【完結】リオ・プレンダーガストはラスボスである

とうや

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領地編2

帰ってきたプレンダーガスト!

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領主おれが留守にしていた20日ほど。案の定、領民の一部が汚れていた。もう近付くだけでモワァン…と。悲鳴をあげた。ドラゴンも暗殺者も怖くないが物理汚染怖い!


だ  か  ら  あ  れ  ほ  ど  言  っ  た  の  に  …  !  !


汚れていない領民と騎士たちを総動員し、片っ端から公衆浴場に放り込んだ。「今日明日の入湯料は無料にするから全員風呂に入れ!入浴後の飲み物もタダだ!酒は禁止!!」と怒鳴り散らしたら、他の奴らも来て公衆浴場は芋洗い状態に混雑したそうだ。不潔、ダメ、絶対!!!


ここで元零番地区スラムの顔役ガイと騎士たちの顔合わせが出来た。うんうん、良い感じに仲良くなってる。エルマーは眉を顰めてガン無視だ。ウォーレンがガイに「すまん」と小さくジェスチャーすると、ガイは察してくれたらしい。うちの零番地区のまとめ役は優秀だなァ、おい。


エルマーはプレンダーガストに来てからは問題を起こしていない。俺と女性にだけは愛想がいい。女性たちからはなぜか塩対応されるから俺に来る。俺は面倒臭いから「ああ」とか「いや」とか適当に返す。そしたら調子付いてさらに近寄ってくる。めんっどくっせえええええ…と思って放置する。そしたらなぜかティグレが結構キッツイ感じで窘める。ティグレvsエルマー勃発。当然ながらみんなティグレの応援をする。うーん……なんなんだろうなあ、これ。リサなんか「坊っちゃまは無防備すぎです!」とかマジギレして俺が怒られた。……解せぬ…。

四面楚歌のプレンダーガストで、にこやかにエルマーの相手をしてやるのは娼館の娼婦達だけだ。娼館のご婦人達に「酷いことはされていないか、されたらすぐに対処するから」と言うと「あんなド下手クソ短小に感じてるふりがつらい」とみんなで大笑いしていた。や…その、なんだ……まだ12歳なんだ。ポークビッツなのは仕方がないじゃないか!やめろ…やめてやってくれ!とりあえず業突く婆に「あいつが問題を起こしたらすぐに連絡をくれ」と伝えておいた。


それからプレンダーガストの屋敷。この20日くらいでだいぶ出来上がっていた。魔法とか使うから早いらしい。すげえな異世界。すでにガラス工房兼寮は仕上がっていて、職人達の引っ越しも終わっていた。早速、次の商品の戦略会議だ。

問題はエルマー。またお前か、エルマー。

エルマーは何故か職人達には愛想が良かった。工房内にも入りたがった。けれどプレンダーガストガラス工房は部外者立ち入り禁止。職人達の口も誓約魔法でガッチガチに固い。

……はぁん?馬鹿な俺でもわかるぞ?だってエルマー、お前、毎日娼館通いする金どっから出てるんだ?そりゃ騎士たちも男だから、週二くらいで飲みに行けて、週一くらいは女を買える賃金は渡してるけどさあ?お前、貸し切って豪遊じゃん?………はーぁあ………。騎士団長スタンは拗らせてただけだったから矯正できたけど、あいつエルマーはなあ……。




悪友にしのみや仕込みの『馬鹿でもできる失敗なしのフィッシング!』始めるかぁ…。





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