【7人の魔王1】転生したら悪役令嬢の父だったらしい

プロポーズらしい

「ユス！結婚しよう！」

「！！？？」


オッサン、プロポーズされました。前世今世合わせて初プロポーズです。しかも相手はこんなに可愛い天使です。一生分の運を使い果たした気がする。


「アキ？」

「そうだよ！結婚してないから虫が湧くんだよ！！ね？ユス、結婚しよ？宝物殿に綺麗な指輪いっぱいあるよ？あっ、それとも新しく作る？そうだよね！既製品は嫌だよね？うんそうだ！作ろ！ユスに似合う色のおっきな原石買おう！！魔石で作ったらマジックアイテムになるよね！魔石ならモールドレでも掘ってるから……」

「落ち着けアキ…」


アキが暴走した。涙目でうるうるしてるアキは非常に可愛らしいが、可愛くても『魔王』。《名状しがたきもの》の息子だ。不気味に響く地震(？)が怖い。


「だって……ユスぅ…」

「大丈夫だって。盗られない。な？俺が好きなのはアキだけだ」

「………ん…」


よーし、落ち着いた！


「結婚しても虫は湧くッスよ？ウチのカミさんなんて大変なんッスから」


ナナジィィイイイイ！！いらんこと言うなアアアアアアアア！！！


「そ…そんな……！…やっぱりダメ！！結婚して！ユスをおれ色に染め上げないと安心できない！！」

「落ち着けアキ！！」


『おれ色』ってなにアキ！？待ってどさくさに紛れてアキが俺の鎖骨に噛みついたんですけどぉ！？

アキの身長、ただいま俺の鼻のとこにつむじがくる感じ。大きく育ったなあ……って待て待て待て待て噛むな！吸うな！ちょ……！！


「……っ！わかった！！結婚しよう、アキ！」

「……うん…！！」






45歳オッサン、結婚するそうです。(遠い目)