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レーヴァンシュタインの『ストーリー』
しおりを挟むレーヴァンシュタイン王国はアレクシス前王が退位し、暫定的に王位継承権第二位のロゼマリアが女王になった。ロゼマリアの息子シャルルが18歳で戴冠するまでの女王だ。
ルーカスとアレクシスが魔王国に隠居してすぐに異変は起こる。12歳のシャルル王太子が辺境伯家令嬢との婚約を一方的に破棄。女王であるロゼマリアはアレクシス前王の王命に逆らったとして廃嫡を視野に入れたが、王配でありロゼマリアの夫のトビアスがシャルルを擁護。ここから王太子派閥の暴走が始まった。
婚約を破棄された辺境伯家は王家から離反。隣国に吸収された。
事態を重くみた議会は何故か責任をロゼマリア女王に突きつけた。ロゼマリアの実家カーディナル公爵家までもが女王の統治能力を疑問視した。
そして僅か12歳のシャルルに王位を譲り、聖なる乙女クララを王妃に、と ーーー 。
「それでも踏ん張って参りました。お義母様に…ルーカスに託されたこの国を潰してなるものか、と。革命組織の動きもきな臭くなってきたタイミングだったから。でも……でもですね………アヴァロン魔王領に発つ前日……見てしまいました。トビアスが…聖女クララと……それどころか、息子やその側近候補まで聖女クララと乱行していました。護衛や侍女たちも獣のように交わっておりました」
ウワアきっつ!旦那と息子が毛も生えてないような少女とセックスしてたのか…。
「そっかー、『くらくら♡クララの恋模様』が成人向けになるとこうなるのかー…と……」
遠い目をする女王陛下。
「ストーリーは女王が死んで、シャルル王太子がクララに出会う16歳から始まるはずなのに。わたくしが『悪役令嬢』を放棄したからいけなかったのか、女王になることが間違いだったのか……」
「……俺のせいだ…」
ルーカスが溜息を吐いた。
「アレクが退位したら大体こうなるってわかってた。民主化運動が始まって早かれ遅かれ王家は形骸化していくだろうと。それでもトビアスを信じていた…信じて…いた、俺が馬鹿だった…!!」
「……ルーカス…ごめんなさい、ルーカス…!違うの、貴方のせいじゃないの……ちがう、ちがう…のぉ…!!」
王配のトビアスはルーカスの友人だったらしい。抱き合ってギャン泣きする義理の母娘。聞けばこの2人、実は腹違いの兄妹らしい。複雑な家庭環境だな。そして2人のお通夜な空気に割って入れない旦那。
「よおし、わかった!ロゼマリア、貴女を歓迎しよう!ただし、ロゼマリア・C・レーヴァンシュタイン女王陛下は死んでもらう」
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