【異世界大量転生3】異世界とかよくわかんないけど、とりあえず好きに生きる。

とうや

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閑話:涼音02

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「で?涼音はネコとタチどっちやりたい?」


あまりといえばあんまりな言葉に僕は遠い目をした。





新婚旅行を兼ねたの仕入れと《桜座》の食事、一族の者への披露。色々兼ねた遠征から帰って初めての夜。

気を利かせすぎの女官たちが敷いた布団と、並んだ枕を見ながら刹那がけろりと言った。


「…え……」

「だってお前、ぶっちゃけ血塗れの俺見て勃っただろ?でも一応『妻』はお前だし、俺はまあ…うん、どっちでもいいし?」


……そうだった…。《桜座》の本質にばかり目が行きがちだが、桜坂刹那はこういう男だった。

良く言えば性に対して大らか、悪く言えば貞操観念皆無。

確かに僕は、返り血で全身を真っ赤に濡らす刹那を ーーー 《桜座》を見て『抱きたい』と思った。

善人も悪人も、立ち向かってくる者も逃げ惑う者も。老人も子供も女も男も美醜も地位も関係なく。

ただの自然災害のような苛烈で美しい、純粋なる暴力。恍惚と笑いながら分け隔てなく命を屠る姿に、昏い喜びを覚えた。


どうしてこんなに酷い男が、こんなに愛おしいんだろう。



「……じゃあ、今日は僕にさせて?」

「いいよ?」










おいで。













白い闇が笑う。















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