【異世界大量転生3】異世界とかよくわかんないけど、とりあえず好きに生きる。

31 アホの子

こっわ。《ちいさきもの》こっわ。

フィリップを滅多刺しにした後、晴れ晴れと消失したレストが怖すぎた。

自分のものにならないから殺そう……って、普通じゃないよね《ちいさきもの》。オリジンなら《逸霊》みたいに何度もトライするか、相手が格下だろうがハーレム入りするか、力技で拉致監禁するかのどれかなのに…。まあ、《桜坂刹那》としては、こうなるんじゃないかなあ…とは思っていたけどね。

やっぱり一番怖いのはオリジンでも魔物でも、ましてや神とか言われる維持管理システムでもなく、《ちいさきもの》なのだ。


資源を無駄にしないようにフィリップの亡骸……っていうか挽肉？を平らげたところで伝令が来る。


塔の中で雌を見つけたが、どうにも《尊き方々オリジンの言語》で歌っている、と。


何だろうねー、と行ってみると、懐かしい歌が聞こえた。



歌っていた。

血塗れの兵士たちに囲まれながら、それでも歌い続けていた。

その姿が、オリジン時代の娘と重なる。


「《迦陵》 ？」


雌の歌が ーーー 止まった。


「………お、お、…おとう、さ、ま…！！」


ウワア…。

ピンクだった。んで、オリジン時代の《高天》と《桜座》の子の、《迦陵》だった。まんまると美味そうに肥えて、オリジンの気配のかけらも無いほど擦り減っていたけれど。

ブワッとピンクは泣き出した。


「お父様！お父様…！ああ、もう思い残すことはありません。天上の御方々おんかたがたが私の最期の願いを聞いてくださったのですね…！さあ！ひとおもいにパクッと召し上がってください！お父様の糧となるのであれば私……！！」

「何言ってんの《迦陵》。何してんの《迦陵》」


いそいそと服を脱ぎ始めた《迦陵》を止める。


「え…？えっと、少しでも美味しく食べて頂こうと……その、舌触りとかですね…？」


思い出した。《迦陵》はアホの子だった。ごめん《迦陵》、お前の頭の残念さは俺の遺伝情報が原因だよ。


「ええ…で、では家畜に？でもですねお父様、私、ほとんどかけらを失いまして、その…魔力も《ちいさきもの》より少なくて、お役に立てないかと……」

「でも歌えるだろ？」

「…は、はい……」

「じゃあいいよ。帰ろうか。俺、お前の歌聴きながら《久遠》の膝の上で塑空の飯食って飲んで、両脇に涼音と瑞穂を侍らせたい」


最高だな！よしそうしよう！早く帰ろう！


《迦陵》を抱き上げる。

おっほぉ……この弾力！！筋肉とはまた違う脂の柔らかさ！最高だね！


「キャッ！？お、おおおおお…お父様！おも、おも…重たいですよ！？下ろしてください！！」

「アッハッハ！お前肥えたもんなあ。プニプニじゃん(もみもみ)」

「キャアアアアアアアアアイヤアアアアアアアアアアア！痩せます！痩せるんですから！！だから揉んじゃダメ！！お腹揉まないで！！下ろして！下ろしてえええええええ！！」

「暴れると落っことしちゃうぞー？それに痩せたら勿体無いじゃん？せっかくこんなに気持ちいい肉に育ってるのに！あー…触り心地最高！！(もみもみもみもみもみもみ)」

「あっ、あ、ああああ！おなかの…お腹のお肉はダメぇ！やめてやめてお父様やめて恥ずかしい！！お胸なら揉んでもいいけどお腹はらめぇえええええええ！！」





うん、良いピクニックだった！