【完結】リオ・プレンダーガストはラスボスである

とうや

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学園編

盛大に惚気てみた

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「ティグレ」

「えっ…」


ダンスのターンをするように。ティグレの手を取ってくるりとティグレに背を預ける。まあホントは俺が背後からおんぶおばけする方が効果的なんだろうけど 立端タッパが足んねえ。ティグレの腕の中に収まるようにして手を取り、右手は俺の腹に誘導。左手はにぎにぎしながら婚約指輪を見せつけるようにした。「ひぇっ」とかいう悲鳴を無視して、逃げ惑うティグレの指を絡め取る。


「…ちょ……ちょっと…!リオ…!?」

「(黙ってろ)」

「……っ」


しっかし、こいつ手がデカいなぁ。剣ダコもペンダコもないけど、ちょっとカサカサの働き者の手だ。うむ、良し。スリスリと触ると「あっ」とか「んんっ」とかいうのも面白……う、うん、可愛くていい。


「こんなに有能で勤勉で万能で手先が器用で教養があって博識で気遣いができて勉強もできて、色男で背も高くて足も長くて顔も小さくてスタイルも良くて色合いも目に優しくて服もなんでも似合って、それでいて性格も良くて俺にだけ優しくて俺の事を俺以上に良く知ってて俺の事が大好きな奴なんだ。最高だろ?」


講義室の外に観客も出来始めてたし、盛大に惚気てみた。だって本当の事だろ?こんな超優良物件に傷を付けたり簡単に手放したりしねぇぞ俺は。


「そっ…そいつは庶子だろ!へっ…平民の!娼婦から生まれた下賤な血だ!!お前の父親が不貞をして生まれた罪の子だ!そんな汚れた男だ!高貴なる北方貴族と長い歴史のあるプレンダーガスト直系の血を引くお前には相応しくない!!」

「ティグレの両親は死んだ。とも縁は切れている。だから血筋がどうのって関係ねぇわ。男同士だし子供ができるわけでもねぇだろ」

「こっ…こど……こどこどこどこど、こど…も…!?」

「なに想像して赤くなってんだ気色のわりぃ。テメェらもそこのビッチとよろしくやってんだろうがよ?」

「………こ…こども…」


ティグレや、お前も釣られて赤くなってんじゃねぇ。顔は見えねぇが指先まで真っ赤だぞ?

……ふと、悪戯心で真っ赤になった指に接吻キスをひとつ。………あ、いかん。ティグレ青年がおっ勃てやがった。上着コートで隠れるからいいけど……若いねェ。







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