【完結】リオ・プレンダーガストはラスボスである

とうや

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領地編1

やんごとなき御仁からの先触れ

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厄介な『親戚』連中は、追い返しても追い返してもやってくる。母の従姉妹とかその又従姉妹……の結婚相手の弟の従兄弟…とか。もうすでに血が繋がっているんだかどうなんだかわからない親戚まで沸いてくる。しかも大体アポ無しで。まあ先触れしたって余程じゃないと「忙しい」で一蹴するし。舐められてるんだろうな。まあ仕方ない。リオくんはあどけない美少年だ。虫も殺さないような優しげな顔は、傾国とまで言われた曽祖母に似ているらしい。中身は『鬼中将』とまで言われた俺だけど。

そろそろ後ろ盾が欲しい。できれば変態は避けたいが、背に腹はかえられん。

そう思っていると、驚愕の御仁から先触れがあった。……いやいやいや、やんわりとお断りしたよ?だって屋敷は工事中だし、貴族が満足できるような宿もない。唯一豪華っぽいのはプレンダーガスト領で2軒しかない妓楼だよねー?何重にもオブラートで包むように言葉を選び、そう書いたお手紙を使者に渡すと「では妓楼で良い」とのこと……

いやいやいやいや!やんごとなき方が行く場所じゃないから!ダメだから!!

けれどそのやんごとなき御方、「たまには野の花も良いだろう」と…。


さあ大変だ!俺はその御仁の好みも知らない。悩んだ挙句に男も女も扱っている妓楼にした。2年前、ティグレを引き取った時に盤を売ってくれた見世だ。 業突ごうつく婆はたっぷり5分は腰を抜かしたが、部屋はプレンダーガストガラスで飾り立ててやるし、使用後は備品を返さなくて良いと言うと俄然やる気になった。銭ゲバ婆ぁ…!

かくして妓楼ブルーナの応接室は、花瓶から食器、洋燈にテーブルに至るまで、最新未発表のプレンダーガストガラスを惜しげもなく使って飾り立てられた。耐熱ガラスとかステンドグラスランプはまだ出す気はなかったんだがなあ…。







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