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領地編2

誰だこの未成年に酒飲ませたの!

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新年会が始まった。

四公のすぐ後に陛下に挨拶に行き、マグレーディ改めケレス再開発の進捗をさらっと。あの土地は呪われた土地だということを陛下は知らなかったらしい。ま、実際には呪われてないし、曰く付きということも隣に立つ陰険宰相に情報を遮断されていたんだろうけど。今月中には地鎮祭を行った後で中央役場から建設を始める予定だ。

新年会の王族の座る席には披露目式や叙勲式では見なかった顔がある。二人の王子様だ。

ローレンス第一王子と、ヘンリー第二王子。


「第一王子殿下、第二王子殿下、ご尊顔を拝し恐悦至極にございます。リオ・プレンダーガストと申します」

「……………」


にっこりと接待用の笑顔で挨拶。しかし、第一王子殿下からはなんの言葉も掛けられない。食い入る様にこっち見てる。怖え!第一王子殿下がそんな感じだから、第二王子殿下は俺の挨拶に返すこともできない。ツンツンと肘で兄王子を突いているがフリーズ。ええ…緊張してんのかよ?


「……あ、兄上は、緊張…されているので…はは……はじめましてプレンダーガスト侯爵、僕はヘンリーとい……」

「其方!!」


ガツッと手を掴まれた。いやいや…掴まれない様にすることもできるんだけどね?第一王子の意図がわかんなi……


「私の妃になれ!!」

「…………はぁ???」


ちょっ……誰だこの未成年ガキに酒飲ませたの!酒の匂いはしねェけど真っ赤じゃねえか!?グイグイと顔を近付けて来る第一王子。テンパって猫の様に握られた両手を突っ張る俺。さらにテンパってオロオロする第二王子。これが町娘なら「あーれー、お戯れをー」みたいな感じか?残念!俺だ!ヘルプ陛下!助けろくださいラドォォォオオオオオ!!


「お戯れはそこまでに」

「………っ!?」


お…おお!ティグレがめっちゃ素早く第一王子の手を引き剥がしてくれた。あああー!やはり持つべきものは頼もしい侍従で兄!いや、もうすでに副官!ティグレがいないと生きていけねえ…生き残れねえ…!



ところでお孫ちゃん?「てぐれおー!」とか叫んでないでどうにかしようよ、お宅のお子さんさぁ…。







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