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発覚正座説教のトリプルコンボとちょっと拗ねてた俺
しおりを挟む血塗れ肉片まみれの食堂で正座させられた。千早も正座したらなんでか紅葉さんも正座したけどお説教からは逃げられなかった。
曰く、《龍人族》の中でも《聖龍》っていう種族はダントツに弱いらしい。ゲームでいうとHPと防御力と素早さが7支族中最低ランク。あー、だから最初にお義父さんが俺のこと「一番貧弱で脆い…」とか言ってたんだ。お父さんがムッキムキだったのは少しでも鍛えて体力の底上げをしようっていう感じだったらしい。そのよわよわの俺が千早の遊びに加わるとか自殺行為なんだそうだ。ええ~…。
「……大丈夫だって…ユキは俺が守るし…」
「そういうことではありません。しかも心優しいユキ様に残虐行為を1時間も見せるなど……嫌われても知りませんよ」
「えっ…」
「えっ?」
ギギギ…と機械が軋むみたいにこっちを見る千早。えっ、なに?どうしたの?
「ユ…ユキ……いや、だった…か?」
「え?ううん、嫌じゃないよ。千早が守ってくれるのわかってたから怖くなかったし」
ホッと息を吐く千早。
「でもねえ…ちょっとつまんなかった」
「えっ!?」
えっ。そんなに驚くの千早!?
「首が飛ぶのもお肉が飛ぶのもあんまり「おもしろーい!」って思えなかったし、治癒と蘇生しまくりなのも眠たくなっちゃった…」
「そ…そんな……」
「千早が楽しそうにしてるのは嬉しかったけど、千早ってば拓哉ばっかり見て俺の方見てくれないんだもん。ちょっとだけ寂しいしつまんないしヤだったよ?ちょっとだけどね?」
「ユキ…!」
千早が俺をギュウって抱きしめてくれる。えへへ…千早の匂いだ。これだけでテンションあがっちゃう俺ってチョロい。
「ごめん、ユキ!」
「うん、許しちゃう。あ、でも『遊び』?、やめなくても良いからね?俺、安全なとこでお菓子でも食べながら待ってるから。たくさん遊んで、その後でいっぱい俺に構ってね?」
「わかった!ありがとうユキ!愛してる!」
「えへへ…俺も愛してるよ~」
趣味が合わなくても仲良しの夫婦だっているよね?無理矢理付き合わせようとしない千早ってマジスパダリ!
紅葉「ユキ様が日に日にズレていってらっしゃる…」
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