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王都編

御前試合

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引きずられて行った演習場はもうすっかり日暮だった。松明の光が眩しい。銀ピカの鎧の騎士8人と、さっきの赤鎧はすでにスタンバイしていた。


「木剣でいいですね?」

「………ぁぃ…」

おやりなさい。神殿から聖女を借りてきています。祈れば四肢欠損まで治癒が可能です」

「………はぁ…」


マジか…聖女って借りれるのか…。


「マジで怪我させますが良いですね?あと…あの赤鎧は泣かします」

「………くふっ!良いですよ。思う存分食い散らかしなさい」


ラドに渡された木剣を握る。なんだか慌てた様子で赤鎧が叫んだ。


「……っ!待て!こちらの訓練用を使ってもらおう!?」


うーわー……ラドが不正するって言っちゃたよ!でもさあ?赤鎧のオッサン?この木剣、入ってるね?銀ピカ騎士のオッサン兄ちゃんたちもニヤニヤ笑ってたり、気の毒そうに眉をハの字にしてたり……でも止めねえのな?まあ軍で上官に逆らうっつーのは致命的だが、こんな子供にさあ……はぁ…。

……まあいいけど。マジで泣かす!全員泣かす!ヒノモト国軍第七大隊名物、無制限無手乱取りの始まりだ!

受け取った木剣で一度だけ素振りして……


「…ふんッ!!」


膝で叩き折った。


「!!??!!??」

「いらねーよ、こんな武器エモノ。腐り切ったオメェらなんか、秒で潰してやらぁ」
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