【完結】リオ・プレンダーガストはラスボスである

とうや

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王都編

大勲位聖剣大綬章?

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半刻ほどで蜥蜴野郎 ーーー ファントムドラゴンとやらの討伐が終了した。プレンダーガスト王都屋敷警備の騎士たちも駆け付けてくれ、建物への被害も少なめで終わった。俺たちが駆けつける前に亡くなった非戦闘員や騎士はいたが、それ以降は場内に退避させ治癒に徹し、死者は最小限に抑えられた。

ドラゴンが王都に襲来し、王城をまっすぐに狙ってきた原因はわからず。……いや、ラドが『予言通り』とか言ってたから何か知ってるっぽいが…。うん、わからない!お子様リオくんは何も知らない!巻き込まれない!だってもうすぐプレンダーガストの田舎に帰るんだ!都会の問題は都会で解決してくれ!

ドラゴン襲来の翌日にはプレンダーガストに向けて出発する予定だったんだが……


「……は?叙勲式?」

「先程、御前会議で決定した。君と10人の護衛たちに『竜殺しドラゴンスレイヤー』の称号を。さらに君は大勲位聖剣大綬章を叙勲。そして護衛たちは改めて騎士爵を。君には正式に『伯爵』を継いでもらう」


おお…!やっと整ったのか。思ったより早かった。これで五月蝿い『親戚』もあしらえるようになる。


「大勲位聖剣大綬章?」

「わかりやすく言うと勇者に贈られるものだよ。これを受けることによって君のフェンリルやケットシーの所有に口を出されることはなくなるし、王族の御前でも武器帯刀を認められる。転移門の常時使用許可、同盟国への出入国許可証の免除、王都への関所の通過審査の免除、王城への登城申請の免除、国王への謁見申請の免除……まあ色々あるが、とても便利だ。貰っておきなさい」

「御意」


おお…特典盛り盛りか!

後で聞いたが、この世界の『龍種ドラゴン』はかなりの上位生物に入り、危険生物でもある。ふんふん、ドラゴンを斃せば『竜殺しドラゴンスレイヤー』の称号が与えられ、メインアタッカーには特典特大盛りの勲章が与えられる…と。こういうことだろ?ポチタマのことに何も言われなくなる…ってのはアレか?猫又と大犬はペットにしちゃダメだったわけかー…。あー、セバスが言ってたのはこれか。帰ったらあやまっとこう。それ以外は……まあ、なんというか、プレンダーガストいなかじゃあんまり恩恵がねえなあ…。

ま、一応貰っとくけどさ!











後で俺は、なんでこの勲章を本気で拒否しなかったのだろうと頭を掻き毟ることになる。





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