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夜の記憶と千早の匂い
しおりを挟む千早の嫁になって1ヶ月くらい経った。
千早とイチャイチャしてご飯作っておしゃべりして寝る。それの繰り返しだけど超幸せだ。
幸せ ーーー なんだけど……。
俺は夢見が悪い。
夜中に何度も、村が焼ける夢を見て。泣いて喚いて、気が付いたら千早が抱きしめてくれてる。もうホント申し訳ない。昼間はテンション上げて誤魔化してるんだけど、なんか千早が俺をぎゅうぎゅう抱きしめてくる。夜はダメ。あの恐怖を思い出すから。
「……ユキ、村に帰りたいカ?」
だいぶ発音が戻ってきたらしい千早が訊く。帰れないのはわかってる。あんなに燃えてた。みんな血塗れで倒れてた。神官様も……
「帰らないよ?ここが俺の家だもん…」
千早に抱きしめられて、千早の匂いを肺いっぱい吸い込んでも涙が止まらない。
「あー……くソッ!可愛い!泣いてテもユキは可愛い…!!よし、村を作ロう」
えっ…なんの話!?
「ユキ。ユキの話をしよウ」
んんん!?いつもながら千早の言葉は難しい。
「ユキの言うシンカンサマは生きていル」
………はい?
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