【完結】リオ・プレンダーガストはラスボスである

とうや

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王都編

閑話・希望か悪夢か

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(下級貴族視点)


目の前では悪夢のような光景が広がっていた。

城門から一直線に破壊され尽くした麗しの王都ボルデル。騎士たちの遺体や、生きているのが不思議なほど負傷者たちがひっきりなしに城内の庭に運ばれている。高貴な方々は城の奥へ退避したが、我々のような下級の者たちは庭や門にほど近い場所で震えている。

そして衛兵や騎士がその外を護り………


GUOHOOOOOOOOOOGYAAAAAAAAAAAUH!!!

GAAAAAA!!!


恐ろしいドラゴンと獣の咆哮。王都を襲ったドラゴンに相対しているのは、騎士団の鎧ではない鈍色の鎧を纏った10人の騎士たちと、純白の獣、その背に乗る小さな黒猫?そして……

ありえない速さで走る、小さな……子供…!?

手には黒い曲刀と魔道具らしきものを持ち、ドラゴンの体を駆け上がり、跳躍し、切り付ける。子供もドラゴンも、騎士も獣も血塗れだ。神技のように何度もドラゴンの同じ首の部分を切り付け、血を浴びながら ーーー 笑う。当然、ドラゴンも無抵抗ではない。暴れ、炎を吐き、噛み砕き、踏み潰そうと踠くが、その度に騎士から脚を切られ、翼を射られ、獣からいたるところを噛まれて悶絶する。

やがてドラゴンの首の傷は太い血の道に辿り着いたのか、耳を劈くような断末魔をあげてドラゴンが倒れる。全身を真っ赤に染め上げた子供が、ドラゴンの頭を踏み付け


討伐完了クリア


その漆黒の曲刀を、ドラゴンの眉間に深く深く、突き刺した。




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