【7人の魔王シリーズ 番外】ルーカス・フェリエーラは妹を愛でるのに忙しい。

ルーカス・フェリエーラとお仕置き 2

ぶっかけた水は氷水だ。よーしよし、全員心臓麻痺も起こさず元気だな。まあ起こしても今日はヴィルヘルミーナがいるから楽勝なんだけど。


「こんばんは、ローマン・クレーマン公爵令息及び『黒い妖精ブラックシュック』のみなさん」


『黒い妖精ブラックシュック』は零番街スラムを拠点とするマフィアのような集団だ。金さえ積まれればなんだってやるんだが、それ以上の金貨を積み上げてやると途端に寝返る、ある意味気持ちのいいくらいの屑の集まり。

『黒い妖精ブラックシュック』の屑どもは傷ひとつないように見えるけれど、ヴィルヘルミーナに治癒されただけであっちこっち千切れたり吹っ飛んだりしたんだろう。全員震え上がって声ひとつ上げない。逆に空気読めない糞令息は吠えてきた。


「……っき、貴様！確か護衛の子爵…！なぜここに！？ここは私の所有する家だぞ！不法侵入で……」

「ああ、先程この建屋は王国が接収した。陛下にはお前が何をしようとしたのか事細かく報告してある。ロゼマリアを攫って、こんな地下室に閉じ込めて、手錠と媚薬に新しいドレス。こんなものを用意して……どうするつもりだった？」

「………っ！？」

「……言えないか？うん、そうだね。じゃあ演やってみようか」

「……は！？」

「哀れな子羊が閉じ込められました、ああ、可哀想に」


俺は糞令息の両手に手錠をかける。ピュウ！とヴィルヘルムートから下品な口笛が吹かれた。


「そこの『黒い妖精ブラックシュック』諸君、お小遣い稼ぎに役者をやらないか？とある令嬢を攫って全員で金貨20枚？ああ、君たちは5人だから1人4枚。貴族令嬢を攫うっていう危ない橋を渡るのに端金だね？」


笑いながら金貨を床に落としていく。一枚ずつ、丁寧に。


「このお坊ちゃんは令嬢を攫って甚振って犯すつもりだった」


チャリン。チャリン。チャリン。


「君たちにおこぼれも渡さず、端金で攫った令嬢を」


チャリン。チャリン。チャリン。チャリン…


「こんなふうに、鎖で繋いで、真っ白な体を暴いて」


チャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリン…


「このお坊ちゃんも綺麗な顔をしているだろう？」


チャリン。


「きっと君たちが今から繰り出そうとしていた娼館の女より柔らかい肌だ。白い尻だ。ああ、余計な逸物はついているけど些細なことだろう？零番街の子供が童貞を捨てるのは大概歳を取った雄山羊だと聞いたことがある。もしくは攫って閉じ込めた女の順番待ちだと」

「～～～ってめえ！何が言いてえんだッ」


チャリン。チャリン。




「この床にばら撒いた金貨で糞餓鬼を犯せ。ああ、壊して構わん、こちらには聖女様がついている」











チャリン…