【完結】リオ・プレンダーガストはラスボスである

とうや

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王都編

武家は龍種を狩って一人前

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来た時とは違う道を通り、執務室へ戻る。……なにやら騒がしいけど…んんー?


「!!陛下!殿下!至急退避願います!!」


んあ!?


「どうしました」

「ド…ドラゴン、です!!」

「な…!?」

「ドラゴン…!?」

「!」


ドラゴン!?ドラゴンってあれだ!ヒノモトでいう龍種。討伐対象!!


「狩っていいですか?」

「「「「は!?!?」」」」

「えっ…」

「え…」

「は…な、にを…!?」

「え?だって龍種でしょう?狩って…」

「は…?」

「「「「………………」」」」


あっれええええ???なに?狩っちゃ駄目なやつ?ヒノモトの武家じゃあ龍種狩ったら一人前、とか言うんだけどなあ?


「あ…え、えーと、あの、一対一サシじゃないですよ?ええ、ちゃんとみんなで協力!手柄、独り占め、よくない!ね?あとの試し斬りもしたいですし」

「ひとりじめ…」

「ためしぎり…」

「きょうりょく…」


黒い刀と短筒に手を掛けて見せると、ティグレが溜息を吐いた。


「リオ、何か手伝えることは?」

「うちの護衛騎士5人に援護の要請。非戦闘員の避難誘導。負傷者がいれば回収…かな?」

「わかった」


よし!今日も俺のティグレは優秀すぎる!


「状況の報告を」

「は…?……はっ!」


うん、さすが執務室まで入って来れる近衛騎士。切り替えが早い。陛下とラドの避難をさせに来た近衛騎士は姿勢を正した。

龍種ドラゴンは半刻ほど前に王都上空に現れ、城下を破壊しながらまっすぐに王城へ進行中。王国騎士団が応戦するが進撃は止まらず。


「げ…現在、純白のフェンリルと思しき神獣が交戦中!」

「うちの犬が?」

「い…いぬ…!?」

「真っ白なでかい犬だろ?うちのポチだ」

「……?……???…!?!?」

「タマ?どうなってる?無事か?」


トントン、と腕輪型魔道具を指で叩くと


「ごしゅじいいいいいん!!」


タマがシュパ!と現れてしがみついてきた。


「オイラずっと呼んでたニャ!どこ行ってたニャ!ニャニャー!うわきものぉ!」

「ははは、ごめんごめん。ちょっとご褒美もらいに、な?」

「!!ニャニャ!」


刀と短筒を見せると、タマはキラーンと目を輝かせた。


「良いものニャン!異界の神の匂いがするニャン!むむ!オイラが第一で犬が第二、ならが第三夫人ニャ!?」

「ふじん???ペットのことか?これは武器だから違うんじゃないかな?」

「うー?ニャ?違うニャァ?」


「ンンン!」


おっと、遊びすぎたか。ラドじょうしの咳払い怖ぇ!

タマを肩に乗せる。


「じゃあ、いっちょいきますか!」

「いきますニャァン!」



楽しい楽しい討伐開始だ!




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