアンタたちの神様なのよ!それをそれをそれをそれをォォォオオオオオ!!!」

「知るかボケェ!!!」


不快な音を撒き散らす唇に4発ほどお見舞してやる。すぐに再生するのはわかっているが気分だ。


「もう…もうっ!!」

「……………は…?」


天井に穴が空いたダンスホール。そこに手を突っ込んで……なに…?なにを、して………


「…ひぃっ!!??やっ、やめろ!?」

「……えっ…え……ぁ…?」


偽神の手が、人間を、掴み出して


「………エルマー?」

「ち、ちち、うえ…?」


俺とウォーレンの呟きは同時だった。

えっ?ウォーレン、あれ父親?えっ?だいぶ違うくねぇか?母親似?あっ、そう……


俺とウォーレンのおしゃべりという名の現実逃避の合間にも二人はスナック菓子のようにぶら下げられ、巨大な青い舌の上に乗せ……いやいやいや、ちょっ…ま、待て!!??




バクン!



断末魔が響き渡る。






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