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学園編

メイク…ラブ!?

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「………らすぼす???」

「あ…えー、は乙女ゲームはご存知で?」

「いえ、まったく。子供時代は生死を彷徨う鍛錬を強いられ、中、高等部時代は強くなるために鍛錬漬けで、大人になってからは鍛錬で忙しく…」

「鍛錬しかしていませんね…」

「武家の男はそういうもんでしょう。ああ、第七特殊部隊に配属された時に『偽神戯イビル・ゲーム』の基礎知識としてライトノベルは一通り目を通しました」

「ええ、です。『めいじぇ』は大筋がライトノベルで、選択肢を選ぶ、もしくは戦闘などでパラメーターの点数が加算されていくものです」

「めい…じぇ?」

「『めいくらぶじぇしか~イケメン達とイケナイことしてたら世界を救っちゃいました⭐︎~』というゲームで……」

「………は?」

「え?だから『めいくらぶじぇしか~イケメン達とイケナイことしてたら世界を救っちゃいました⭐︎~』がタイトルのゲームです…が……」


なんだその頭が悪そうな題名は?!メイク…ラブ!?駄目だろう、それは。御婦人が人前で口にしちゃ駄目なやつぅ!

徐々に赤くなっていく王妃様と、きょとんとしている残りのオッサン爺さん。あー、これ、分かってない?異世界でメイクラブって言っても通じないから麻痺してたな?


「あ…ああー、話を戻そうか。『らすぼす』とかいう役所なんだな、俺は」

「は………はぃ…」


らすぼすとは『ラストボス』。つまり最後の敵で、黒幕的なものらしい。なんで俺が……と考えてみると、


「あ、なるほど。『リオ』の中に『東郷晶おれ』が入ったからか」

「そうです。『めいじぇ』のラスボス、『リオ・プレンダーガスト』は過酷な幼少期を送り、歪んだ思考を持つようになります。でもその……リオ様が東野様になって……あれ?東野様がリオ様になったのかしら?それで、その……」

「ああ、それはもう『原作崩壊』とかいう……」

「そう!そうなんです!!世界を滅ぼす魔王が今や勇者に……っ」

「……魔王…」

「あっ…」

「あっ」

「……」

「……………」

「……………………」


……あ、うん。『魔王それ』は伏せておきたかったのか。






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