【7人の魔王1】転生したら悪役令嬢の父だったらしい

専属奴隷からのスタートらしい

ぐずぐず洟を啜りながらも天使ちゃんはオムレツを完食。部屋の隅で悪い顔色をさらに悪くしながら料理長が打ちひしがれていた。つか、蹲って泣いてた。えっ、どうなってんのこれ。

悪魔みたいな性格の、女神みたいに麗しい幹部がニコニコ笑って


「飼いましょう」


と天使に言った。こっくり頷く天使可愛すぎ。尊死しそう…。


「暁様、初めてのペットですが、ちゃんと躾けるんですよ？」

「……うん」

「まず名前をつけましょうか。ポチとかクズとかゴミとか」

「ん…」


おいおいおいおいおい。ポチはまだいい。クズとゴミはよせ。


「………ゆす…てぃ、あ？ばる、えね………」

「……！」


おおう…。天使ちゃんスキルも魔法陣も発動させずにステータス鑑定できるの？やはり天使！


「…………………長い…」

「じゃあクズで」


幹部のクズ推し酷え！


「ううん、……ユス。ユス、で良いよね？」

「お好きにお呼びください」


パキン…と何かが割れた音がした。


「誓約は成った！」


幹部が高らかに宣言する。


「エネシアの王弟ユスティア・ヴァル・エネシア・ヴェルミアは、今日これより偽りの神の輪廻を外れ《名状しがたきもの》の配下へと至った！ユスティア・ヴァル・エネシア・ヴェルミアは死に、我らが同胞『ユス』の誕生だ！我が主人であり最愛の尊き御方おんかた暁様に、その血の最後の一雫まで捧げよ！！」


えっ…？？？


「「「「「「「捧げよ！捧げよ！捧げよ！捧げよ！！」」」」」」





ウオオオオオオォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオ………！！！








どういうこと！！？？