【7人の魔王4】転生したら最弱の村人で、拉致監禁暴行のフルコンボからの略奪婚(物理)されました。

【大鬼の妻視点】

眩しい……

瞼を閉じていても指すような光に顔を顰める。ゆっくりと目を開けると、一面の白。


「ああ、目が覚めましたね」


赤銅色の肌に銀灰色の髪の男。……私の『夫』の同族だろう。ああ、それにしても眩しい。ぐるりと見回すと、夫と真っ白な髪と真っ赤な瞳めをした女もいた。女は真っ黒な服で顔以外の肌を隠し、震えがくるような美貌に優しげな笑みを浮かべている。


「これが縊鬼いつきくんの奥さんですかあ。中々の美人さんですねえ」

「…は……いや、えっと…はい……」


なんなの…どういう……状況なの…？………まさか…


「随分とまあ、舐めた真似をしてくれましたね、アヴラヘイムのマイラ」


ぎくり、と体が強張る。


「な…に？な…な、なんなの？イツキ、これはなに？マイラ？アタシはマインよ？」

「へえ？『マイラ』が人の名前だってわかるんですね？」

「……っ！」


まずい。


「縊鬼の話から製図した地図は役に立ちましたか？」

「……………」

「あれですね？食堂から上は出鱈目ですよ？製図してて違和感は感じませんでした？」

「………っ！！」

「……ふふっ…縊鬼が思ったより賢くて驚きました」


これは、もう……駄目だ…！


「イ…イツキ…！！…イツキ！ごめんなさい！私…わたし、脅されて……！」



「脅されたから、オレを裏切ったの？」



………っ！？

夫の……イツキの、今まで見たこともない、表情かお ーーー 。


「なあマイン？オレたちの最初の子供は、雄おとこで、ニンゲンだな？」

「え……？…あ……ええ、そうよ？サミーは…貴方の、こ…子供…だけど………私に似たのね？」

「…………」

「……イツキ…？」

「………腹の、子…は……」

「え…え、ええ……あなたの子よ？」

「……………」


夫であったバケモノは黙り込んでしまった。……え…？何故？どうして！？


「大鬼の子は、雄しか生まれないのですよ」



………………………え…………



「正確には、雄は大鬼、雌は母親由来の他種族で産まれます」


ま…待って………え………………


「んー…えー、じゃあ、お腹を捌いてみましょう」


白髪赤眼女が言った。嬉しそうに。


え……え…………な、なに…？なん、の……は、はなし…？













「あなたのお腹の子供が雄で大鬼なら正解です。雌で人間ならセーフ。雄で他種族なら……残念ですねえ」