【完結】リオ・プレンダーガストはラスボスである

とうや

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王都編

護衛が増えたよ

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エルマーの父親に強烈な嫌味を言うくらいのアクシデントはあったが、披露目式は恙無く終わった。アンチ俺な貴族たちはめちゃくちゃ遠回しに「ラドの愛人じゃないか」とか「ガラス産業や襲撃者撃退は他の大人の功績ではないのか」と言われたが、「それはラド殿下に対する侮辱ですか?」「確かに私1人ではなし得ませんでした。みなさんには感謝しております」と模範的に返しておいた。初日に俺がボコった騎士団長スタンと愉快な仲間たち含む騎士正装の一団にも挨拶に行くと、めちゃくちゃ騎士の最敬礼された。やめてやめてやめて、目立つから!この中の10名が、俺を王都まで護衛してくれた騎士たちだった。良かった、怪我は治ったんだな。


「これより我ら10名は、リオ・プレンダーガスト直属の騎士となります!」


……ファッツ???

この王都にいる間だけ護衛してくれるのかと思ったら、王宮騎士団やめてプレンダーガストについてくるらしい。彼らは下位貴族や騎士爵の四男五男あたりで、実力はあるが出世は見込めない。実家にも全く当てにされていないし、なんなら生まれたことさえ忘れられている。そういう境遇の者たちらしい。ますますよくわからない。なんでそんな感じなのに、王都の騎士とかいう花形職業辞めてド田舎プレンダーガストについてくるわけ?んで、なんでスタンと愉快な仲間たちはギリギリと歯軋りしながら「俺も実家さえなければ…」とか「家族を捨てるわけには…」、「田舎に行くなら別れるって言われた…」とか言いながら恨めしい目をしながら羨ましがっているわけ!?

そんなこんなで終わった披露目式。次の日からは屋敷に5人、俺に5人のローテーションで護衛に就いてもらうようになった。ティグレに2、3、確認しただけで非常にキビキビ動く。なにこの安定感。ちなみにエルマーは謹慎中。大幅に遅刻した挙句、酒の臭いをプンプンさせて大公邸に現れ、衛兵に拘束されたらしい。「迎えにこないのが悪い」とか、「リオおれが待ってる」とか抜かしやがったらしいが知るか阿呆が。小等部のガキかよ、まったく…。俺が王都を出発する時に護衛に加わると言うが、俺としては是非とも護衛は卒業してほしい。

しかしさぁ、『謹慎』ねえ…?

あのゲージ侯爵家のおっさんが如何にエルマーに甘いかがわかる。普通は再教育か二度と護衛任務には就かせない。軍なら一発降格または懲戒免職だ。









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