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偽神編
閑話・ごめんなさい
しおりを挟む(公爵家侍女視点)
「………ごめんなさい…」
ぽつりとお嬢様が呟きました。
手には手紙が握られており、それは私が公爵様の書斎から極秘に持ち出したものでした。
手紙を丁寧に畳み、封筒に仕舞い、お嬢様はそれを大切そうに抱きしめました。
「ごめんなさい…ごめんなさい……ごめっ…」
泣いていらっしゃいました。どんなに辛い修行でも涙を見せなかったお嬢様が。ハラハラと涙を流しておりました。
手紙は公爵様が留め置いた、お嬢様への手紙。
「わかっておりました。ええ…わかっていたのです。わたくし………でも……っ…」
しゃくりあげる嗚咽は痛々しく。
「…ゆめを、みてしまったのです……」
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