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【中央教会某視点】
しおりを挟む魔王の誕生が確認された。最悪なことに7体同時に、だ。
我々中央教会はそれを異世界の御伽噺に準えて『七罪魔王』と呼ぶ。
魔王たちはこの世界をぐるりと囲むようにしてそれぞれの拠点を構えた。周辺国の反応は様々だ。国交を図ろうとする国。警戒しながらも静観する国。そして ーーー 討伐隊を差し向ける国。
ゼノドア王国は王太子の花嫁を奪われた。長年思い合い、様々な条件を経てやっとで輿入れが決まった相手だったそうだ。王太子の怒りは凄まじく、また、相手の友人に『勇者』と呼ばれる神の愛し子がいた為に即座に討伐体が組まれたらしい。
世界中がゼノドアの魔王討伐に注目した。……が、結果は…。
ゼノドアという国は、地図上から姿を消した。
『魔王』というものの存在の認識を改めねばならん事態だ。信仰を維持する為の、今まで討伐してきた上位魔獣とは違う。奴らは人型で意思を持ち、国を築こうとしている。
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