【7人の魔王1】転生したら悪役令嬢の父だったらしい

【暁視点】空からアレが降ってきた

某年某月某日、晴れ。雲も太陽も見えないけど、雨が降ってないならきっと晴れ。

《地球》のアニメにさ？「親方！空から女の子が！」とかいう名シーンあったよね。いや、俺的には名シーンとか思わなかったけど。空から降ってくるってなに？明らかにヤベエだろ！？よく触れるねあんなの。

え？何が言いたいかって？

今さあ……空から降ってきたんだよ。何が？って？もちろん女の子とかじゃない。


馬車だよ。


えっ…まじで？また捨てやがったよ、地上のゴミクズども。

セーフティネットがわりに張った蜘蛛の巣に引っかかった馬車は見事に大破。まああれだ。すっげえ地下だからね、ここ。

ガッシャ！とか、すんげえ音したの。

んで、その馬車から。

ポロッと落ちてきたんだよ。血塗れの死体が。うわーこえー。

すぐにニィヤが確認に行ってくれたけど。


「暁あきらサマー？生きてるぞー、コレ」


………は？マジで？


「えっ。ヤダ。ばっちい。捨てて！てかニィヤ、そんなの触るなよ！」

「いやいや、なかなか良いんじゃねえ？暁サマ、好きだろこういうキラキラしたやつ」

「えー…宝石とかは好きだけどさあ……」


俺を抱き抱えてくれてるイチがそっちに歩き出す。えっ、ヤダヤダ強制イベントかよおおおおおおお！？


血塗れの死体……じゃなくて、瀕死の人間。

綺麗な金髪。着ているものはパッと見、高級品。血塗れの顔は……


「………………」


うん、悪くない。っていうか、コレ絶対美形だ。オッサンだけど。


「うーん…とりあえず手当てして」

「おや、お気に召しましたか？」


イチがニコニコ笑った。







「まさか。生き残ったら地上に売り飛ばして。男娼館なら多少はお金になるんじゃない？」