【７人の魔王 終】白の恋と、黒の愛

謁見 1

記念すべき最初の謁見とやらが始まった。

俺や一条、栢木、ドワーフたちは漆黒の軍服みたいな服。シロとレイブンたちは純白の同じデザインの服だ。俺とシロの服が一番ごっつい。飾りもジャラジャラついてるし、マントみたいなロングコートのオマケまでついてる。。


「御方々様がお選びになった古式ゆかしきお召し物にございます」


この軍服が！？


「花婿は黒、花嫁は白と決まっておりますが、凛様と椿様は……その、どちらか私どもなどが口にしてはならぬ事と愚考いたしまして…」


はっきり言えよ！？俺が女役でまだ一回しかしてねえって！


「凛様が「僕がお嫁さんだから白でいい」と仰ったのでですね…その……」


シロの気遣いが辛い。クッソ！ローションとかいうのが手に入ったら俺が男役するからな！？覚悟しとけよシロ！


そんなこんなで始まった謁見。初っ端からシロが駄々を捏ね始めた。


「クロ、抱っこ！」


はあ！？


「あれだよ！クロは僕のもので、僕はクロのものって見せつけなきゃ！」


相変わらず思考回路が謎だ。


「クロは自覚ないよねえ？僕もクロも、幼馴染のみんな、信じられないくらい綺麗な顔してるんだからちゃんと認識して、ちゃんと防衛してよね！？」


なるほど。……うん、ごめん。よくわかんねえや。


折衷案で俺がクロの手を引いて登場！…ってことにした。シロは頬を餅みたいに膨れさせてたけど、キスひとつで「仕方ないねえ…」ってデレた。……チョロい。やっぱりシロは俺がついてないとどこかで幸せの壺とか売りつけられる気がする。