【7人の魔王4】転生したら最弱の村人で、拉致監禁暴行のフルコンボからの略奪婚(物理)されました。

ダンジョンマスターとお供えもの

「かれぇ、美味しかった！見た目はちょっとアレだけど許す！」


どうやら許されちゃったらしい。どういうこと？


「仕方がないね、あのダンジョンのものはうちの子たちの領地内でなら存在してよし！美味しいは正義だもん！あと千早くんの嫁はちゃんと最後まで面倒見なさい」


えっ…ダンジョンってペットみたいな扱いなの！？


「システムに組み込んであげるから、ご飯作ったら僕にお供えしてね！」


えっ…お供え？何を組み込むの！？どうなってるの！？


「無闇矢鱈に《地球》の食材を増やすのはやめて欲しいけど、まあ加工品じゃなければいいよ。かれぇるぅは許すけどね！」

「えー…？と？……千早？どういうこと？」

「ァあ、ダンジょンはゆキが管理シテいいらしイ。やったナ、ゆキ、ダンじョンマすター就任ダ」

「ダンジョンマスター？？？」


よくわかんないけど、ダンジョンマスターってやつになった。


「うーん…千早くんの嫁はちょっと理解力が足りないのかな？要するに、あのダンジョンで加工品以外は好きに発生させていいし、美味しいものを作ったら僕にも食べさせてね？って話」

「あっ、はい！頑張ってご飯作ります！」

「うんうん、よしよし。千早くん、君の嫁は可愛さ極振りで賢さがイマイチだね」


俺の頭をヨシヨシって撫でて、お義兄さんは煙のように消えていった。


「兄キもゆキを気に入ッたみたいダな」


ニコニコしながら千早が俺に頬擦りする。千早が嬉しそうにしてると俺も嬉しい。紅葉さんや羅刹さんはどっと疲れたみたいにしてたけど。


「ユキ様……御方さまは……『僕』様はいと尊き御方々の中でも恐ろしいお方です……気に入らないものは《カルマ》ごと魂を砕くお方ですから……」

「？　でも優しいよ？殴らないし、撫でてくれたし。ダンジョンもくれた？し」

「ユきノ『優しイ』の基準ががばガばすギ……」

「「「「ユキ様が大物すぎる…！」」」」


えっ？そう？


「えーと、えー……ご飯！カレー食べよう？」

「ソウだナ、食べヨう」


……と言ってもご飯はもう少ししか残ってない。千早ともう一回お野菜ダンジョンに行ってパンの木のパンを捥いできた。柔らかい！しかもほんのりあったかくて良い匂いがする！

アーンし合いながら半分こしたカレーライスはすごく美味しかった。何故かみんなが俺たちを拝んだりジタバタしてたりしたけど、お義兄さんの言うように『美味しいは正義』だと思う！