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学園編

親世代が優秀だからって子世代が優秀だとは限らない

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疫病学の講義室に乱入して来たのは5人。男子生徒は俺たちと同じ私服だから3年生、女子生徒は制服で1年生用の赤いリボンタイをしている。

あー…あああー……来ちまったかぁああ……

はぁあ、はーーーーああああああぁぁぁ……と溜息が漏れる。

強制力さん仕事しすぎじゃねぇッスか?

オロオロする疫病学講師。臨戦体制のティグレ。ただただ逃げ出したい俺。だってさあ…エロ基準の偽神戯だぞ?前世で一度巻き込まれたことがあるけど、そりゃもう酷い有様だった。リアルソドムと化した歪んだ磁場で、男も女も見境なく盛ってあっちでウフンこっちでアハンと正気を疑う光景。あの時は「一応つけて行け」と言われたファールカップのような貞操帯を神の道具だと思った。いやまじで。


「おい!なんとか言ったらどうなんだ!!」


無視したい。存在自体無かったことにしたい。眉間の皺を指で伸ばし、第一王子と愉快な仲間たちに向き直った。


「お久しぶりでございます、第一王子殿下」

「…………っ」


食らえ!美少年のおすまし笑顔!もう自覚はしている。曾祖母様譲りのこの顔、年々威力を増していて、微笑みを向けると大概の人間が金縛る。まじで呪い。


「只今よりキンバリー先生の講義が始まるのですが、後にしていただけますか?」

「 ーーー は!?お、おまっ……おまえ、私に対して」

「第一王子殿下の横暴には構わなくてよいと陛下から許可をいただいています」

「はぁあ!?!?」

「カルヴィン・ハクサム、ギャリー・グローヴズ、ゴドウィン・シャーロック。君たちの言動は後ほど抗議をさせていただこう」

「はあ!?かっ…格下が偉っそうに…!」

「そうです!名誉毀損です!!」

「………フッ」

「ええ~?じゃあジェシカはぁ?ジェシカ、リオ様と仲良くしたぁ~い」


俺の手に触ろうとした馬鹿女の手をティグレが掴む。


「あんっ♡」

「許可なく主人に触れようとしないで頂きたい」

「えー……もぉ!嫉妬はダメよ、ティグレ様ぁ♡ジェシカはみんなのジェシカなのぉ」



………あれぇ?通じてねえ…???




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