【完結】リオ・プレンダーガストはラスボスである

とうや

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領地編1

王兄殿下はエロくて変態だった

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さて、やんごとなき御仁との会合日。約束通り、時間ぴったりにその御方はやってきた。


モンサロ王国王兄殿下であり、宰相でもあるラドルファス・ウーノ・モンサロ大公。艶やかな黒髪を肩口でゆるく結び、なんとも気怠げな色気を持った御方だ。決して若くはない。だが若者には出せないエロさがある。

ナンバーワンの娼婦が耐熱ガラスのティーカップに紅茶を注ぎ、侍る気満々で隣に座ろうとしたが


「人払いを」


あっ。ですよねー?

ティグレもだいぶ渋ったが部屋の外で待機してもらうことにした。


「さて、プレンダーガスト

「まだ伯爵ではないのです。爵位を継げるのは18歳からでしょう?」

「君が望むなら引き下げよう」

「………」


あっ、ダメだこれ。多分逆らえないやつ。


「……何をお望みで?」

「ふ…話が早い。時間は黄金より貴重だからね」

「まあまさか私、ではありませんね。貴方の目には熱がない。金貨でもない。ましてや新しいガラス製品でもない。貴方が興味深そうにしたのは私の侍従のピアスだ」

「ふっ…クク……ああ、良いね!良いよ、最高だよ、君!子供には興味がないんだがいやはや……君なら楽しめそうだ」

「ご冗談を」


ラドルファス殿下は笑う。


「安心しなさい。私の好みは君とは真逆 ーーー つまり、ゴツくて若くなく、髭や体毛の濃い男だ」


お、おう……そりゃ天使のようなリオくんも範囲外。前世の俺も若くねえってのと性別以外掠ってもねえなあ…。


「最近弛んできた腹も愛おしい。ああ、額の生え際も後退してきたと悩んでいたな」


えっ…なにこの特殊な惚気……。


「最近売り出し始めたプレンダーガストレッドの宝飾品。あれでね、私の愛しい人を飾りたいんだ。あの赤は素晴らしい。彼を一糸纏わぬ生まれたままの姿にして、プレンダーガストレッドの首飾りだけを纏わせて肌を合わせた時は、年甲斐もなく彼も私も朝までイキっぱなしだったよ」


へへへへ…変態!!へんたいだあああああ!!12歳の子供に何聞かせてるんだよお!?





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