【異世界大量転生3】異世界とかよくわかんないけど、とりあえず好きに生きる。

閑話:《久遠》

昔、昔の話だ。


天上の世界から降りてきた《管理者》は、天上のいきものたちを模して4匹の獣を作った。


秩序と原始を司る《高天》

栄華と繁栄を司る《桜座》

悠久と平定を司る《久遠》

破壊と終焉を司る《奈落》


地を満たせ。

その言葉通りに、《唯一》と名乗る管理者は、獣たちを交配し、さまざまな種族を作った。

初めは自我の無かった4匹の《原初の獣》は、次第に個性を持つようになる。

そして私と《桜座》は愛し合った。

いや、愛と言うにはあまりに歪んで狂った執着だ。


地は満ちた。

私や《桜座》は、私たち以外のいきものとも交配し、義務を果たした。


けれど……私と《桜座》の子は、ただの1匹も生まれなかった。


《呪い》だ。


《桜座》は《唯一》に愛されすぎていた。

天上人の『誰か』を模した《桜座》。

きっと《唯一》はその天上人を愛していた。

愛して、愛して、愛して。



 ーーー 狂っていた。



「お前を作ったのは間違いだった」


そう、《唯一》は言った。


「この世界は間違いだった。失敗した。ああ、そう、失敗だ。あのひととお前を同じ世界に作り直した私が愚かだった。ああ、私はまた間違えた…！」


《唯一》が私の首を締める。


「閉じよう。世界を。失敗だ。ああ、失敗だ。ああ、ああ、ああああああ…！＊＊＊！私の＊＊＊！何故また私を愛さない！？何故またお前を選ぶ！？失敗だ。間違いなんだ。この世界は。間違い、間違い、ま、ま、まままち、まち、がが………ma.....が、が…s………errorを、かか、か確認…しm……強制…終r…dekimasen、……mん…あああh、。、、。worldんxfdx、m、っmbjhjclose…初ki化……ガガ…kai…開始m……1%…………2%…」


狂っている。


終わる世界で、私は目蓋を閉じる。

浮かぶのは《桜座》の笑顔だけだった。



駄目だ。



私は《唯一》の手に初めて触れた。

焼けるように熱い手だ。


駄目だ、死ねない。


終わらせない。

この世界は、《桜座》がいる。

《桜座》の愛した世界がある。

死ねない。終わらせない。







たとえ、どんなモノになろうとも。

























私は、創造主である《唯一》を食った。