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領地編2
猫睛石のイヤーカフ
しおりを挟む新年会は夜から始まり、3日程夜通し行われるらしい。まあ去年までは『伯爵家当主』不在で『来る?来ないだろ?』っていうような確認の手紙だったからなあ。
ということで、早朝からメアリーばあちゃんのお使いに拉致され、またもや磨きに磨かれた。や、や…あの……男が着飾ったって…フリルとかリボンはやめて!レースも駄目だって!ばあちゃん!!
「護衛の皆さんもティグレもプレンダーガストブルーの衣装だと聞いていたので、リオちゃまもお揃いを、ばあばが準備しましたよ!……っまあ!素敵!誰か!絵師をここへ!!」
メアリーばあちゃん暴走中。絵師を、っつったのに、何故か女性使用人の数名が写生帳に書き殴っている。え…なに?画家の卵?いやいやいや、鼻血出てんぞ!?誰かぁあ!拭いてやってくれよ!
新年会の俺の服は、プレンダーガストブルーの、丈の長いタイトなタキシード。俺の髪に合わせてか、白に近い金糸で刺繍がしてある。襟元はシャボと呼ばれる真っ白のフリフリレース。当然拒否したんだが「今年だけ!来年はもっとお兄さんっぽくしましょうね?」と押し切られた。……チクショウ…!耳には 猫睛石風の新作ガラスのイヤーカフ。猫睛石ガラスを包むように白金の繊細な彫金を施し、見た目も実際にも重さを感じさせないようにしている。ピアスにしなかったのは、実はこれはいざという時に耳から毟り取ってぶん投げると結構な爆発が起こるように細工した。ピアスにすると耳がちぎれるんだよ。猫睛石ガラスを作った職人の姐さんと彫金師さんには「なんでそういう仕様にするかな!?」「甘さがカケラもないっ」と嘆かれた。……なんで???
ちなみに、メアリーばあちゃんは俺のイヤーカフとティグレのピアスを見て、「曾孫の顔が見れない…」としょんぼりしてた。だから、なんで!?
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