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王都編

閑話・愛を穿つ*

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美エロオッサン×髭ダンディオッサン。本人はいたって真面目にノリノリで書きましたが、読み返すとちょっとグロ系ギャグだという…。

針とかのピアッシングが無理な方も回れ右。





それでは、どーぞ。







**************************************





(国王エーブラハム視点)


本日の全ての公務が終わり、侍従を下がらせる。

今日は……色々なことがあった。ありすぎた…。3日前に王都入りを果たしたプレンダーガスト伯爵令息。兄上が後ろ盾になると言ったくらいだ。常人ではありえない。だがあんな規格外だなんて聞いてない!!

王都で暗躍する『昏暮の影』の暗殺者を皆殺しにし、騎士団長含む精鋭騎士たちを素手で殴り倒し……王妃と2人で昼食をとった。王妃は笑っていた。話も弾んでいた。そう聞いてカッとした。

兄上に気に入られ、王妃まで……。

リオ・プレンダーガスト。確かに美しい少年だ。『贈り人』である彼は、見た目通りの年齢ではない。彼の『贈りものギフト』が『魅了』であったなら……

感情に任せて叱責し、彼を二度と城に、王都に……いや、この国から追放しようとまで思った。けれど、それがいかに浅はかかを知った。全ては兄の仕込みで……なんのことはない。彼は巻き込まれただけなのだ。

まったくあの人は……いや、兄の行動はいつだって『私』。兄は私以外を、ご自身さえも『駒』だと思っていらっしゃる節がある。私が悪い……のか?あの場では動揺してろくに謝罪も出来なかったが、……ああ、いや。王族が頭を下げるなど…う、ううむ。威厳を保ちつつ、さらりと流すように、なにかに理由をつけて精一杯の謝罪をしよう。あんな子供に申し訳ないことをした…。



寝所に誰もいなくなって半刻ほど経つと、壁の模様に隠された精巧な扉が開き、最愛の兄が現れる。


「お疲れ様でしたねエイヴ」


ああ、月明かりの下の兄は美しい。兄と肌を合わせて随分と経つが、いまだにこの美しい兄が私のような厳つくて毛深い男を組み敷くのがよくわからない。もっと美しい男がいるだろうに。男らしい男が良ければ、騎士団の第一団長など逞しく筋肉もあり、さながら物語の王子のようではないか。リオ・プレンダーガストのような天使も裸足で逃げ出すような美少年でも良いのではないか?

けれど、兄は私が良いのだという。

嬉しくて、恥ずかしくて、不安で。今日も私は彼に私という供物を捧げて愛を乞う。


「今日はを付け合いましょうね?まずは私が、痛くないか試しましょう」


寝台の上。私の隣に座った兄は襟元を寛げ、私にその胸元を晒す。


「さあ、エイヴ。兄の胸に軟膏を塗りこんで………ふふ、そう、上手です……」


白い軟膏を兄の胸の突起に塗り込む。気持ちがいいのか、兄の目がとろりと潤んで私を見る。


「……反対の乳首を舐めて…そう、……っ…あ………」


硬く尖った兄の胸。片方で軟膏を執拗に塗りたくり、捏ね回し、反対側をまるで赤子のようにしゃぶり、吸い上げる。


「……もう、良いようですね…」


兄が自分の乳首の根元に太い針を当てて囁く。


「……貫いてください、エイヴ。私のをあなたに」

「……あっ……あに、うえ…!」

「……っ!」


どうしようもなく興奮していた。すでに私の陰茎ペニスは精をダラダラと流している。兄の胸に一筋の血が流れる。


「……ふー………ああ、良いですね。思ったほど痛くない。着けて…」


渡された『乳首用のピアス』は、私が購入した首飾りの『プレンダーガストレッド』よりもさらに美しいガラスが輝いていた。私という存在を兄に刻みつける。ああ、なんという背徳感…!私は夢中でもう片方も同じように穿ち、流れる血を夢中で舐め取った。


「今度は貴方ですよ?ほら、脱いで。……ああ、いけない子だ。私の乳首を貫いて気をやったんですね。いけませんよエイヴ。貴方の射精は私が「いい」と言わないと出してはいけません」

「ご…ごめんなさい…あに、うえ……」

「こんなに濡らして……ふふ…大きくて…ああ、また固くなっている…」

「あっ…あ、……ぁに、う…」


するりと軽く触れられて、私の陰茎は達したばかりだというのにもう天を突くほどに固くなっていた。

兄は私を横たえ、軟膏を塗る。両手で。両方の乳首に。


「お仕置きですよ?私が貴方にをつけてあげている間に、

「………ぅ……は、い…、あにうえ…」


痛いくらいに張り詰めている陰茎を擦る許可がもらえず。しかもを自分で解せと命じられる。ああ……

自ら腰を浮かし、体を折り曲げ、精液を塗りたくり指で尻をいじる。兄は隣に座り、私の乳首を捏ね回す。ずく…と針が胸を貫いた。


「……~~ぅあっ…!」

「ああ…可哀想に……可愛い…ああ、私のエイヴ…!貴方に血を流させたのは、痛みを与えたのはあの破瓜の夜以来ですね……ああ、やっぱり…!よく似合う…」


ずくく…


「ああっ…!!」


痛みはない。けれど、言いようのない、強い快楽に腰が跳ねた。兄の手にした針が前後するたびにピュッ、ピュッと白濁の精を飛ばしてしまう。

私のピアスは、細い鎖で繋がっていた。


「ああ…いい…!素敵ですよエイヴ……これはね、こう、して……」

「ひゃう…んっ!」


鎖を引っ張られると、私のどこから出たのかと思うほど媚びた声が出た。


「……さあ、私を迎え入れる準備はできたのですか、エイヴ?」

「あっ……あ…ん………ま、まっ…て、あに…うえ……」

「いやらしい子だ…こんなに物欲しそうにして…」

「……っ…ん…!……ぁ…」

くちゅくちゅと指を動かす。まだだ。浅い部分しか…それに……いつもの香油も…

腰を掴まれ、体を折り曲げられる。兄の、美しい顔に似合わないグロテスクでいやらしい逸物が私の尻に穿たれていく。


「……あっ!い!…ゔぁ………ぁ…?ああ!?」

「……どうです…?残った軟膏を私のペニスに塗ったんです。気持ちいいでしょう…?」

「ひぁっ!?あっ!あっ!あ!あ!やあっ……!らめっ…あっ!あああ…!」


いつもは最初にゆっくりと慣らしてくださるのに。

兄はまるで、の時のように私を貪った。前から。後ろから。横から。馬乗りで。お互いの体液に塗れ、お互いを貪り尽くした。

リオ・プレンダーガストに感じた嫉妬など、もうどうでも良かった。自惚れではない。兄は私の体に溺れている。

もう若くなく、筋肉もあり、毛深くて、肌も黒い…。腹も少し出てきた…。でも、兄は……


「…っ……あ、…ふ………あはっ…可愛い、可愛い…私の、エイヴ…!ああ、すごい…!まだこんなに締め付けてくる…!」


私の中に愛が穿たれる。兄の愛は、決して清くも優しくもなく、酷く歪んでいる。美しくて、愛おしくて、可哀想な兄上。





「愛していますよ、私のエーブラハム。可愛い、可愛い。可哀想な私の弟」









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