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王都編

俺をプレイに巻き込まないでくれ!

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ちょっと待ってくれ。ラドと陛下はズッポリホモセック……ンン!その、同衾してるわけだろ?踊り子か奴隷女のように、素肌に装飾品をつけてそういうプレイしちゃう仲だろ?プレンダーガストレッドの首飾りに興奮して朝までヤッたって言ってたじゃねえか!?

それが何で王妃様???

チラリとラドを見る。さあどうぞ、と笑みを深くされて頭を抱えた。

これって完全にプレイの一環だろ!?


俺を!恋の!スパイスにするんじゃねえよ!!


「兄とわかり合ったように目で語るのはやめろ!」


あー……あー、そういう?


「えー、陛下、僭越ながら申し上げますと……」

「言葉を飾るな!!言い訳も要らぬ!!私は其方などに騙されぬ!!!」

「……はあ?」


カチンときた。なにこれ、子供?12歳のリオ少年より子供なの!?一国の主人が!?苛々が頂点に達して、威圧がちょっと出た。舌打ちは我慢した。誰か褒めろ。


「……っ」

「少々…言葉が荒れますが、構いませんね?」

「ふふふ……に代わって許すよ」


ハイ!言質取りましたぁ!!


「王妃様は、同じヒノモトからの『贈り人』として昼食に誘われました。本当に俺がヒノモト人か、何か目的を持って近付いたのではないか、と試されましたが問題なかったようです。あと、多分報告がいったのでしょうが、王妃様の前世は、俺の前世の上司の孫娘だったようで親交があり、話が盛り上がっただけです。あの場には使用人たちがおり、護衛がおり、そして隠密かげがおりました。2人などありえません。陛下が勘繰るはございませんでした」

「…………」

「続けなさい」


黙り込む陛下。ラドが先を促す。


「あと、ラドは……あー、ラド殿下は面白がっているだけですよ。俺に屋敷を与え、愛称で呼ばせ、護衛をつけたり聖女を呼んだり至れり尽くせり。そうやって俺に構って陛下の反応を見て楽しんでいるんです。陛下、はっきり言いますが、貴方の兄は変態ですよ?俺と初めて会った時も、自分の好みは若くなく、肌は浅黒く毛深くて……と盛大に惚気てくださいました。あと、我がプレンダーガストの真紅のガラスのネックレスを纏った貴方と朝まで楽しんだと色々と惚気t   」

「んぶわあああああ!!あっ…兄上ッ!?あ、あ、あああ貴方は!こんな子供になにを聞かせているのだっ!?」

「ふふふ……良いではありませんか?濡れ場を直接見せたわけではないでしょう?」


見たくねええええええぇぇぇええええ!!


「陛下、この変態が私に依頼したものを今、献上しましょう」


腕輪の魔道具を叩く。


「タマー?俺の部屋の箱……ああ、うんそう。前に呪いかけてもらった箱。アレと火酒の瓶持ってきてくれるか?」

『はいニャン♡』


シュパっと現れるタマ。もー!マジ優秀!


「ご主人!ここ、お茶もお菓子もないニャ!おもてなしがなってないニャア!オイラはまだ遊んでる途中ニャから帰るニャン」

「おー、さんきゅさんきゅー!帰ったらティグレの飯を一緒に食おうなー」

「早く帰ってきてニャ♡(すりすり)」


来た時同様、シュッと消えていくタマ。ポカンと口を開ける陛下と苦笑いのラド。ティグレは頭を抱えている。あれ…?やらかした?……ま、いっか!


黒い箱に真紅のリボン。呪い解除の言葉ワードはリボンを解きながら


「お待たせいたしました、王兄殿下。『ご依頼の品でございます』」


箱を開け、中身を見せる。





「プレンダーガストレッドのガラスで作った、揃いの乳首用ピアスです」






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