上 下
43 / 125
王都編

祖母ができた……らしい…

しおりを挟む


どうも。東郷晶とうごうあきら改め、リオ・プレンダーガストです。突然ですが『祖母』ができました。名前はメアリー。先王の ーーー 腹違いの妹らしいです…。

メアリーの母は平民で、先々代の王が踊り子に手を付けて生まれた。当時王太子だった先王は、それはもうメアリーを疎んじて虐めまくり、自分の妾の侍女にするという屈辱的なことを命じた。先々王も止めなかったそうだ。親子揃って普通にクズだな。だが先王の愛妾はメアリーをきちんと敬い、良い関係を築いた。そして第一子…つまり、ラドを妊娠した際に、未婚で出産経験がないにも関わらず乳母にした。王女と認められない王女であるメアリーの立場を少しでも良くするために。良い話だなぁ。なんでそんなまともな女性がクズの妾に…って思うけど、まあ王族相手じゃあな。

……でもさ?なあ?


もおおおおおお!どうしてこうなるかな!?


俺を孫認定したメアリーさんはウッキウキで「おばあちゃま♡と呼んでね?」と宣った。えええええ……


「ええっと……メアリー様  」

「『お ば あ ち ゃ ま』。はいっ、復っ唱♡」

「いやあの、メアリーさ…  」

「リオ?わたくしをおばあちゃまと呼ばないと…」

「……と…?」

「泣き喚きますわ。三日三晩泣き続けます。この年寄りの体力、保ちますかねぇ……」

「メ…メアリーおばあさま!」


ひい!高齢者の脅し、半端ねえ!!


「あら、すてき…(うっとり…) はい、もう一回」

「メアリーおばあさま!!」

「……ばあば、でも良いですわねぇ?もしくは、……おばあちゃん?」

「メアリーばあちゃん!」

「あら…!うふっ。よろしいですわ。わたくし、元気な孫も欲しかったんですの」


ウキウキのメアリーさん。いや、メアリーばあちゃん。……えー、ばあちゃんって呼ぶの?えー……


「付き合ってやってくれ。私も孝行になる」


いやいやいやいや……ちょっと待ってくれよ、ラドぉ…。王族だろ?王女様だろ?あ、ラドも王兄だったわチクショウ…。


「さぁさ、リオ。お披露目の衣装の微調整を致しましょう。……あら?髪と爪の手入れも必要ですわ。お肌もサラサラですけれど、もう少し艶々に致しましょうね。それにしてもまあ…リオちゃまは本当にヘスティア様に似ていらっしゃいますわ。これは磨き上げるのが楽しみですわぁ。ヘスティア様は女神のようにお美しく、わたくしのような者にもお優しく、わたくしの憧れの女性でしたのよ。ああ、本当に、その北方貴族特有の髪の色も瞳も生き写しで……」




このあとめちゃくちゃ磨かれた。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役側のモブになっても推しを拝みたい。【完結】

瑳来
BL
大学生でホストでオタクの如月杏樹はホストの仕事をした帰り道、自分のお客に刺されてしまう。 そして、気がついたら自分の夢中になっていたBLゲームのモブキャラになっていた! ……ま、推しを拝めるからいっか! てな感じで、ほのぼのと生きていこうと心に決めたのであった。 ウィル様のおまけにて完結致しました。 長い間お付き合い頂きありがとうございました! カクヨム、小説家になろうでも投稿しています。

【完結】狼獣人が俺を離してくれません。

福の島
BL
異世界転移ってほんとにあるんだなぁとしみじみ。 俺が異世界に来てから早2年、高校一年だった俺はもう3年に近い歳になってるし、ここに来てから魔法も使えるし、背も伸びた。 今はBランク冒険者としてがむしゃらに働いてたんだけど、 貯金が人生何周か全力で遊んで暮らせるレベルになったから東の獣の国に行くことにした。 …どうしよう…助けた元奴隷狼獣人が俺に懐いちまった… 訳あり執着狼獣人✖️異世界転移冒険者 NLカプ含む脇カプもあります。 人に近い獣人と獣に近い獣人が共存する世界です。 このお話の獣人は人に近い方の獣人です。 全体的にフワッとしています。

僕はただの平民なのに、やたら敵視されています

カシナシ
BL
僕はド田舎出身の定食屋の息子。貴族の学園に特待生枠で通っている。ちょっと光属性の魔法が使えるだけの平凡で善良な平民だ。 平民の肩身は狭いけれど、だんだん周りにも馴染んできた所。 真面目に勉強をしているだけなのに、何故か公爵令嬢に目をつけられてしまったようでーー?

侯爵令息は婚約者の王太子を弟に奪われました。

克全
BL
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

魔法学園の悪役令息ー替え玉を務めさせていただきます

オカメ颯記
BL
田舎の王国出身のランドルフ・コンラートは、小さいころに自分を養子に出した実家に呼び戻される。行方不明になった兄弟の身代わりとなって、魔道学園に通ってほしいというのだ。 魔法なんて全く使えない抗議したものの、丸め込まれたランドルフはデリン大公家の公子ローレンスとして学園に復学することになる。無口でおとなしいという触れ込みの兄弟は、学園では悪役令息としてわがままにふるまっていた。顔も名前も知らない知人たちに囲まれて、因縁をつけられたり、王族を殴り倒したり。同室の相棒には偽物であることをすぐに看破されてしまうし、どうやって学園生活をおくればいいのか。混乱の中で、何の情報もないまま、王子たちの勢力争いに巻き込まれていく。

【完結】お役御免?なら好きにしてやる!

オレンジペコ
BL
俺の名はランスロット=アルバーニ。 そして双子の姉の名はエヴァンジェリン。 見目麗しい姉はここ聖フィオナーレ国の聖女として有名なのだけど、本当はその聖なる力は双子の弟である俺のものだった。 この力が顕現した日から家族から『元々その力はエヴァンジェリンのものだ!さっさと返せ』と言われ、『それができないなら聖輝石に力を込めろ!』と罵られた。 両親と長男である兄もエヴァンジェリンに激甘だから、俺が何を言っても聞く耳を持ってくれない。 そんな中、言われた言葉は────。 「ランスロット。私、王子にプロポーズされたの。だからもう貴方に頼る必要はなくなるわ。喜びなさい。お役御免、お払い箱よ」 その言葉にあまりにも腹が立ったから王都のタウンハウスを飛び出して、幼馴染に愚痴を聞いてもらいに彼の領地へと向かったのだけど…。 「ランスロットはどこへ行ったのよ?!」 「どうなっている?!お前は聖女じゃなかったのか?!」 俺がいなくなって家族は大慌て。 どうやら王子にもバレた様子。 大変だな?頑張って。 これは隣国で溺愛されて幸せ生活を送る俺と、自業自得な目に合う家族の話。

俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします

椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう! こうして俺は逃亡することに決めた。

愛などもう求めない

白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。 「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」 「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」 目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。 本当に自分を愛してくれる人と生きたい。 ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。  ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。 最後まで読んでいただけると嬉しいです。

処理中です...